京の一枚

京都 紅葉100シリーズ 八瀬大原 瑠璃光院 NO.91


ここ「八瀬」の地は、「矢背」とも記されるように、壬申の乱で背中に矢傷を負われた大海人皇子(天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷を癒されてより、平安貴族や武士たちに「やすらぎ」の郷として愛されてきました。
本願寺歴代門跡もしばしば訪れたと記録に著され、明治の元勲三条実美公は、当時の庵に「喜鶴亭」と名付けて直筆の命名額を下されています。



(瑠璃光院に現存)
その後、大正末から昭和の初めにかけて、一万二千坪の敷地に延二四〇坪に及ぶ数奇屋造りに大改築するとともに、自然を借景とした名庭を造営。
建築にあたった棟梁は、京数寄屋造りの名人と称された中村外二、築庭は、佐野藤右衛門一統の作と伝えられます。


その後現在まで、日本情緒あふれる名建築・名庭として多くの人々に親しまれ、囲碁本因坊位の対戦場となったことなどが知られております。
そして今、文化財の保護と公益を目的に、一般の方々にも公開する機会を持ち、皆様に「心のやすらぎ」を提供するに至りました。
花ふぶきの春、緑に萌える夏、紅に染まる秋、銀嶺の冬。
豊かな自然と数寄屋造りの建物や名庭がおりなす四季折々の表情、興趣……。




叡山電鉄、八瀬比叡山口駅より高野川の清流に沿って歩き、吊り橋を渡ると瀟酒な山門が目に入ります。
ゆっくりと登る参道の傾斜地に植えられた百種以上の楓紅葉が秋ともなると錦繍を競い合います。
玄関前の池で、まず大きな鯉がお出迎え。
銅鑼を叩いてお越しをお知らせください。

「瑠璃の庭」を望む格調高い落ち着いた書院で、ゆったりとおくつろぎください。
瑠璃色に輝く浄土の世界を表わした当寺の主庭。
数十種の苔のじゅうたんをぬって一条のせせらぎが清らかに流れます。
天にかけのぼる龍を水と石で表した池泉庭園。
眺める人の心を解放し、昇運の兆しをもたらすといいます。

茶庵「喜鶴亭」
三条実美公命名の由緒ある茶室。
和敬静寂の精神を映す千家第六代覚々斉原叟好みの佇まい。
数百年の歴史を有する当寺の寺宝の数々を、毎年数点ずつ公開。
名建築、名庭とともに貴重な文化財をご鑑賞ください。

八瀬名物「かま風呂」
日本式蒸し風呂の原型であり、「八瀬のかま風呂」の現存する希少な遺構。ご見学も可能。

何百年にもわたって守り伝えられた貴重な文化遺産。
時を経て輝きを増した美と出合う、至福のひととき。

この秋は、「南蛮屏風」「聖衆来迎図」「阿弥陀三尊来迎図」の三点を展示いたします。
日テレの番組「京都 心の旅へ」内で瑠璃光院が紹介されました。
当時の番組のスケジュール等は以下の通りです。
http://www.ntv.co.jp/kyoto/oa/20081011/naiyou.html

アクセス
叡山電鉄
八瀬比叡山口駅下車 徒歩5分
比叡山ケーブル
八瀬駅下車 徒歩5分
駐車場     あり
住所
京都府京都市左京区上高野東山55番地
電話番号     075 (781) 4001













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