
自動車などのエンジンが付いているものの整備記録として「交換記録リスト」を別途作成。
目的は各部オイル、各部品などの交換時期を一目で確認できるもので整備記録では項目毎にいつ交換したのか分かりづらいためです。
記録リストを見ると管理する自動車3台、バイク3台、農機具8台分を作成しているうちに特にクーラント交換が曖昧。
確かに農機具は親から預かってからクーラントはトラクターしか交換していません。
また15年ぐらい自動車も交換した記憶がありません。
今回は猛暑の中各車クーラントの点検として交換時期、汚れ具合、濃度(凍結温度)を調べました。
クーラント濃度計測は20年ぐらい前にアストロプロダクトで安価500円ぐらいの「アンチフリーズテスター」というもので簡易的に長く使用していましたが今回測定結果が怪しいと感じるようになりました。
というのはHA7アクティトラックのオイル交換時事前に自宅で測定した-26℃とカーショップでお願いした-30℃と4℃の開きがありこの誤差は安いテスターのためと考えました。
少しまともなものとして「光屈折で検査するバッテリー比重とクーラントテスター」も兼ねたものを注文しましたが作業までには届きませんでした。
また少し真面目に空気抜きを行うため「スピルフリーファンネル/クーラントチャージャー」を購入しましたがお店によって値段が極端に違うのは驚きです。
クーラント液は長く使うことはないため高価なスーパーLLCは止めて安価なLLCに統一しました。
少し遠いカインズでは古河薬品ラクラククーラントが5.0Lと2.0Lあり、近くのコメリではOEM版コメリブランド2.0Lしかないため調べて貰いましたがやはり2.0Lしかないと回答。
店員に皆さんはどうしてますか? と聞くと一度に何本も買っていくということでした。
< セレナC25のクーラント交換 >
セレナは約5万キロ走行の中古でしたがそれからの記憶では一度もクーラント交換していません。
工場出荷時は青色のスーパーLLCを入れてあるため7年または16万Kmで交換となっています。
なぜか色は緑でした。
日産ディーラーに聞くと過去のスーパーLLCの色は分からないという回答でした。
なぜかというとこのセレナC25初期リコールでは出荷時クーラント液が薄いためラジエターのチューブにアルミ生成物が詰まるということがあったため以前の所有者がリコール対応したためクーラントが交換されたのかと勝手に思いました。
ディアルエアコン車なのでサービスデータの容量は8.1L(リザーブタンク0.7L含み)、ラジエター、エンジン、各ホースで7.4Lとなります。
左側をジャッキアップしてラジエター下のドレンボルトが見えますがとても手が入らないため面倒ですがエンジン下のバンパー裏のカバーを外しました。
マイナスドライバーで3箇所、プラスドライバーで5箇所ネジを外して斜め下に向けて引きます。
ドレンボルトは右側の電動ファンの真下にありカーショップなどではリフトで上げて手を伸ばしても可能な位置です。
少し緩めると下に向いている少し太めのドレンパイプで少しゆっくり落ち始めます。
この時に注意としてラジエターのキャップはそのままにして置くこと。
そうしないとクーラント液が勢いで落ちてしまうからです。
ポタポタになれば灯油タンク側面をカットした廃油ケースをキチンと定めてからキャップを外すと残り分が勢いで落ちます。
リザーブタンクの黒いホースは小さい万力で布を巻いた所で抑えて液移動は避けました。
購入したクーラントチャージャーがリザーブ側との通路を塞ぐような構造ではないようです。
まずは事前測定した-15℃のラジエター内のクーラント液を抜くと3.65Lありました。
その後、①水道水による循環洗浄開始。
クーラント液が定期的交換していれば濃度が薄くなるこの方法は止めた方が良いですね。
なおHA7アクティトラックのようにラジエター回りだけでなくエンジン回りのホース内から抜ければ良いのですがセレナは分かりませんでしたのでまず1回目の水道水を入れてエンジンを掛けて温度は31℃に設定してファンを回しました。
10分ぐらいで空気抜きが終わる頃に薄い緑色に少しずつ変化しました。
クーラントチャージャー内の水が少し減るだろうと思っていましたが特に変化なし。
黄色い棒は中心に押し込んだ状態で上部透明パイプから薄い緑色らしき水がポコポコと出ていますのでクーラント液は循環していることが判断できます。
エンジンを止めてラジエター内のクーラント液を抜いてみると今度は3.7Lあり、0.05L増加 ?
