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Western Quest

2017年11月28日 06時15分13秒 | 小説
第22章 黄龍覚醒

守は戦っていた。
素早い動きに翻弄され押される。
そして攻撃を受け倒れた。
「ぐあ!」
変身が解け倒れる。
「そこまでです!」
「まだだ!」
守は一枚のお札を投げその場を後にした。
神社の鳥居を潜り森の奥へ逃げ込んだのだった。
晴斗たちはバーベキューに来ていた。
秋晴れの空の元に香ばしい香りが広がる。
「皆!焼けたからおいで!」
鬼龍院が1人1人に肉を配る。
「いただきます!」
皆は喜んで肉を口にする。
「晴斗君、あ~んして。」
唯は箸を晴斗に近づける。
「おいおい…」
嫌々ながらも晴斗は応じる。
「晴斗さん、僕にもして下さい!」
潤んだ目で小虎は見つめる。
「はいはい…」
晴斗は嫌々ながらもまた応じた。
「明菜ちゃん、俺にもいいかな?」
「はいはい。」
明菜は嫌々ながら応じた。
それを見た晴斗は嫉妬に燃えていた。
「あいついつかぶっ飛ばす!」
「兄上も晴斗さんも相変わらずですね。」
道三郎はため息をついた。
こうして食事を終えた一同は森林を満喫していた。
晴斗は唯と小虎の3人で滝壺を見ていた。
「こうしてると心が現れるわね。」
「僕もです。イオンを感じます。」
2人をよそに晴斗は違った。
「俺は別にってかお前らは手を離せ!」
2人の手を握る行為も相変わらずだった。
一方満十郎は明菜と道三郎の3人で丘に立っていた。
「こうして見ると私たちのいる大阪って小さく見えるね。」
「不思議ですよ。普段は大きく感じる街なのに。」
「俺たちもそうだよ。何でも大きいようで小さいんだ。」
3人は空を見上げ爽やかな風が吹いた。
一方で妖怪たちも動き出していた。
荒んだ神社に2人の影がある。
「今日こそは陰陽師の首と人間の命を。」
神主風の男が朧車の前に跪く。
「貴様に任せたぞ。姑獲鳥!」
「はい。」
こうして人間界に妖怪が放たれた。
そうとは知らず晴斗たちはのん気に過ごしていた。
全員で集合し森の奥へ進んで行く。
「俺たちも本当に成長したよな。我ながら思う。」
晴斗の言葉に皆頷く。
「あとは僕だけですね。」
道三郎はそう言い下を向く。
そこに満三郎が肩に手を伸ばした。
「ゆっくりでいいよ。」
「ですが兄上!」
「焦るな。最初から強いやつはいない。」
「お前にしてはいいこと言うな。俺も同じだよ。」
晴斗もそう言って道三郎の肩に手を置いた。
「君たちも最初よりとても大きく見える。彼だってそう。」
鬼龍院の言葉に皆はここまで来たんだと実感した。
すると一同の前に見覚えのある背中があった。
それは守だった。
一同は駆け出す。
「守!」
すると振り向き止まれと手を前に出す。
「何だよ!久々に会ってそれはないだろう。」
「晴斗の言う通りだ。」
すると守は口を開いた。
「この先の神社に妖怪がいる。」
そう言い守はふらつく。
それを晴斗は抱える。
「お前まさか。」
「少しやられただけだ。まだ僕は戦える。」
「お前は休んでろ。俺たちが殴り込みに行ってやる。」
満十郎は拳を握り前に進む。
「その男気俺も気に入ったぜ。」
晴斗も同行する。
「僕も行きます!」
「私たちも!」
小虎と唯と明菜も2人を追いかけ進む。
「やれやれです。」
「君はまだ覚悟が出来てないんだね。でも大丈夫だから。」
鬼龍院は笑顔でそう言った。
そして5人は神社の鳥居の前に立った。
固唾を飲み込み神社の鳥居を潜って進んだ。
「頼もうーーーーーーーーーーーーーーー!」
晴斗は叫んだ。
するとそこには神主がいた。
「妖怪はどこだ!」
晴斗は尋ねると神主が答えた。
「そちらから来られるとは探す手間が省けました。」
「まさかお前が!」
「そうです!私は姑獲鳥!妖怪姑獲鳥とはこの私!」
そう言い神主は妖怪に変身した。
その姿は赤く光る大きな目に鋭く長い嘴や爪に黒い翼や体をした烏の怪物だ。
それを見た5人はボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し武器を構え姑獲鳥に向かっていく。
姑獲鳥は百鬼兵を放ち行く手を阻む。
「では私は高みの見物をさせていただきます。」
そう言い姑獲鳥は翼を広げ天高く舞い上がる。
晴斗と明菜はさせまいと2人も翼を広げ舞い上がる。
「雑魚は頼む。」
「そうさせてもらうぜ。」
「だったら早く倒して加戦しましょう。」
「賛成賛成!」
3人はそう言い敵軍に突っ込んで行く。
晴斗は姑獲鳥に剣で襲い掛かる。
姑獲鳥は羽を抜き羽を薙刀に変える。
姑獲鳥はひらりと回避する。
晴斗は再び向かって行き剣と薙刀が鎬を削る。
「ここは任せて!」
そう言うと晴斗は後ろに引き明菜が弓を構えた。
明菜は弓矢を次々に放ち攻撃する。
姑獲鳥は薙刀で払う。
次に姑獲鳥は翼から竜巻を放ち反撃する。
明菜は避けるも姑獲鳥は次々に竜巻を放った。
2人は弓矢と竜巻の放ち合いになる。
「そこだ!妖術鳳凰烈火!」
晴斗は後ろから妖術を放ち攻撃した。
「ぐあ!」
更に明菜も妖術を仕掛けた。
「妖術朱雀日光!」
激しい光の攻撃が姑獲鳥を襲った。
「ぐ!やりますね!」
姑獲鳥は急上昇した。
そして翼をたたんで急降下し薙刀で襲い掛かる。
「だったら俺も!妖術火炎車輪!」
晴斗も迎え撃ち攻撃がぶつかった。
しかし姑獲鳥の勢いに押され晴斗は落下し倒れる。
「お兄ちゃん!」
「次は貴方です!」
姑獲鳥は翼で扇ぎ上空に大嵐を引き起こした。
明菜は飛ばされそうになり必死で飛行している。
「隙だらけですね!」
そして明菜を薙刀で払い明菜は落下した。
そこに百鬼兵を倒し終えた3人は攻撃を仕掛けた。
「妖術氷結吹雪!」
「妖術暴雷暴風!」
「妖術真鯉百花!」
3人は妖術を放つも大嵐に掻き消された。
「だったら!天狗!」
小虎は風に乗り姑獲鳥に襲い掛かる。
しかし大嵐の勢いに勝てず小虎も落下した。
「だったら!ろくろ首!」
満十郎はボールをセットし腕を伸ばして攻撃に出た。
しかし大嵐勢いに伸びず姑獲鳥は腕を掴んで投げ飛ばした。
そして急降下し唯に突進し5人は倒れる。
倒れる5人に更に上空から攻撃を放つ姑獲鳥。
薙刀から空気の刃を放ち5人を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
容赦のない攻撃に5人は何も出来ずいる。
「まだまだです!」
更に攻撃が放たれ辺りは爆風と炎に包まれた。
倒れ窮地に追い込まれる5人。
「陰陽師、ここに死すのです!」
姑獲鳥は高笑いして言ったその時だった。
「バク!」
変身した守が駆けつけ嵐の暴風を吸い取った。
更にボールをセットし装束を変える。
「化け草履!」
守は天高く飛び上がり姑獲鳥に渾身の踵落としをした。
「ぐあーーーーーーーーーー!」
更にボールをセットし攻撃する。
「鎌鼬!」
強化した鎌で斬撃を決めようとした時だった。
姑獲鳥は気流に乗り避けた。
「大空は私の舞台。ここでは私に適う者はいない。」
姑獲鳥は突進し翼で叩き落した。
守は落下し変身が解けた。
姑獲鳥は再び嵐を起こし上空から見下ろす。
するとそこに道三郎が駆けつけて来た。
「皆さん、しっかりして下さい!」
「来るな逃げろ!」
満十郎は叫ぶも道三郎は首を横に振る。
「僕だって戦える!叩かないとダメなんです!」
「おや?まだ歯向かう者がいるのですね。」
「この世界は妖怪になんて渡さない!僕らが守るんだ!」
そう言うと黄龍ボールが光りだした。
「お前、ついに…」
「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
道三郎は叫びを上げボールをセットした。
「妖術陰陽変化!」
変身した姿は烏帽子着物の黄色い陰陽師の戦士だ。
「砂塵の妖術使い黄陰陽師!」
「だから何です!上空いる限り私は無敵なのだ!」
すると道三郎は妖術を放つ。
「妖術黄龍砂塵!」
すると大量の砂が姑獲鳥を襲った。
しかし大嵐に砂は巻き込まれバラバラになる。
「無駄でしたね。」
しかし砂の粒子は姑獲鳥に命中し爆発する。
「ぐあ!」
無数の粒子が一粒一粒姑獲鳥を襲い爆発する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーー!」
姑獲鳥は嵐に飲み込まれ上空を旋回する。
そして道三郎は陰陽黄龍槌を持ち飛び上がった。
砂の粒子を踏み爆風に乗り姑獲鳥に接近し槌で一撃を入れた。
「ぐあーーーーーーーー!この私が!」
そして倒れていた5人も立ち上がった。
「お前、上空にいるなら無敵なんだろ?」
「それがどうしたのです!」
晴斗の言葉を愚問のように思い嘲笑い言い返す。
「地に落ちれば無敵じゃないよな?」
姑獲鳥は満十郎の言葉に核心を突かれ逃げ出そうとした。
晴斗はボールをセットし攻撃した。
「砂かけ婆!」
放たれた砂の粒子が姑獲鳥を襲い目に命中した。
「目がぁ!」
満十郎もボールをセットし攻撃する。
「天邪鬼!」
姑獲鳥に言葉をかけた。
「お前は飛べる鳥だな!」
すると姑獲鳥は突如翼が退化し地面に落下した。
「まだです!」
薙刀で満十郎に襲いかかる。
すると塗り壁ボールが満十郎の手に渡り光った。
満十郎はボールをセットし反撃する。
「塗り壁!」
強化した体で薙刀を掴みへし折った。
そしてそこに鉄拳での一発が命中した。
次にのっぺらぼうボールが光り小虎の手に渡る。
小虎もボールをセットし攻撃する。
「のっぺらぼう!」
小虎は筆で爆の文字を書き姑獲鳥に投げつけ爆発させた。
「ぐあ!」
姑獲鳥は倒れるも起き上がり逃げ出す。
すると影から手が伸び掴まれ転倒した。
そこには文車妖妃装束の晴斗がいた。
「晴斗さん、捕まえてて下さいね!」
壁の文字を書き投げつけ姑獲鳥の逃げ場をなくす。
「妖術真鯉花嵐!」
唯の放った花吹雪が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーー!」
「妖術光陽双翼!」
明菜の翼から光の攻撃が姑獲鳥を襲う。
「ぐおーーーーーーーー!」
「妖術砂地獄豪!」
道三郎の攻撃は姑獲鳥を捉え足が地に埋まり身動きを奪う。
そこに道三郎はとどめを刺す。
「妖術陰陽黄龍砂塵打!」
槌から放たれた黄色い竜が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり姑獲鳥は死んだ。
皆は変身を解き落ちたボールを晴斗が拾う。
するとそこに拍手が響く。
鬼龍院が拍手で鳥居を潜って来た。
「素晴らしい。君もついに覚醒したんだね。」
「はい。僕もついに陰陽師に。」
喜ぶ道三郎に皆が駆け寄る。
「流石は俺の弟だ!俺の誇りだ!」
「お前も立派になりやがって。次は兄貴を越えろよ!」
「最高です!僕らも7人これで無敵ですよ!」
「僕からも頼むよ。」
「これからも頑張ろう。一緒に戦おう。」
「それにお兄ちゃんたちだけじゃ心細いし。」
皆に頼られ道三郎は嬉し涙を流す。
「ありがとう!ありがとうございます!」
「帰ろう。今日はお祝いにお寿司だよ。」
鬼龍院の言葉で皆は大喜びしその場を後にした。
一方で妖怪たちは急遽集会を開いていた。
「それぞれの軍の幹部が全滅されたようですな。」
家老の朱の盆は4人に問いかける。
「ですが次の段階へは進んでおります故問題はないかと。」
冷淡な口調で朧車は物申し素顔を晒し目を伏せる。
「俺様は久々にドカンと宴でもやりてぇ気分だな。」
鵺は衝動をこれ以上抑えられないと体が疼く。
「じゃが陛下の復活はまだ。それまでの時間は童が稼ぐぞよ。」
二口女は早速行動に出ようとするも夜叉が制止する。
「ここは私に任せて。私がぬら様に貢献するんだから。」
そう言い夜叉は不気味に笑い口周りを舌で舐めた。

