K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

レオ・レオニ展

2013年07月28日 | 美術
最近映画の更新が続いていたので、
たまには美術系の記事を更新したいと思いますです。
と言っても先月行った際の所感を思い出しながら書いているので、
かなり内容がおそまつになっているのは勘弁して下さい笑

渋谷のBunkamuraミュージアムでやっていたレオ・レオニ展です。
多くの人は「スイミー」という作品が彼とのファーストコンタクトでしょう。
今回は「スイミー」の展示もありましたが、「コーネリアス」や「フレデリック」など、
彼の代表作を中心として展開されていました。

彼の絵本の作風としては、「スイミー」や「コーネリアス」「フレデリック」など小動物達が主人公になっている作品と、「ペツェッティーノ」(主人公:部分)や「あいうえおのき」(主人公:文字)「あおくんときいろちゃん」(主人公:色)など非動物の抽象的概念が主人公になった作品の二種類に大別されるようです。
いずれも、教訓が得られる作りになっていて、その教訓は年齢問わず普遍的なものが多かったですね。
この教訓をこういうストーリーで伝えるのか!という感動が多かったです。

絵本や童話というものは幼児や学童の教育的側面を有する分、
教訓ありきのジャンルという印象があります。
そして、彼の作品も例にもれず教訓的側面を有していますが、
彼の作品の更なる良い点は美術的にも素晴らしい作品であるということです。
過去に多くの挿絵画家が居たにも関わらず、美術史的観点から評価されている作家が少ないように、
絵本作家の絵も美術史的観点からは軽視されがちな印象がありました。

それは絵本が絵よりもまず「教訓を示す話ありき」の存在だからだと思います。
イギリスのウィリアム・ブレークの主たる仕事を詩人とすべきか画家とすべきか決められないように、
絵本作家の存在はバイナリで不安定に位置づけられているように思うのです。

その点、レオ・レオニはそのいずれにおいても成功している。
特に「スイミー」の国内での認知度は義務教育で習う分非常に高い。
それは「スイミー」の持つ教訓が学童教育において秀でているという証左にもなっています。

そして美術的価値。個展が開かている時点でその証明にはなっている気がしますが、
特に私が感じる彼の作品の秀でている点は、非常にフラットな色面を用いている点だと思います。
彼の絵には陰影による奥行きが見られない。
色面の重なりを調整することでフラットな平面の立体的な認識を可能にしているように感じました。
それは日本画で言うところの前景・中景・後景による奥行き感覚に通じるものではないでしょうか。
その点も広く日本人に受け容れられた一要因なのかもしれませんね。

そして質感を表現するのが上手い。
ねずみの場合は紙をちぎった後を表面の毛皮に見立てていましたし、
岩肌や海などもフラットに描写しているものの文様によって質感を補っていました。
とても心地良く、流行りのフラット・デザインを想起させる感じの絵です。

個人的には虹色のカメレオンが好きですね~。
爬虫類大好きなので!!

あー、自己満の文章を書きすぎた。。
ここらで失礼したいと思います。

次回からはまた映画の更新ラッシュが続きます笑


hona-☆

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