第7話 流星色ノクターン
流衣はシャトーで幸音と夕食をしていた。
この日のメニューは流衣の好きなハンバーグ。
流衣は頬張って食べる。
「大家さんのハンバーグ凄い美味しい。私が作ると何か臭みが出るけど。」
「当店のハンバーグはハーブなどを効かせておりますので。」
「確かにこれなら毎日食べたいぜ。」
「お兄ちゃんはハンバーグが好きなんです。」
「左様にございますか。」
「ああ。幸音には悪いがあんたの作ったのが美味い。」
「もうお兄ちゃんったら!」
「そういえば明日は流星群が観測出来るそうですがご覧になられるのでしょうか?」
「さぁな。とりあえず今日は課題あるから帰るわ。ごちそうさん。」
そう言い流衣はシャトーを後にした。
綺麗に平らげられた皿に我久斗は微笑んだ。
そして翌朝を迎えた。
今日も暁町に朝日は昇った。
流衣は1人町の浜辺で水平線から昇る朝日を見ながら缶コーヒーを味わう。
彼には至福の時だった。
大好きな朝日と缶コーヒー。
このために早起きして来たのだから。
今日も綺麗な朝日を目に焼き付け流衣は登校した。
教室のドアを開ける。
誰もいないだろうと無言で入る。
しかし教室には明恵、遥、満が既に席に着いていた。
「おはよう。」
明恵が流衣に挨拶する。
「おはよう。」
「昨日はるちゃんと仲直りしたんだって。」
「いきなり許してもらえてびっくりだったがな。」
「いいのよ。時間も経ったし忘れたから。」
「流衣さん、今日は私からお話があるんです。」
「あ?」
「今日一緒に流星を見ませんか?」
「別に構わないぜ。とりあえず話は放課後な。」
そして授業は始まり流衣は退屈そうにシルヴィの話を聞く。
何か満にはデートに誘われたみたいだな。
流衣はそう思いながら授業を聞く。
「朝日君、どうしたの?ペンが動いてないわよ。」
シルヴィが流衣に話し掛けた。
「すいません。ボーッとしてました。」
「大丈夫?」
「はい。」
いつものシルヴィに話し掛けられるのは彼には日常に思えた。
そしてお昼休みを迎えた。
流衣は1人中庭のベンチで昼食を取る。
今日も幸音の手作り弁当だった。
流衣は静かに口にする。
すると耳打ちをされる。
「美味しい?」
振り向くと翔子が後ろに立っていた。
「何だよ!」
「私も一緒いいかしら?」
「あと沙菜先輩もね。」
「俺は1人になりたいんだ。」
「もしかして月島さんにデートに誘われたからかしら?」
「何で知ってんだよ!」
「あきちゃんとはるちんから聞いたよ。みっちーとデートだって。」
「遥のやつ!」
「幸音ちゃんのお弁当私ももらうよ?」
沙菜はそう言い流衣の弁当に手を伸ばす。
そして玉子焼きを取り口にする。
「勝手に食わないで下さい!」
「ねぇ私のお弁当も食べるわよね?」
翔子は自分の弁当を広げ流衣に見せる。
「いらない。」
「早起きして作ったのよ。」
「俺は他行く。代わりにあいつらが一緒に食うから。」
そう言い流衣は中庭の木を指差す。
「お前ら、俺からの頼みで先輩たちの相手してくれ。」
すると光と剣が顔を出した。
「はーい。」
2人は走って向かって来る。
「生徒会長とご一緒出来るんですか?光聞きたいことあります。」
「僕も生徒会長の方針などについて是非。」
「じゃあな。」
「流衣ったら…」
翔子は残念そうに呟き遠ざかる流衣の背中を見送った。
そして流衣は教室で1人スマホでゲームをする。
彼にはゲームが落ち着くようだ。
流衣はゲームでドラゴンを倒した。
「もう片付いたか。」
思ったよりも早く終わり暇そうにする。
時計を見るとまだ昼休みは20分もあった。