続く

Western Quest

2017年10月17日 08時15分09秒 | 小説
第21章 朱雀覚醒

唯の変身から数日が経った。
晴斗たちに新たに戦力が加わり戦いは激戦化する。
ある日の夜図書館に朧車の姿があった。
「資料はこれで以上だ。」
「よろしいのですかな?」
「もう覚えた。それに証拠は隠滅せんとな。」
「はい!」
そして本に黒い墨が撒かれた。
ページが黒く塗り潰された。
本を元に戻し朧車たちはその場を去って行った。
館内の防犯カメラも同じく黒く塗り潰されていた。
晴斗たちはいつものように学校で授業を受けていた。
退屈な授業をうわの空で晴斗は聞いている。
教室の窓から流れる雲を見上げている晴斗だった。
学校を出た晴斗は1人神社に来ていた。
先祖の銅像を拝み賽銭をしてその場を後にするのだった。
一方その頃守は図書館に足を運んでいた。
何かの資料を読み漁っていた。
「これでもない…これでもない…」
そこには大量の本が散らばっていた。
「そんなに慌てて君らしくないな。」
そこに鬼龍院が後ろから声を掛けた。
「どうしても知りたいことがあるんだ。」
「もしかしてそれは。」
「ああ。東から来た魔法戦士彼について調べた。すると1人の人物に辿り着いた。」
「十神騎兵だね。」
「ああ。彼の書いた書物や彼に関するページだけが…」
そこにはページが黒く塗り潰された本が転がっていた。
「どうやら朧車が動いているみたいだね。」
「これの歴史を葬る理由があるからね。」
「それより唯ちゃんが変身したみたいだよ。」
「そうだね。そろそろ覚悟を決める時だしね。」
そしてその様子を陰から何者かが覗いていた。
一方で正晴は理事長室で電話を掛けていた。
「すみません。十神総統の番号でよろしいでしょうか?」
何らかのやりとりをしている。
「ええ。近いうち彼らをそちらへ。失礼します。」
そう言い電話を切った。
電話を切り立ち上がりコーヒーを飲む。
そしてブラインドを指で押し外の夕日を見詰めるのだった。
そしてその夜晴斗は唯と秋の夜空を見上げていた。
ベランダに出て2人並び手を繋いで仲睦まじい光景だ。
「晴斗君…」
寄り添う唯。
鈴虫の鳴き声が辺りには響いていた。
「そういやガキの頃もよく2人で秋の夜空見上げてたよな。」
「2人で星を数えたっけ。」
「羊ならぬ星を数えて眠った物だな。」
「懐かしいね。」
するとそこに香ばしい香りが漂って来た。
「この匂いは?」
「晴斗さん、唯さん、サンマ焼けましたので食べませんか?」
小虎が2人を見上げ呼んでいた。
「お兄さん、僕たちが焼いたんですよ。」
「兄上はすぐ調子にのるんですからぁ!」
蘆屋兄弟も相変わらずだ。
「お兄ちゃん、唯ちゃん、早く来ないとなくなるよ!」
手を振り呼ぶ明菜に誘われ2人は駆け出した。
皆で一緒にサンマを食べる。
秋の夜空の下で笑顔が咲いていた。
そして翌日一同は学校に通うため歩いていた。
そこで晴斗は話を切り出す。
「なぁ守のやつさずっと帰って来てないが一体何してるんだ?」
「俺もそれ気になった。」
「僕もです。」
満十郎と小虎も考え出す。
すると唯が言った。
「守君にはお医者さんの仕事があるんじゃない?」
「そうだよ。そっちで忙しいんだよきっと。」
「彼は僕らより遥かに上ですからね。」
3人はそう言われため息をついた。
「俺たち余計な心配してたんだな。」
「そうだな。」
「そうですね。」
そう言い納得した時だった。
突如叫び声が響いた。
「何だ!」
一同は駆け出した。
そこには1人の女性が黒い人型の影に襲われていた。
それを見た晴斗、満十郎、小虎、唯は変身し向かって行く。
「妖術陰陽変化!」
変身し黒い影をそれぞれの武器で攻撃する。
「本当に唯ちゃん変身出来たんだ…」
「そのようですね…」
2人は唯の変身に驚いて唖然としていた。
攻撃された黒い影は弾けて消える。
「何だこれは!」
「訳が分からない!」
「でもやるしかないですよ!」
「そうね!」
4人は黒い影を撃破しているが影は一向に減らない。
「どうなってる!」
「こいつら増殖してんのか!」
すると道三郎が指さし言った。
「皆さん、あそこです!あの茂みから現れてるんです!」
「でかした!皆、あそこに攻撃だ!」
晴斗の言葉に皆で妖術を放つ。
「妖術鳳凰烈火!」
「妖術青龍激流!」
「妖術白虎烈風!」
「妖術真鯉百花!」
攻撃の命中した先から何かが飛び出してきた。
「うあああああああああ!」
それは宙を舞い地に落ちた。
その姿を見ると妖怪だった。
「陰陽師!吾輩はのっぺらぼう!百鬼魍魎軍妖怪だ!」
その姿は青い着物に口だけの大きな顔をし筆を持った4頭身の怪物だった。
「とりあえずここは退散!」
のっぺらぼうは筆で翼を書いて空を飛び逃げて行った。
「何だったんだあいつ。」
一同は変身を解く。
すると明菜が何かを見つけ手招きしていた。
そこはのっぺらぼうの隠れていた場所だった。
一同が見るとそこには壁にさっきの黒い人型が書かれていた。
「これをさっきみたいに実体化させていたんだな。」
「あの落書き野郎次見つけたら殴って懲らしめやる。」
そう言い晴斗と満十郎は激怒していた。
するとその時学校のチャイムが聞こえた。
「あああああああああ!遅刻する!」
一同は慌てて学校に走るのだった。
そしてその頃朧車はのっぺらぼうを呼び出していた。
薄暗いビルの中に2人は向き合う。
「朧車殿、やつの書物は全て塗り潰しましたぞ。」
「ご苦労だった。」
「あとは陰陽師を始末するだけですな。」
「ああ。」
「本日の午後をお楽しみにしていて下さい。やつらの最後になるますからなぁ。」
そう言いのっぺらぼうは変身を解きその場を後にした。
一方学園は午後の授業に入っていた。
この日の午後の授業は全学年合同の校外授業だった。
皆が向かった先は展示会だった。
書道家の書いた作品に皆は心を惹かれる。
文字だけではなく絵なども飾られておりかなりの芸術性により心を惹かれる。
「すごいです!これが日本の文化なんですね!」
小虎が一番心を惹かれていた。
「俺は別にそこまで思わないがな。」
「小虎、今はスマホの時代だぜ。」
晴斗と満十郎にそう言われるも小虎は首を横に振る。
「でも2人は陰陽師じゃないですか。」
「まぁ現代を生きる陰陽師だな。」
「晴斗にしてはいいこと言うぜ。」
「そうですね。今を生きる陰陽師か。」
小虎も納得していた。
「でもね書道は心が清められるのよ。」
「ガサツなお兄ちゃんたちには分からないけどね。」
唯と明菜にそう言われ2人は傷ついた。
「俺たち…そんな風に思われてたんだな…」
「お兄さん…俺の婿修業はまだまだですね…」
すると2人を担任の矢野が宥めた。
「2人ともせっかくの展示会なんだし笑顔笑顔。もうじき先生も来るよ。」
するとそこに1人の男が現れた。
「皆の衆、本日は我が作品の展示会へようこそ。吾輩が作者の平野ですぞ。」
そこに現れたのは黒い着物に黒髪のオールバックに髭を生やした書道家風の初老の男だ。
「さっそくだが我が作品を今ここで披露しよう。」
すると書道家は舞台に立ち大きな紙に大の字を書いた。
そしてそれは実体化し皆驚く。
「何何?」
「マジックか?」
皆騒めき出す。
すると作品の絵や文字も実体化し出した。
そして晴斗が気付いた。
「まさかお前!」
「気付いたか陰陽師!吾輩は妖怪のっぺらぼうだ!」
そう言い書道家は妖怪に変身した。
それを見た教員生徒は慌てふためき逃げ惑う。
「皆、行くぞ!」
晴斗たちはボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し向かって行く。
先ずは実体化した文字や絵が行く手を阻む。
一同は武器で切り裂き前進する。
「一気に決めるぞ!妖術火炎車輪!」
炎を纏った回転で焼き切り前進する。
それと同時に作動したスプリンクラーにより水が降り注ぎ紙が濡れた。
「これで手段がなくなったな!この落書き野郎が!」
満十郎はのっぺらぼうに言い放った。
「誰が落書き野郎だ!吾輩の芸術だ!」
「ほざけ!妖術氷結吹雪!」
すると辺りは凍り付きのっぺらぼうは逃げ場を失う。
「さぁ観念しろ!」
4人はのっぺらぼうに向かって行く。
しかしのっぺらぼうは自分の顔に筆で火の文字を書き出した。
迫り刳る4人に火炎放射で攻撃をした。
「ぐ!こんなことまで!」
「まだまだ!」
次は雷の文字を書き出し4人に雷を落とした。
「ぐあ!」
しかし立ち上がり晴斗はボールをセットした。
「旧鼠!」
するとのっぺらぼうは顔に速の文字を書いた。
スピード勝負になり場を掛け回る。
しかしのっぺらぼうは速さを上回り晴斗の背中に爆の文字を書いた。
すると晴斗は爆発し倒れた。
「ぐあーーーーーーー!」
「だったら俺が沼御前!」
すると液体化する前に素早い動きで近づき乾の文字を書いた。
すると液体化出来そこに流の文字を書き加えた。
すると満十郎は鉄砲水に流され壁に激突し倒れた。
次は小虎が向かって行く。
「天狗!」
小虎はボールをセットし風に乗り爪で攻撃した。
のっぺらぼうは顔に避の文字を書き攻撃を避け小虎に後ろから落の文字を書いた。
すると小虎は墜落し倒れた。
「だったら私が!妖術真鯉百花!」
花吹雪が襲うものっぺらぼうは顔に枯の文字を書くと花吹雪は枯れ地に落ちた。
そして次に顔に銃の文字を書き唯を弾丸攻撃で撃った。
「きゃあああああああああ!」
唯は攻撃を受け倒れ一同万事休すとなった。
「さぁもう終わりだ!」
すると明菜は躊躇った。
「このままだと皆が…でも私…私…」
そう葛藤していると明菜の朱雀ボールが光り出した。
「明菜…お前…」
「明菜ちゃんまで…」
明菜はボールを手にして腕輪をはめた。
「私も戦うんだから!」
そしてボールをセットして叫んだ。
「妖術陰陽変化!」
そして変身した。
その姿はオレンジ色の陰陽師の戦士だった。
「日光の妖術使い朱陰陽師!」
「変身した所でどうなる!」
のっぺらぼうは再び筆で文字を書こうとする。
そこに明菜は攻撃を仕掛けた。
「妖術朱雀日光!」
激しい光の攻撃がのっぺらぼうを襲い目が眩む。
「眩しい…」
そしてそこに陰陽朱雀弓で矢を放った。
その弓矢はのっぺらぼうの筆をへし折った。
「おのれ!」
のっぺらぼうは明菜に襲い掛かった。
しかし明菜は空中に舞い上がり空中から弓矢を打って攻撃する。
弓矢の雨がのっぺらぼうを襲う。
「ぐあ!」
更に明菜は妖術を放った。
「妖術陽光双翼!」
2枚の翼の形の光がのっぺらぼうを襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
のっぺらぼうは攻撃を受け倒れた。
そこに明菜はとどめを刺す。
「妖術陰陽朱雀日光撃!」
弓矢を撃ちオレンジ色の朱雀の形の光がのっぺらぼうを襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こりのっぺらぼうは死んだ。
一同は変身を解き落ちたボールを唯が拾う。
「お兄ちゃん、私も変身しちゃった。」
「スゲーな。てかありがとう。」
「明菜ちゃん、マジ惚れたぜ!」
「兄上ってば!」
「てか次はお前だぜ。道三郎!」
「はい!兄上!」
こうして無邪気な一同だった。
その様子を朧車が覗いていた。
「やってくれるな。陰陽師よ。」
そう言い朧車は時空の狭間に消えて行った。
一方で東には雄哉の姿があった。
雄哉は雨の中傘も差さず歩いていた。
教会の前で立ち止まり固唾を飲み込んだ。
そして教会のアーチを潜り中へ入っていった。