量を測定する透明なペットボトルで見ると結構色が付いています。
再び、②水道水による循環洗浄開始。
今度はエンジンが温まっているため10分間ぐらいで循環洗浄終了。
リザーブタンクには0.65Lありましたが廃液タンクに捨てて水道水で洗浄。
これで抜くことは終了したためエンジン下のカバーを付けてジャッキも外して車体を水平に戻しました。
最後にラジエター内は約3.7Lのためラクラククーラント3.5Lを入れて残り0.5Lはクーラントチャージャー内に入れてラジエターが一杯になってからエンジンを掛けて空気抜き開始。
この時にクーラントチャージャー内には分かりやすいようにマジック目盛りを付けてあるので変化を見ます。
空気はポコポコと出てきて数分後に上部透明パイプからクーラント液が沸き出て来ましたのでエンジン停止。
やはり目盛りは変化しませんでしたのでクーラントチャージャー内に残った分はリザーブタンクへ。
この段階でリザーブタンク量はMaxより少し上にありマジックで少し印を付けました。
その後は途中でトラブル発生時対応のためラクラククーラントとクーラントチャージャーを乗せて近所数キロ走り走行確認。
特に問題がなく自宅に戻り確認するとリザーブタンク内の液が1cm下がっていました。
これは空気抜きが完全でなく、さらにリザーブタンクまでの黒いホース内分だと思いました。
最後に恐れていた濃度確認ですが約半分のクーラント-28℃と水が混ざり計算どおり-14℃となりました。
でも、安全温度-15℃プラス-5℃の目標濃度-20℃になりません。
住んでいる所ではそんなに寒くなりませんが冬季に寒冷地に旅行した場合に必要でさらに薄いと防錆対策になりません。
対策案を検討となりました。
防錆剤と消泡剤入りの古河薬品のラクラククーラント濃度は成分エチレングリコール(48~52wt%)で薄めないでそのまま使えるがクーラント液は用途として補充剤となることに気が付きました。
つまり主成分は100g当たりに48~52g溶質なので多少水で薄くなっても良いものでした。
でもこれでは濃くなりません。
一番簡単なのは再びラジエター内の-14℃ 3.7Lの代わりに-28℃に変更することですが面白くありません。
金額で換算すると約1,000円です。
そこで昔は水で薄めて使用した濃いクーラント液を探して和光ケミカルWAKO’SのR311 LLC 2.0L緑色を約2,000円で購入、成分エチレングリコール(90~95%)と濃いです。
配合表では
LLC 水 凍結温度
30 70 -15.2℃
35 65 -18.9℃
40 60 -24.0℃
45 55 -29.6℃
50 50 -35.5℃
――-------――――――――
以下は私が適当に換算
55 45 -41.6℃
60 40 -47.6℃
70 30 -50.0℃
80 20 -54.0℃
90 10 -58.0℃
100 0 -61.0℃
蓋を開けて簡易的テスターで100%原液を測定すると何んと、約-60℃となり凄い。
結局今回は安全を見て翌日にラジエター内の3.7Lでなく3.1Lはラクラククーラント-28℃を交換した結果-19℃になり目標に近づいたのでこれで終了。
今後はリザーブタンクが減った場合はWAKO’SのLLCを補充すれば良いと判断。
< クボタ トラクターのクーラント交換 >
3年前にクーラント交換しました。
整備記録がなく記憶に無いぐらい長く使用していたためドロドロの状態をラジエターも含め水洗いしてひとまずクーラント交換しましたが汚れは完全でありませんでした。
濃度も簡易テスターでは現在-13℃となり私の基準より下がっていました。
冬季の2月に田んぼを耕しますが温かい日にしかやらないため問題はないと思いましたが薄いとラジエターが錆てしまう恐れがあるため今回交換することにしました。
ラジエター内のクーラントを抜くと5.7Lありリザーブタンクは0.85Lありました。
今回も水を入れて洗浄しようと思いましたがセレナと同じように薄くなってしまうため中止。
ラクラククーラント0.85L(-28℃)+水0.5Lはリザーブタンクへ。
セレナから抜いた3.1L(-14℃)を入れてからラクラククーラント2.6L(-28℃)をラジエターが一杯なりエアー抜きを開始。
結果としてトラクターのクーラント濃度は-19℃ となりセレナC25と同じとなりました。
なお、トラクターのラジエターキャップはクーラントチャージャー付属のアタッチメントの一番大きいものをマジックで印を付けて次回は迷わず設置できます。

残りのコンバインや他の車は次期を見て交換して行きます。
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最後に、Sinotech社製のRHAN-503ATCのテスターが届いたので簡易テスターと濃度比較を行いました。
中央部の℃計左側はPROPYLENE(プロピレン)、右側がETHYLENE(エチレン)でエチレングリコールなのでクーラントは右のETHYLENEで判断するようです。
簡易テスター RHAN-503ATC 誤差
ラクラククーラント -28℃ -35℃ 7℃
WAKO’SのLLC 約-60℃ 測定NG -
走行前セレナC25 -19℃ -20℃ 1℃
走行後セレナC25 -19℃ -22℃ 3℃
走行前アクティ -26℃ -30℃ 4℃
走行後アクティ -23℃ -30℃ 7℃
比較して誤差がバラバラで判断できません。
熱いクーラントでは濃度は上がりますが実際はエンジン停止時に始動するので参考になりません。
ラクラククーラントの成分エチレングリコール(48~52wt%)で平均50%ならば-35℃とほぼ一致。
さらに以前HA7アクティトラックをカーショップで検査して貰ったのと同じ-30℃なので購入したテスターがほぼ正しいだろうと考えます。
やはり測定するテスターは高価ならば信頼度がありますがある程度のものが必要と反省しています。