「流衣君!」
明恵が呼ぶ声がし振り向く。
「流衣君、お昼どこいたの?」
「幸音があんた探してたわよ。」
「別にいいだろ。1人になりたかった。」
「でも今夜は私と。」
「別にいいぜ。」
「ねぇみっちゃん、私たちもダメかな?」
「お願いよ。満も皆といたくない?」
「お2人がそこまでと仰るならいいですけど。」
「やったー。」
そして時刻は9時を迎えた。
皆で丘に登る。
そこは満の家の私有地で夜景の綺麗な丘だった。
「みっちゃん、ありがとうね。」
「ここ全体が満の家の私有地なんてね。」
「はい。今は売り地だからいつでもどうぞ。」
「俺もここから日の出見るのもいいかもな。」
そして皆でシートを広げ座る。
その数分後他のゲストたちも来る。
「お兄ちゃん、大家さんがお弁当作ってくれたよ。」
幸音とシルヴィ、翔子、沙菜たちもやって来た。
「先生に会長たちまで。」
「私が呼びました。夜遅いから先生がいた方が。」
「私たちも先生に誘われたのよ。」
「じゃああいつらは話を聞いてついて来たのか。」
すると木陰から光と剣が現れる。
「朝日先輩、私たちもよろしいでしょうか?」
「僕らもご一緒させていただきます。」
「ダメだ。帰れ!」
「そんな潤オ」
がっかりしながら2人は背を向け歩いて帰る。
「良かったの?」
「ああ。」
流衣は沙菜の質問に即答だった。
皆でシートを広げ我久斗の作った弁当を食べる。
弁当を食べながら話が弾む。
「ねぇ流衣君ってさ何で急に引っ越したの?」
「そうそう。凛香の四十九日何で来なかったの?」
「まぁ鬱になってな。しばらく入院。その後田舎に昇と母さんと引っ越したんだよ。」
「そうなんだ。私心配したよ。」
「悪いな。」
「まぁ流衣さんはそれどころじゃなかったんでしょうね。」
「そうだな。」
「でも今は皆さんの中にいられて幸せそうですね。」
「そういや肌寒いな。まだ4月末だし。」
「4月は11月と同じ気温です。寒いだろうと思い紅茶を淹れて参りました。
皆さん飲んで下さい。」
「満先輩、いいんですか?」
「はい。ご遠慮なく。」
その頃光と剣は2人で夜空を見上げていた。
「私たち朝日先輩に嫌われてるんですかね。」
「この学校来て朝日先輩は僕より皆を選ばれて嫉妬してます。」
「特に幸音さんとは毎日一緒に。」
「それですよ。妹だからって毎日一緒に登下校に手作り弁当に同じ屋根の下で毎日。」
「私もです。妹なんてかなり美味しい立場ですよ。」
「僕らは何をすべきか。」
するとその時2人の真上を一筋の星が流れて行った。
剣が気付く。
「あ!流れ星が来ました!」
「はい!」
そして流星群がやって来た。
「願い事を!」
2人は目を閉じ願いを口にした。
「朝日先輩とずっと一緒にいたい!朝日先輩とずっと一緒にいたい!朝日先輩とずっと
一緒にいたい!」
2人は同じことを願った。
そして流衣たちも流れ星を見上げていた。
流星の瞬く夜空の神秘に見とれる。
「綺麗だ。」
「月島さんに感謝するわ。私が生徒会長として皆を代表して。」
「みっちゃんのおかげだよ。」
「お兄ちゃんと見られて私幸せ。」
「皆さんに楽しんでいただいて私嬉しいです。」
満は満面の笑みでそう言った。
「月島さん、ありがとう。先生も嬉しいわ。」
「満、私も楽しかったわ。ありがとう。」
「沙菜先輩も楽しかったよ。ありがとう。」
皆に感謝され満は幸せで言葉が出ない。
逆に嬉しさあまり涙が零れ落ちていた。
満は今日は流衣にアピール出来た。
そう思えた1日になった。
流星はそんな彼女の願いを叶えてくれたのだろう。