続く

Western Quest

2017年10月17日 05時36分44秒 | 小説
第20章 真鯉覚醒

ある夜だった。
奈良県の廃村に若者たちが訪れていた。
「ここガチで出るんだぜ。」
「嫌だ~私怖い~」
「聞いた話だとここ来る人全員行方不明って…」
「俺怖くないぜ!何ならぶっ倒してやるよ!」
男女4人は盛り上がりながら廃村を懐中電灯の光を頼りに探索する。
そんな中目の前に1人の男が立ち塞がった。
「オッサン、何してんだよ?」
「1人で来て怖くないのかよ?ここ化け物出るらしいぜ。」
「知ってるぜ。ここにいるだろう。」
「あんた、バカじゃねぇの!」
余裕で笑う男2人。
一方女2人は何かを感じて怖がっている。
「俺がその化け物だからな!」
そして夜の廃村に悲鳴が響き渡った。
一方そんな情報が晴斗たちの耳に入った。
3年生の夏休みは1週間早く終わり3人が登校した時だった。
「なぁ安倍、知ってるか?ここ出るらしいぜ。」
「しかもこの間も行方不明者出たらしいよ。」
島田と中岡は晴斗に雑誌を見せる。
それは奈良県の廃村だった。
「だから何だってんだ?」
「お前、陰陽師だろう。理事長の息子なんだろう。」
「だったら化け物倒して来てよ。」
「そんな義理はねぇっつーの!」
するとそこに教室のドアが開いた。
満十郎が走って入って来た。
「晴斗!その心霊スポット行こうぜ!」
「何だいきなり!」
「さっき1年の野球部のやつらがくれたんだ!」
「何を!」
「明菜ちゃんの水着写真と交換で行って来てくれって依頼を俺に!」
「行きたいなら1人で行け!」
「そんなこと言わずに行きましょうよ!」
晴斗の後ろから小虎が叫んだ。
「何で2年のお前がいる!」
「晴斗さんといたくて登校しました!」
「とりあえず行ってみよう。私からもお願い!」
唯に手を握られ晴斗はやむを得ず向かうことにした。
一方廃村には鵺がいた。
「さぁさぁ宴はこれからだ!俺様が天下を取る日も近い!」
するとそこに朧車が現れた。
「くだらんな!人間に知られてしまえば陰陽師もいずれここに。」
「いいさ。ついでにやつらの生気も奪ってやる。」
「貴様が地道な行動をするとは意外なことだ。」
「虎視眈々と宴の日を待って準備も宴の一つだぜ。それよりお前も一緒にどうよ?」
「ん?」
「俺様と天下を取ろうぜ。大将を討ち取って俺たちの天下をな!」
「面白いな。」
「将軍の座はくれてやる。俺は軍師としてお前援護をする。あいつより俺様達の方が絶対
向いてるはずだ。この世界を支配する器がお前にはあるんだよ。検討してくれや。」
「ああ。では私は失礼しよう。」
そう言い朧車は笠を脱いだ。
その顔は長い銀髪を後頭部で縛り額から頬に大きな十字の傷を持つ残酷そうな顔の男だ。
朧車は笠を手に持ち時空の狭間に消えて行った。
鵺は勝利を確信した目で見送るのだった。
そしてその夜を迎える。
晴斗は現場に到着した。
晴斗、満十郎、小虎、唯の4人だ。
一同は現場を見渡す。
「何もないよな。」
「ああ。」
晴斗と満十郎が呟きしばらく沈黙が続く。
「だったら2手に分かれて探索しよう。」
唯はそう言い2手になるべくじゃんけんをする4人。
「グーとパーで分かれましょう!」
結果は晴斗と満十郎がグーで小虎と唯がパーだった。
こうして2手に分かれ探索を始めるのだった。
「晴斗さんと一緒のはずが…」
「いいじゃない?たまには私とお話ししよう。」
「ううう…」
「どうして小虎君は晴斗君に拘るの?」
「僕陰陽道の世界が好きで入門して日本に陰陽師がいるって聞いて…」
「うんうん!」
「晴明さんの弟子になりたくてその子孫の晴斗さんが憧れで…」
「そうだったのね。それより私は嫌いじゃないの?だって妖怪の子孫だもん。」
「唯さんは優しいです。妖怪にもいい妖怪がいるって知ったんです。」
「それまでは?」
「妖怪は僕らの敵だと思ってました。でも日本に来て世界が広がりました。」
「良かったじゃない。」
そう言うと唯は小虎を抱きしめ優しく撫でるのだった。
一方晴斗と満十郎も同じく探索を続けていた。
「お兄さん、いつになったら妹さんを僕に?」
「やらん!チャラついたお前に明菜は相応しくない。俺の手塩にかけた妹を!」
「ですがもう兄離れの時期だと思いますよ。」
「たわけ!貴様よりいい男はもっといる!」
するとその時2人の前に1人の男が立ちふさがった。
「お前らここで何してんだ?」
擦れたような声で2人に問いかける。
そこにいたのは裸に大柄で筋肉質でパンチパーマ風ヘアのレスラー風の男だ。
「オッサンこそ何してる?」
「ここは化け物が出るらしいぞ。」
2人がそう言うとニヤリと笑う。
「化け物って俺のことか!」
そう言い男は変身する。
その姿は灰色の体に小さな目が2つと全身が角張った岩で出来た人型の怪物だ。
「俺の名は妖怪塗り壁!」
「出たな妖怪!妖術陰陽変化!」
2人は変身し塗り壁に向かって行った。
塗り壁は百鬼兵を放つ。
2人は百鬼兵の軍団に囲まれるも切り裂き前進する。
次々に百鬼兵は倒され残るは塗り壁だけになった。
「一気に決めるぞ!妖術鳳凰烈火!」
「妖術青龍激流!」
2人の攻撃が塗り壁を襲う。
しかし塗り壁は無傷だった。
「だったら化け灯篭!」
「雪女!」
2人はボールをセットし妖術を放つ。
「妖術火炎車輪!」
「妖術氷結吹雪!」
2人の攻撃が再び塗り壁を襲うもまたも通用していない。
「次はこっちの番だ!」
塗り壁は2人にタックルする。
2人は避ける。
塗り壁は木に激突し沢山の木が折れる。
そして再び2人に向かい走り出す。
「あんなの食らったら一溜りもないぞ!子泣き爺!」
「化け蟹!」
2人はボールをセットし鋼鉄化した体で突進し迎え撃つ。
双方ぶつかるも塗り壁の力が上回り2人の体にヒビが入る。
そして鋼鉄の鎧が割れ2人は木に叩き付けられた。
晴斗は上空から攻撃しようと天高く舞い上がる。
満十郎は晴斗に気を取られた塗り壁を後ろから矛で攻撃した。
しかし塗り壁は矛を掴み矛ごと満十郎を投げ飛ばした。
それは晴斗に命中し2人は落下した。
そして塗り壁は2人にボディプレスを仕掛け攻撃は命中した。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
2人は変身が解ける。
「陰陽師、ここで最後だ!」
とどめを刺そうとする塗り壁。
晴斗は咄嗟にボールをセットした。
「文車妖妃!」
効果が発動し2人は陰に潜って逃げた。
「まぁいい。」
そう言い塗り壁は森へ去って行く。
そしてその様子を鵺が覗き見していた。
「来たな陰陽師。さぁどう宴を盛り上げてくれる!」
その頃小虎と唯は民家の前に来ていた。
「凄いですね。これが古民家ですか。」
「そうね。昔ながらの家よ。ここも昔は栄えてたのよね。」
するとその時何かが2人に聞こえた。
「ん?」
2人は耳を澄ます。
それは人の声だった。
民家の中から聞こえていた。
2人は駆け出し民家の扉を開いた。
するとそこにはこれまで行方不明になった人たちがいた。
全員手足と口を縛られ監禁されていた。
「大丈夫ですか!」
「もう安心して下さい!」
2人は縄を解く。
すると助けた青年が何かに怯えていた。
「もう大丈夫ですよ?」
「う…う…後ろ!」
2人が振り向くとそこには塗り壁がいた。
「貴様らよくも!」
塗り壁はラリアット攻撃をする。
そこに小虎が太極拳の動きで攻撃を受け流し拳で一撃を入れた。
しかしそれは通用しておらず塗り壁は小虎の腕を掴み投げ飛ばす。
「小虎君!」
小虎は壁に激突し壁は崩壊して土煙が立つ。
「妖術陰陽変化!」
変身した小虎が土煙を切って表れ塗り壁に襲い掛かる。
回し蹴りで攻撃するもまた通用していない。
塗り壁は小虎に拳で一撃を入れた。
「ぐあ!」
小虎は倒れるも立ち上がりボールをセットする。
「雷獣!妖術暴雷暴風!」
小虎の攻撃が襲い掛かるも通用していない。
「何!だったら影鰐!」
小虎は強化した爪で攻撃する。
切り裂き攻撃を連続でするも塗り壁には効いていない。
そして塗り壁は小虎を蹴飛ばした。
「ぐあ!」
小虎は倒れ塗り壁は走り出し飛び掛かった。
ボディプレスが命中した。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
小虎は気を失い変身が解けた。
「さてどどめだ!」
「どうしよう…このままだと小虎君が…」
唯は迷うも走り出した。
そして塗り壁の前に立ち塞がる。
「ダメ!私が相手よ!」
「小娘が命知らずもいい所!」
「違う!私は戦える!だって私だって皆と戦いたいんだもん!」
その時唯の持っていた真鯉ボールが光りだした。
その光に小虎は目を覚ます。
「あれは!」
晴斗たちも森の奥からの光に走り出す。
唯は腕輪をはめボールをセットした。
「妖術陰陽変化!」
そして変身した。
そこにいたのは桃色の陰陽師の戦士だ。
「百花の妖術使い桃陰陽師!」
変身した唯は陰陽真鯉扇を持ち塗り壁に向かって行く。
塗り壁は拳で攻撃をする。
しかし唯は扇で受け流し攻撃を華麗に避ける。
そして扇を仰ぎ舞い上がった。
そして妖術を放つ。
「妖術真鯉百花!」
地面に生えた花が塗り壁を縛り花吹雪が襲う。
その攻撃が塗り壁の目に命中した。
「ぐあーーーーーー!目がーーーーーーーー!」
塗り壁は倒れる。
「妖術百花乱舞!」
唯は踊りその動きにつられる無数の花がも踊り塗り壁を攻撃する。
攻撃は目に当たり塗り壁は悶えていた。
「がああああああああ!目があああああああ!」
そこに晴斗たちも駆けつけて来た。
「唯!変身したんだな!」
「うん!」
「俺たちも行くぞ!妖術陰陽変化!」
3人は変身し晴斗はボールをセットする。
すると満十郎のボールが光りだす。
満十郎はそこにボールをセットした。
「こいつを使ってみるか。沼御前!」
すると満十郎の体が液体化した。
その液体化した体で塗り壁を包む。
「あいつ何してんだ?」
「何か気持ち悪いです。」
2人は引いている。
しかし液体に包まれた塗り壁の体が溶け出した。
「何!」
岩の鎧が溶け丸腰状態になった。
すると塗り壁は逃げ出そうとするも満十郎は再生し前に立ち塞がる。
塗り壁はタックルするも再び液体化する。
攻撃を避け液体を踏んだ塗り壁が転倒する。
満十郎は再生し矛で攻撃する。
「ぐあ!」
攻撃しては液体化し再生して攻撃を繰り返す。
その攻撃に塗り壁は逃げ出す。
しかし誰かが足を掴む。
文車妖妃ボールを使った晴斗が影から足を掴んでいた。
塗り壁は転倒した。
「まだまだだ!」
塗り壁は体に泥を塗り再び鎧を作った。
その時晴斗のボールが光出した。
晴斗も新しいボールをセットした。
「白山坊!」
装束を変えた晴斗は剣で攻撃する。
強化された剣の一撃で鎧は再び粉砕された。
そして攻撃の余波は大きく塗り壁を吹き飛ばした。
塗り壁は木に激突し倒れる。
そこに唯がとどめを刺す。
「私がする!妖術陰陽真鯉百花仰!」
扇から放たれた桃色の真鯉の形の衝撃波が塗り壁を襲い大爆発が起こる。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
塗り壁は撃破されボールが落ち小虎が拾い一同は変身を解く。
こうして行方不明者は皆解放され家に帰る。
そして翌日教室に皆は集まっていた。
「やっぱ安倍はスゲーや。」
「流石理事長の息子だぜ。」
褒められる晴斗の横で満十郎は泣いていた。
「ってな訳で今回はただ働きでした~」
「そんな~」
「明菜の写真はやらん!没収だ!」
満十郎の報酬も晴斗に没収され一件落着した。

続く

Western Quest

2017年09月21日 14時21分19秒 | 小説
第19章 背水の陣

晴斗と満十郎はある夜女子部屋を訪れた。
晴斗は唯の部屋に満十郎は明菜の部屋。
「唯、今度どこか出かけないか?」
「明菜ちゃん、今度俺とデートしてくれないか!」
すると2人は笑顔で答えた。
「うん!」
そして当日が訪れた。
しかしそこにはもう一人来るのだった。
晴斗と小虎と唯は甲賀の里忍術村に来ていた。
小虎は楽し気に手裏剣を投げている。
「当たった!見ましたか!」
「見たぜ。これで何度目だよ。」
「だって面白いんですもん!」
夢中になって手裏剣を投げる小虎を退屈そうに晴斗は見ていた。
そんな中唯は晴斗に寄り添う。
「唯、すまないな。あいつまで来るなんて。」
実はあの後小虎は話を聞きつけて2人の元に来た。
「僕も連れてって下さい!実は行きたい所があるんです!」
こうして今に至る。
「晴斗君、私たちも昔やったもんね。手裏剣投げ。」
「大阪城だったよな。本当あの頃の俺みたいだ。」
「小虎君も遥々中国から来て日本の文化が楽しいみたいだしいいでしょう。」
「そうだな。全く俺はあいつの世話係かって話だよ。」
一方満十郎、明菜、道三郎は海遊館に足を運んでいた。
暑い季節にはうってつけの場所だった。
暗い館内に青いアクアリウムが幻想的だ。
「見て!ジンベイザメ大きい!」
「そうだろう。でも俺の愛はもっと大きいぜ。」
満十郎がそう言うも明菜はスマホを取り出し写真を撮り聞いていない。
「満十郎さん、水槽背景に一緒に撮りましょう。」
そう言い明菜はインカメラにして満十郎の肩を引く。
満十郎は喜びの笑顔に溢れる。
「キタキタキタキタ!」
「ハイチーズ!」
明菜はピースで満十郎は水槽に手を突いたポーズだった。
「やれやれ兄上ってば…」
道三郎はため息をつくのだった。
「なぁこれでジュース買って来な。」
そう言い満十郎は千円札を渡す。
「そうはいきません。兄上の行動パターンは見え見えです。」
そう言われ次は満十郎がため息をつく。
「弟同伴って…せっかくの2人切りのはずが…」
実は明菜から話を聞いた道三郎が当日同伴することになった。
「僕も同伴させていただきますよ!2人きりでは不安ですし。」
そして今に至る。
デートに同伴者。
2人は深くため息をついた。
一方で妖怪たちも動き出していた。
それぞれの組を影から妖怪が覗く。
森の中から黒い影が晴斗たちを覗く。
「陰陽師、ここを貴殿らの墓場にしてくれよう。」
一方で水槽の中からも黒い影が満十郎を覗く。
「陰陽師よ、貴様らを海の藻屑としてくれよう。」
そんなことに気付くことなく一同は無邪気に過ごしていた。
そして晴斗たちは次へと足を運ぶ。
博物館に入り武器などを鑑賞していた。
そこでも小虎は見とれている。
「カッコいいです!僕も忍者の時代に生まれれば良かった~」
「時代も国籍も違うもんな。羨ましいだろうよ。」
「晴斗君だって昔言ってたじゃない。陰陽師より忍者が良かったって。」
「ほじくり返すなよ。昔は昔だろう。」
そして色々なアトラクションに回る一同。
そこでも小虎は無邪気に遊んでいる。
そして最後にからくり屋敷に来た。
中では忍者の生活やからくり紹介がされる。
刀を振りかざせないようになった天井にどんでん返しの扉。
「カッコいい!」
「これがあれば防犯になるわね。」
2人は心を惹かれるも晴斗は違った。
「伊賀で習ったし…」
そして屋敷を出た一同はひょうたん池に足を運ぶ。
そこはセミの声が森から響いている。
「晴斗君、今日は連れて来てくれてありがとう。私楽しかった。」
「僕もです。また晴斗さんとの思いでが出来ました。」
「ああ。俺も楽しかったぜ。」
そう言い一同は空を見上げた。
木々の果ての青空には入道雲が浮かぶ。
そこに響くセミの声に3人は心を癒される。
しかしその時だった。
そこに後ろから晴斗と小虎を呼ぶ声がした。
「やぁ!久しぶりだね。」
振り向くとそこには伊藤がいた。
「伊藤さん、お久しぶりです。伊賀での一件以来で。」
小虎は深々とお辞儀をする。
「今日は何でここに来たんだ?」
晴斗の質問に伊藤は笑って答えた。
「甲賀流の友達に会いに来たんだ。それより君たちはあれからどうだ?」
「あれからもっと妖怪を倒して来ました。」
「しかも魔法戦士にまで会ったからな。あとは異世界の王にまでも。」
すると唯は思い出した。
「もしかしてあの時の!伊賀まで行った時会いましたよね。」
「そうだね。確か君は彼のガールフレンドの。」
「はいそうです。」
無邪気に会話していたその時森からふと視線を感じた。
気付いた晴斗と小虎、伊藤は辺りを見回す。
「どうしたの?」
気付いていない唯が聞く。
「何でもない。もう少し見回って帰ろうぜ。」
「そうですね。せっかく来たからには余韻に。」
すると伊藤は耳打ちする。
「妖怪の気配だろう?」
「ああ。」
晴斗はそう言いこうして一同は園内を再び歩くのだった。
一方満十郎は明菜と順路を回っていた。
「明菜ちゃん、ここ出たら館内の喫茶店でお茶しようよ。」
「いいねいいね。」
「ちなみに外に出たら観覧車も乗りたいな~」
「もちろん!」
「では僕も同伴させていただきます。」
道三郎がそう言うと満十郎の目が光った。
そして満十郎は咄嗟の行動に出た。
「お願いします!そこは2人きりにさせて下さい!」
急きょ土下座に出たのだった。
「兄上!場所をわきまえて下さい!」
「お願いしますこの通り!」
「分かりましたからやめて下さい!」
「本当に?」
「はい。ですから変なことはしないで下さいね。」
「もちろんですとも!」
「敬語もやめて下さい!」
その時だった。
館内に叫び声が響く。
「うあーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「水槽に人が!」
その先を3人は見つめた。
そこには長い黒髪に白い着物を着た女が水槽にへばり付き3人を見つめていた。
3人と目が合った瞬間に不気味に笑い泳ぎ去って行く。
「追うぞ!」
3人は追いかけて行く。
そして追いかけた先に女は待っていた。