続く
流衣はシャトーで幸音と夕食をしていた。
この日のメニューは流衣の好きなハンバーグ。
流衣は頬張って食べる。
「大家さんのハンバーグ凄い美味しい。私が作ると何か臭みが出るけど。」
「当店のハンバーグはハーブなどを効かせておりますので。」
「確かにこれなら毎日食べたいぜ。」
「お兄ちゃんはハンバーグが好きなんです。」
「左様にございますか。」
「ああ。幸音には悪いがあんたの作ったのが美味い。」
「もうお兄ちゃんったら!」
「そういえば明日は流星群が観測出来るそうですがご覧になられるのでしょうか?」
「さぁな。とりあえず今日は課題あるから帰るわ。ごちそうさん。」
そう言い流衣はシャトーを後にした。
綺麗に平らげられた皿に我久斗は微笑んだ。
そして翌朝を迎えた。
今日も暁町に朝日は昇った。
流衣は1人町の浜辺で水平線から昇る朝日を見ながら缶コーヒーを味わう。
彼には至福の時だった。
大好きな朝日と缶コーヒー。
このために早起きして来たのだから。
今日も綺麗な朝日を目に焼き付け流衣は登校した。
教室のドアを開ける。
誰もいないだろうと無言で入る。
しかし教室には明恵、遥、満が既に席に着いていた。
「おはよう。」
明恵が流衣に挨拶する。
「おはよう。」
「昨日はるちゃんと仲直りしたんだって。」
「いきなり許してもらえてびっくりだったがな。」
「いいのよ。時間も経ったし忘れたから。」
「流衣さん、今日は私からお話があるんです。」
「あ?」
「今日一緒に流星を見ませんか?」
「別に構わないぜ。とりあえず話は放課後な。」
そして授業は始まり流衣は退屈そうにシルヴィの話を聞く。
何か満にはデートに誘われたみたいだな。
流衣はそう思いながら授業を聞く。
「朝日君、どうしたの?ペンが動いてないわよ。」
シルヴィが流衣に話し掛けた。
「すいません。ボーッとしてました。」
「大丈夫?」
「はい。」
いつものシルヴィに話し掛けられるのは彼には日常に思えた。
そしてお昼休みを迎えた。
流衣は1人中庭のベンチで昼食を取る。
今日も幸音の手作り弁当だった。
流衣は静かに口にする。
すると耳打ちをされる。
「美味しい?」
振り向くと翔子が後ろに立っていた。
「何だよ!」
「私も一緒いいかしら?」
「あと沙菜先輩もね。」
「俺は1人になりたいんだ。」
「もしかして月島さんにデートに誘われたからかしら?」
「何で知ってんだよ!」
「あきちゃんとはるちんから聞いたよ。みっちーとデートだって。」
「遥のやつ!」
「幸音ちゃんのお弁当私ももらうよ?」
沙菜はそう言い流衣の弁当に手を伸ばす。
そして玉子焼きを取り口にする。
「勝手に食わないで下さい!」
「ねぇ私のお弁当も食べるわよね?」
翔子は自分の弁当を広げ流衣に見せる。
「いらない。」
「早起きして作ったのよ。」
「俺は他行く。代わりにあいつらが一緒に食うから。」
そう言い流衣は中庭の木を指差す。
「お前ら、俺からの頼みで先輩たちの相手してくれ。」
すると光と剣が顔を出した。
「はーい。」
2人は走って向かって来る。
「生徒会長とご一緒出来るんですか?光聞きたいことあります。」
「僕も生徒会長の方針などについて是非。」
「じゃあな。」
「流衣ったら…」
翔子は残念そうに呟き遠ざかる流衣の背中を見送った。
そして流衣は教室で1人スマホでゲームをする。
彼にはゲームが落ち着くようだ。
流衣はゲームでドラゴンを倒した。
「もう片付いたか。」
思ったよりも早く終わり暇そうにする。
時計を見るとまだ昼休みは20分もあった。