びしょ濡れで奇声を上げ客は逃げ惑い警備員が駆け付けていた。
「キャキャキャキャキャキャキャキャキャキャキャ!」
奇声を上げ濡れた髪を振り回し暴れている。
「陰陽師!貴様らの首を寄越せ!」
「やっぱりお前!」
「そうじゃ!わらわは妖怪沼御前じゃ!」
そう言い女は妖怪に変身した。
それは長い青い着物と白髪に青白い顔に赤い目と2本の角と鋭い牙と爪をした鬼女だ。
それを見た警備員は慌てふためき逃げて行く。
それを見た満十郎はボールをセットし変身した。
「妖術陰陽変化!」
変身し矛を構えて向かって行く。
一方で晴斗たちの前にも刺客が現れる。
森を歩く晴斗たちの前に木の上から1人の男が飛び降り着地する。
一同は身を引き警戒する。
着物に袴と笠を被り腰に剣を差した白髪をと長い白鬚を生やした剣客風の老人だ。
「拙者名は白山坊!妖怪剣士位は師範代!」
そう言い妖怪に変身した。
その姿は鎧と鏝を身に纏い鋭い目と牙や爪を生やし長い尾をし剣を持った白い狐の怪物だ。
それを見た2人はボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し剣と爪を構え向かって行く。
一方満十郎も激戦を繰り広げていた。
水族館を出て広場で戦う。
「貉!」
強化し矛で沼御前を切り裂く。
「ぐあ!」
「まだまだ!」
連続攻撃が沼御前を襲う。
更にそこに妖術を放った。
「妖術氷結吹雪!」
その攻撃に沼御前は凍り付く。
そこを矛で突き氷が砕け沼御前は倒れる。
「ぬあ!」
更に容赦なく攻撃を仕掛け沼御前は追い込まれ後ろは海だ。
沼御前は必死に睨む。
「正に背水の陣だな!」
満十郎は矛で渾身の一突きを入れた時だった。
「無駄じゃ!」
沼御前の体が液状化し攻撃が外れる。
そして液体は満十郎の足元で再生し襲い掛かった。
爪で切り裂く攻撃を入れた。
「ぐあ!」
満十郎は攻撃を受け倒れる。
それでも立ち上がりボールをセットして妖術を放つ。
「雪女!妖術氷結吹雪!」
攻撃を放つも再び液状化し避け足元で再生し爪で切り裂く。
「ぐあ!」
「汝はわらわの術中に填まったのじゃ!」
「そうでもねぇ!化け蟹!」
再びボールをセットし鋼鉄化する。
そこに爪での切り裂き攻撃は通用しない。
満十郎はタックルで攻撃した時だった。
沼御前は液状化し避け満十郎は液体で滑り海に落下した。
沼御前は海に飛び込み攻撃に出る。
「兄上!」
「満十郎さん!」
2人は駆け付けるも2人は海の中だ。
一方晴斗たちも戦っていた。
白山坊は剣で襲い掛かり晴斗も剣で交戦する。
「貴殿もなかなか良い太刀筋だ!だが甘い!」
白山坊は燕返しを決め晴斗に命中する。
「ぐ!」
小虎は後ろから襲い掛かるも白山坊は居合切りを命中させる。
「ぐあ!」
2人は倒れるも立ち上がる。
「俺たちは剣以外にもまだあるぜ!」
「そうです。妖術と忍術を極めた陰陽師だ!」
そう言い2人はボールをセットする。
「輪入道!」
「山姥!」
晴斗は遅い来る白山坊の足元に車輪を投げ動きを封じた。
そこに再びボールをセットし攻撃する。
「文車妖妃!」
影に潜り足元から剣で攻撃する。
「ぐあ!」
そして一気に飛び出し斬撃を決めた。
「ぐおーーーーーーー!」
白山坊は倒れるも立ち上がり次は小虎に襲い掛かる。
小虎は木や建物によじ登り攻撃を避ける。
激しい斬撃を次々に避ける小虎。
そして飛び降り爪で斬撃を決めた。
「ぐあ!」
一方満十郎は海の底に沈んでいた。
ボールを外し地上に出ようと泳ぐ。
そこを沼御前は足を掴み海底に引きずり込んだ。
激しい斬撃に襲われる満十郎。
「汝をこのまま海の藻屑としてくれる!」
満十郎はこれまでかと思ったその時だった。
海座頭ボールが光った。
満十郎は咄嗟にボールをセットする。
「海座頭!」
ボールをセットし攻撃を放つ。
「妖術青龍激流!」
するとそこに渦潮が起こり沼御前は巻き込まれた。
「ぬ…ぬ…」
必死で抵抗するも最後は流された。
「ぬあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
そして沼御前は地上に押し出された。
満十郎と地上で一騎打ちになる。
「おのれーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
沼御前は襲い掛かって来た所に再び妖術を放つ。
「妖術青龍激流!」
巨大な鉄砲水が襲い掛かる。
沼御前は液状化するも同じ液体に流され壁に叩きつけられる。
「ぐあ!」
沼御前は倒れそこにとどめを刺す。
「妖術陰陽青龍激流斬!」
一方晴斗も大詰めに差し掛かっていた。
「ここからは1対1で行こうぜ。」
晴斗はそう言い剣を向け白山坊との一騎打ちになる。
「剣で一騎打ちに出るとはいい度胸。だがその自信仇になるがいい!」
すると白山坊の激しい連続斬りが襲い掛かる。
晴斗は避けるのに精一杯だった。
必死で避け続け水蜘蛛池を背にし背水の陣だ。
「このままだと本当に仇に…」
その時晴斗の持つ雲外鏡ボールが光った。
晴斗は取り出しセットした。
「雲外鏡!」
すると辺りは光に包まれ晴斗の手には白山坊の持つ剣が握られていた。
晴斗はここで勝ちを確信し二刀流で攻撃する。
白山坊の斬撃が来るも左でガードし右で突く。
「ぐお!」
そこに出来た一瞬の隙に2本の剣で連続斬りを仕掛ける。
激しい攻撃を受ける白山坊は倒れた。
「ぐあーーーーーーーー!」
そしてそこにとどめを刺す。
「拙者の負け。とどめを刺すがいい!」
「ならばそうさせてもらう!」
「だが我ら狐妖怪はいずれ陰陽師を家計を転覆するのだ!」
「もう喋るな。妖術陰陽鳳凰烈火斬!」
晴斗と満十郎は同時にとどめを刺し攻撃が命中する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり白山坊と沼御前は死んだ。
2人は変身を解きボールを拾う。
それを朧車が烏の目を使って見ていた。
無言で固唾を飲み朧車は時空の狭間に消えて行った。
一方守は琵琶湖バレーに来ていた。
高台から琵琶湖を1人無言で見下ろし風に吹かれていた。
「狐妖怪の企みは本当のようだな…」
そして守の後ろには雄哉が立っていた。

続く

関西ファンタジー

2017年09月16日 05時42分09秒 | 日記


関西行ってきた

大阪、神戸、奈良、甲賀に

大阪は京セラドームで
オリックスVSロッテ

海遊館でアクアリウム

神戸は港で夏空を
見上げながらティータイム

奈良は松が綺麗な緑だった
鹿もバンビがいたりして

甲賀は忍術村へ行った
帰りには琵琶湖を見てきた

帰ったし小説の続きだ

会員カード忘れて
ネカフェ行けなかったし
泊まった先にパソコンなかったし

続きの創作楽しみだ

Western Quest

2017年08月12日 07時39分42秒 | 小説
第18章 王者の実力

ある夜唯は皆に計画指令を出していた。
「実は明日は晴斗君の誕生日なの!だから皆でお祝いしちゃお。」
「そうだな。未来の兄だし。」
「お兄ちゃんも頑張ってるし。」
「晴斗さんのためなら僕は何でもします!」
するとそこに雄哉が入室する。
「聞いたぜ。」
「雄哉さん…」
「俺も混ぜてくれよ。その計画に。」
そして翌日一同は神戸に来ていた。
皆で神戸の喫茶店に入りティータイムを過ごす。
この日は晴斗の誕生日祝いをしていた。
「今日で晴斗君も15歳か。おめでとう。」
「お兄ちゃんが15ってでも精神年齢は私が上だけど。」
「晴斗さん、おめでとうございます!これからもよろしくお願いします。」
「ならば俺の誕生日には妹さんをいただきましょうか。お兄さん。」
「君も15ね…頼れる僕らのリーダーであってくれよ。」
「晴斗さん、兄上たちの失礼申し訳ありません。ですがおめでとうございます!」
皆はそう言い晴斗に拍手を送る。
テーブルにはホールケーキが置かれていた。
「こいつは俺からのプレゼントだ。さぁ皆で食おうぜ。」
「今日は雄哉にごちそうになりまーす!」
晴斗はそう言うと皆が一斉にお祝いの言葉を発した。
「今日は誕生日おめでとう!」
拍手が鳴り響き晴斗は蝋燭の火を吹き消した。
こうして皆はケーキを切り口にする。
「ああ。しっかり味わって食ってくれよ。」
「私も神戸のケーキ食べたかったんです。」
「そうそう。オシャレで品のあってお兄ちゃんたちとは正反対。」
晴斗と満十郎の心に言葉が刺さる。
「僕も母国じゃこんなお店縁がない所でした。」
「僕も以前の生活だと縁がなかったよ。」
小虎と守はそう言いケーキの味を噛み締める。
「雄哉さん、こんなにありがとうございます。僕らも何とお礼を。」
「いいんだよ。俺にこっちの世界案内してもらったことだし。」
こうして楽しい誕生会となったのだった。
それから一同は神戸港に足を運んだ。
とは言え唯、明菜、道三郎、守はプレゼントを買いに商店街へ残りは神戸観光だ。
ポートタワーから瀬戸内海を見下ろす。
よく晴れた夏の空に入道雲が浮かぶ。
「いい景色だ。」
雄哉は綺麗な夏空に心を奪われる。
「雄哉、俺もだよ。綺麗だろう。俺もガキの頃来て思ったんだ。」
「ちなみにお兄さん、雄哉さん、夜になったら夜景も綺麗ですよ。」
「そうなのか。」
「はい。観覧車から見下ろすなど粋だと思いませんか?」
「お前は明菜と乗りたいだけだろう。」
そう言われ満十郎はずっこけた。
「僕は晴斗さんと相乗りしたいです!」
「それは後でとりあえず港でも観光しようぜ。」
晴斗はそう言い一同は港に出た。
満十郎は波止場にあしを置きハードボイルドを気取っていた。
「見た見た?これ明菜ちゃん見たら惚れるかな!」
「逆にドン引きだ。」
晴斗はそう言い満十郎を置き歩き出す。
一同は船を見ながらベンチに座る。
「いいなぁ僕乗りたいです!」
「俺もだよ。だが小遣いが。」
「皆で乗れたら夏のいい思い出だな。」
そんな3人を見て雄哉は話を切り出す。
「なぁ乗ってみるか?」
雄哉の言葉に一同はチケットを買い船に乗り込んだ。
瀬戸内海の海風を受け航海する船に一同は心が躍る。
「すげぇ!気分は海賊だぜ。」
「大冒険に行くみたいです!」
「雄哉さん、マジありがとう!」
3人は大喜びしていた。
「俺も乗ってみたかったんだ。海もいいよな。」
するとその時だった。
乗客が悲鳴を上げた。
「何だ!」
一同は駆け付けると海の中に何かが蠢いていた。
そしてそれは飛び上がり船上に降りた。
「わしの名は妖怪海座頭!陰陽師、ここが貴様らの墓場だ!」
その姿は白い着物に銛を持ち坊主頭と白く長い髭や眉をした人型の怪物だ。
「皆、行くぞ!」
晴斗の言葉で変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し向かって行く。
海座頭も百鬼兵を放って来た。
3人は百鬼兵をそれぞれの刃で切り裂きながら前進する。
「雄哉は皆の避難を!」
「おう!」
雄哉は走り出しデッキには陰陽師と妖怪だけになる。
3人は全ての兵を倒し残るは海座頭だけになる。
3人は一気に攻め込んだ。
「妖術鳳凰烈火!」
「妖術青龍激流!」
「妖術白虎烈風!」
攻撃が海座頭に炸裂する。
海座頭も銛を突き反撃に出た。
小虎は爪で受け止めそこに2人が斬撃を加えた。
「ぐお!」
更に畳み掛けるように斬撃を続ける。
「やるな!だがここまでだ!」
海座頭は反撃に出た。
銛を振り回し襲い掛かる。
3人も迎え撃とうと走り出す。
海座頭はそこに銛を振り水を撒く。
3人は滑って転倒する。
「しまった…」
そこに海座頭は銛から鉄砲水を放ち3人に命中する。
「ぐあ!」
更に海座頭は再び水攻撃を放つ。
「こうなったら雪女!」
満十郎はボールをセットし反撃に出た。
「妖術氷結吹雪!」
すると辺りは凍り付き3人は身動きが出来なくなった。
「あ…」
「何してんだイボ饅頭!」
「知るか!」
「仲間割れか。ならば絶好の機会だ!」
そう言い海座頭は津波を起こした。
「ヤバい!」
その時ボールが光り出す。
それはガシャドクロボールだった。
晴斗は迷うもセットした。
「一か八かだ!ガシャドクロ!」
ガシャドクロボールをセットすると津波が時空の狭間に消えて行った。
「やるな!今は退こう!また後でな!」
そう言い海座頭は瀬戸内海に飛び込んで逃げて行った。
海座頭は逃げ切り岸に上がる。
そこには夜叉がいた。
「何で逃げたの?惜しいことしたわね~」
「いいんですよ!これからがやつらにとって本当の恐怖なんで。」
「まとめて倒す戦法ね。あなたも頭使うじゃない~」
そう言う夜叉の顔は不気味な笑みを浮かべていた。
そして船は港に着き一同は振り返る。