「流衣君!」
明恵が呼ぶ声がし振り向く。
「流衣君、お昼どこいたの?」
「幸音があんた探してたわよ。」
「別にいいだろ。1人になりたかった。」
「でも今夜は私と。」
「別にいいぜ。」
「ねぇみっちゃん、私たちもダメかな?」
「お願いよ。満も皆といたくない?」
「お2人がそこまでと仰るならいいですけど。」
「やったー。」
そして時刻は9時を迎えた。
皆で丘に登る。
そこは満の家の私有地で夜景の綺麗な丘だった。
「みっちゃん、ありがとうね。」
「ここ全体が満の家の私有地なんてね。」
「はい。今は売り地だからいつでもどうぞ。」
「俺もここから日の出見るのもいいかもな。」
そして皆でシートを広げ座る。
その数分後他のゲストたちも来る。
「お兄ちゃん、大家さんがお弁当作ってくれたよ。」
幸音とシルヴィ、翔子、沙菜たちもやって来た。
「先生に会長たちまで。」
「私が呼びました。夜遅いから先生がいた方が。」
「私たちも先生に誘われたのよ。」
「じゃああいつらは話を聞いてついて来たのか。」
すると木陰から光と剣が現れる。
「朝日先輩、私たちもよろしいでしょうか?」
「僕らもご一緒させていただきます。」
「ダメだ。帰れ!」
「そんな潤オ」
がっかりしながら2人は背を向け歩いて帰る。
「良かったの?」
「ああ。」
流衣は沙菜の質問に即答だった。
皆でシートを広げ我久斗の作った弁当を食べる。
弁当を食べながら話が弾む。
「ねぇ流衣君ってさ何で急に引っ越したの?」
「そうそう。凛香の四十九日何で来なかったの?」
「まぁ鬱になってな。しばらく入院。その後田舎に昇と母さんと引っ越したんだよ。」
「そうなんだ。私心配したよ。」
「悪いな。」
「まぁ流衣さんはそれどころじゃなかったんでしょうね。」
「そうだな。」
「でも今は皆さんの中にいられて幸せそうですね。」
「そういや肌寒いな。まだ4月末だし。」
「4月は11月と同じ気温です。寒いだろうと思い紅茶を淹れて参りました。
皆さん飲んで下さい。」
「満先輩、いいんですか?」
「はい。ご遠慮なく。」
その頃光と剣は2人で夜空を見上げていた。
「私たち朝日先輩に嫌われてるんですかね。」
「この学校来て朝日先輩は僕より皆を選ばれて嫉妬してます。」
「特に幸音さんとは毎日一緒に。」
「それですよ。妹だからって毎日一緒に登下校に手作り弁当に同じ屋根の下で毎日。」
「私もです。妹なんてかなり美味しい立場ですよ。」
「僕らは何をすべきか。」
するとその時2人の真上を一筋の星が流れて行った。
剣が気付く。
「あ!流れ星が来ました!」
「はい!」
そして流星群がやって来た。
「願い事を!」
2人は目を閉じ願いを口にした。
「朝日先輩とずっと一緒にいたい!朝日先輩とずっと一緒にいたい!朝日先輩とずっと
一緒にいたい!」
2人は同じことを願った。
そして流衣たちも流れ星を見上げていた。
流星の瞬く夜空の神秘に見とれる。
「綺麗だ。」
「月島さんに感謝するわ。私が生徒会長として皆を代表して。」
「みっちゃんのおかげだよ。」
「お兄ちゃんと見られて私幸せ。」
「皆さんに楽しんでいただいて私嬉しいです。」
満は満面の笑みでそう言った。
「月島さん、ありがとう。先生も嬉しいわ。」
「満、私も楽しかったわ。ありがとう。」
「沙菜先輩も楽しかったよ。ありがとう。」
皆に感謝され満は幸せで言葉が出ない。
逆に嬉しさあまり涙が零れ落ちていた。
満は今日は流衣にアピール出来た。
そう思えた1日になった。
流星はそんな彼女の願いを叶えてくれたのだろう。
続く