作戦を立てることに出た。
「このままだとまた市民に影響が出る。」
「そうだな。海がある限りあいつは何をしてくるか。」
「僕らも海の中までは。」
「とりあえず今は休戦して作戦でも練ろう。」
雄哉の言葉で一同は再びベンチに戻り座る。
アイスコーヒー片手に駄弁っていた。
無邪気な会話で盛り上がっている。
するとそれを海の中から誰かが覗いていた。
ウエットスーツにゴーグル酸素ボンベを背負ったダイバー風の男だ。
ダイバーはゆっくり水中から顔を出す。
観光客たちは何だ何だと見ていた。
晴斗たちは知らんふりをして会話していた。
「気づいていないな…ここでお前らを倒して人間の命を…」
そしてダイバーは陸に上がって4人に近づいた。
後ろから忍び寄り一気に襲い掛かった。
「ここで終わりだ陰陽師!」
しかし小虎は振り返り太極拳の動きで腕を捕らえた。
「ちょっと我慢して下さいね。」
小虎は妖力で手から電流を流した。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーー!」
ダイバーは痺れた。
「引っ掛かったな。妖怪!」
晴斗たちがダイバーの前に立つ。
「だがここからが本当の戦いだ!」
そう言いダイバーは妖怪海座頭に変身した。
それを見た人々は慌てふためき逃げ惑う。
「俺たちも!」
すると小虎が晴斗を制止する。
「僕らが戦いますよ。」
「誕生日何だし休んでな。」
「ならば俺が穴埋めするよ。」
そう言い3人は変身した。
「妖術陰陽変化!」
2人はボールをセットし変身する。
「レジェンドハーツ!」
雄哉は左掌の魔法陣に血を塗り変身する。
その姿は赤い鬣をした黒いライオンのヒーローだ。
変身した3人は海座頭に向かって行く。
「変身しようが無駄だ!」
海座頭は鉄砲水を放とうとする。
するとそこに雄哉は魔法を放った。
「黒魔法スパークカッター!」
雄哉の電気の刃が命中した。
水により感電する海座頭。
「何のこれしき!」
海座頭は銛で突く攻撃に出た。
すると小虎が手で受け止めた。
そこに掌から電気を流す。
「ぐあ!」
感電する海座頭。
倒れるも海座頭は津波を起こし攻撃した。
「これでお終いだ!」
そこに満十郎はボールをセットする。
「天邪鬼!」
そして反撃する。
「津波の前に壁はない!」
すると津波は見えない壁に当たって大量の水を海座頭は浴びた。
「何だと!」
そこに雄哉が魔法を放った。
「黒魔法サンダーブレス!」
雷の息が濡れた海座頭を襲った。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
海座頭は倒れた。
「あいつ電撃魔法の使い手か。」
晴斗はそう呟いた。
そして倒れる海座頭の前に雄哉は立つ。
「エピローグだ!」
そこにとどめを刺す。
「黒魔法最終章王の鉄槌!」
魔法陣から赤いライオンが現れ海座頭を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり海座頭は死んだ。
3人は変身を解き落ちたボールを満十郎が拾う。
その様子をビルの上から夜叉が見下ろしていた。
「やるじゃない。流石は王様ね。余計なのが来たのは想定外だけど面白いわ~」
そう言い残し夜叉は背を向け歩き出し時空の狭間に消えて行った。
気付けばすっかり夕日の沈む時刻だった。
徐々に建物の明かりが煌めき始めて来る。
ビルに映った夕日が水面に映って眩しく見える。
辺りには夜景を見ようと集まる人々。
「雄哉、お前もやるな。」
「まぁ王だからな。」
「晴斗さん、誕生日の続きしましょう。」
「そうだぜ。あいつらももうじき戻って来るだろうし。」
するとそこに4人は戻って来た。
「晴斗君!」
「遅かったな。」
「プレゼント選び迷っちゃって。」
「お兄ちゃん、今日は楽しかった?」
「ありがとうな。」
そう言い晴斗は唯と明菜を抱きしめる。
「晴斗さん、僕もハグして下さい!」
「てか俺も明菜ちゃんと…」
「兄上、恥ずかしいのでおやめ下さい。」
そんな一同をよそに雄哉は俯いていた。
そこに守が話しかけた。
「妖怪が出たようで…」
「ああ。もう倒したよ。あいつらの目昔の俺に似てた。あと周にもな…」
そして日は暮れ夜を迎える。
一同は観覧車に乗り夜景を見ていた。
晴斗と唯、満十郎と明菜、小虎と守、道三郎と雄哉のペアになった。
道三郎と雄哉ペアは無口だった。
そこに道三郎が口を開く。
「雄哉さん…」
「ん?」
「今日は何から何までありがとうございます。そして兄上たちがすみません…」
「別にいいよ。子供らしくていいと思うよ。」
小虎と守ペアは真逆だった。
「晴斗さんと…晴斗さんと乗るはずが…」
涙ぐむ小虎をよそに守は医学書を読んでいた。
顔を上げ守は口を開く。
「何か言った?」
「何でもありません…」
小虎は沈没するのだった。
一方満十郎と明菜ペアは無口だった。
満十郎は緊張で声が出ない。
「明菜ちゃんと…明菜ちゃんと観覧車に2人きり…」
心の中で呟き緊張する満十郎。
一方明菜は夜景に見とれて満十郎は空気のようだった。
「どうしよう…せっかくのチャンスに…」
そんな2人だった。
そして晴斗と唯のペアは仲良く見つめ合っていた。
「久しぶりね。何てかこういう空気2人きりの時間?」
「そうだな。」
「ねぇ晴斗君?」
晴斗が唯を見つめた時だった。
「晴斗君!」
唯は晴斗に抱き着く。
「何だよいきなり!」
2人の入る観覧車が揺れた。
「やっと2人きりになれたもん…ずっと皆がいたし…」
「そうだな。2人だけの時間今までなかったよな。」
「だから今だけはこうさせて…」
そう言う唯の目には涙が流れていた。
こうして晴斗の誕生会は幕を閉じた。
そして翌日屋敷に雄哉の姿はなかった。
そこには置手紙があるだけだった。
晴斗は寂し気にそれを見つめていた。
「時は来た。俺はもう行く。」
その一言が書き記された紙を手にして佇む。
そこに正晴が入室した。
晴斗は顔を上げ尋ねる。
「親父…雄哉はどこに?」
「彼なら調査に向かったよ。どうやら妖怪たちも何かを企んでいるようだし。」
「そうか。雄哉なら出来そうだな。」
「彼を信じて帰りを待とう。」
「ああ。」
その頃妖怪たちも動いていた。
朧車は森の奥の祠に足を踏み入っていた。
「ここにもおられるようだ。」
そう言い朧車は祠に掌から妖力を注ぐ。
紫色の光が薄暗い森を不気味に照らしていた。

続く

Western Quest

2017年08月10日 07時01分34秒 | 小説
第17章 異世界の王

晴斗は六甲山に登っていた。
一人で獣道や道なき道を進む。
ただ単にコンパスを見ながら歩いていた。
草木を掻き分け進む中父の言葉を思い出す。
「晴斗、この場所に異世界へと繋がる空間がある。そこにお前の妖力を注ぐんだ。」
その言葉を聞き一人その先へと向かう。
「本当にんなもんあんのかよ!」
晴斗は苛立ちながらも前進する。
辺りは日が暮れセミやカラスの鳴き声が響く。
そんな中ついに目的地の前の長い石段が見えた。
「ここか!」
晴斗は必死で駆け上がった。
そして辿り着いたのは1つの古びた塔のような物だった。
それは生い茂る草木よりも高く建っている。
晴斗は息を飲み掌を塔に当てた。
「行くぞ!」
大きな掛け声で一斉に妖力を注ぎ込んだ。
夕闇に包まれた山に赤い光が空へと伸びる。
晴斗も全身全霊で妖力を注ぎ込み辺りも赤い光が包む。
そして塔から鳳凰の形をした妖力の光が空へ舞い上がった。
それと同時に晴斗は気を失った。
気付くと誰かが晴斗を揺すっていた。
「大丈夫か!起きろ!しっかりするんだ!」
晴斗は目を開けた。
すると辺りは真っ暗な夜だった。
そこには一人の青年が晴斗を呼んでいた。
黒と赤の軍服にオレンジ色の左右非対称な髪形と唇にピアスをした長身の青年だ。
「俺は…」
「妖力を使い過ぎて疲れたんだろう。」
「何でそれを?」
晴斗は起き上がり聞く。
「周に頼まれたんだ。君の元へ行けと。だが両世界の扉を開くに両側から力を注ぐこと
それが条件だったんだ。そこで君に話が行ったということだ。」
「俺は安倍晴斗。お前は?」
「俺は松田雄哉。異世界の王だ。」
「マジかよ。」
「もうじき夜明けだ。夜が明けたらここを降りよう。」
そして2人は歩き出す。
六甲山を下っている時だった。
目の前に1人の男が現れた。
迷彩服に迷彩柄のヘルメットと機関銃で武装した陸軍軍人風の男だ。
「貴様ら、ここで何をしている!」
「俺たちはただ…」
晴斗は誤解を解こうとする。
「貴様らは上の命令により抹殺する!陰陽師め!」
「お前はまさか!」
「吾輩は妖怪雲外鏡!妖賊百鬼魍魎軍妖怪だ!」
そう言い妖怪に変身する。
その姿は大きな鏡に手足が生えその上の鏡には尖った目と長い舌の生えた怪物だ。
それを見て雄哉は前に出て拳銃で一発攻撃した。
「ぐあ!」
「貴様ごとき俺の敵ではない。3分で片を付けるぞ!」
そう言い前に出る雄哉を晴斗は止める。
「俺がやる!」
そう言い腕輪にボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し剣を片手に向かって行く。
すると雲外鏡は機関銃を乱射し攻撃する。
晴斗は弾丸を切り裂き前に出た。
そして機関銃を持つ手を攻撃し銃を打ち飛ばした。
そのまま雲外鏡の頭に斬撃を命中させた。
「ぐあ!」
雲外鏡は倒れるも起き上がる。
「何てな!」
そう言うと次は晴斗の剣を体の鏡から取り出し更に雄哉の拳銃も取り出した。
「何!」
「吾輩は一度見た武器を召喚出来るのだ!」
雲外鏡はそのまま右手に剣と左手に銃で攻撃に出た。
先ずは剣で斬りかかって来る。
晴斗は避けるも弾丸での攻撃が命中する。
「ぐ!だったら旧鼠!」
旧鼠ボールをセットし晴斗は高速移動に出た。
雲外鏡は目で追うも高速移動する晴斗を視界に捕らえられない。
そして間合いを詰め一気に切りかかった。
体の鏡を割ろうと攻撃する。
そこに雲外鏡は自らの体に光を当て晴斗に放つ。
「う…」
目が暗んだ晴斗に剣で攻撃した。
「吾輩の間合いに入ろうなど百年早い!」
晴斗は倒れるも起き上がって再びボールをセットした。
「だったら文車妖妃!」
晴斗は影に潜る。
しかしまたも光を当てられ影から出た所に弾丸を受けた。
「ぐあ!」
晴斗は倒れるもまた起き上がりボールをセットする。
そこに雲外鏡は弾丸を放つ。
「輪入道!」
晴斗は盾でガードし再びボールをセットする。
「化燈篭!」
そして一気に攻める。
「妖術火炎車輪!」
炎を帯びた回転で襲い掛かり弾丸を打ち払いながら進む。
しかし雲外鏡は晴斗の使った盾を召喚しガードする。
「何だと!」
動きの止まった晴斗を剣で切り裂き攻撃した。
「ぐあーーーーーーーーー!」
晴斗は倒れ万事休すとなった時だった。
1つのボールが光り出す。
砂かけ婆ボールだった。
晴斗は握り締め立ち上がる。
「お前に全てを賭ける!砂かけ婆!」
晴斗はボールをセットした。
そこに雲外鏡は襲い掛かる。
すると晴斗の体が砂塵化した。
「何だと!」
そして再生した。
「バカな!」
雲外鏡は拳銃を乱射し攻撃するも再び砂塵となる晴斗。
そして再生し剣で攻撃しようと駆け出す。
雲外鏡は盾でガードするも晴斗は砂塵化し消える。
雲外鏡が気付くと盾を潜り間合いに入っていた。
「これで終わりだ!」
そう言い鏡を突いてヒビを入れた。
ヒビは瞬く間に広がり鏡は割れた。
そして晴斗は剣を思い切り振り両手の武器や盾を打ち落とす。
「しまった!」
雲外鏡は慌てて走り出す。
逃げようとするも砂塵化した晴斗は先回りし行く手を阻む。
「おのれ!」
雲外鏡はタックルに出た。
しかし砂塵化し避ける晴斗。
雲外鏡は転倒し再生した晴斗が追い込む。
指で五芒星を描き縛り上げた。
そして止めを刺す。
「妖術陰陽鳳凰烈火斬!」
晴斗の攻撃が決まった。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり雲外鏡は死んだ。
晴斗は落ちたボールを拾い変身を解く。
「なかなかやるな。」
雄哉はそう言い拳を前に出す。
晴斗も拳を出し拳を合わせ2人は笑った。
その様子を木陰から鵺が覗いていた。
「まぁいい。時間稼ぎにはなったしな。」
そう言うと鵺は時空の狭間に消えて行った。
雄哉はその時それに気づき木陰に剣を向けた。
「どうした?」
「誰かいた気がしたからな。」
「そうか…それより早く行こうぜ。」
晴斗の言葉で2人は山を下りた。
こうして晴斗は雄哉を連れ屋敷に戻った。
「晴斗君、この人は?」
「晴斗さん、昨日はどこに!」
唯と小虎は尋ねると雄哉が口を開く。
「俺は松田雄哉。異世界の王。昨日は俺を迎えに来てくれていたんだ。」
「異世界か。僕も聞いたことあるよ。実在するとはね。」
興味深そうな守は雄哉を目視する。
「それよりめちゃくちゃスタイルいいですね!モデルみたい…」
満十郎はその逆であった。
「兄が失礼しませんでしたか?あったらすみません。」
「本当に兄上と同じ兄を持つ明菜さんの気持ちに同情です。」
明菜と道三郎にそう言われ兄2人は凹む。
すると雄哉の目に壁に掛けられた三味線が入る。
「凄いな。あれを弾かせてもらえないか?」
すると皆頷き雄哉は三味線を外した。
そして一同の前で演奏しだした。
あまりにも綺麗な音色に皆心惹かれボーっとしていた。
そして演奏が終わると雄哉は頭を下げた。
「ありがとう。」
「俺たちこそだよ。お前ってこんな才能あるんだな。」
「俺も教わりたいです。ラブソングを作りたいです。」
バカな兄2人に妹と弟はため息をついた。
「弦楽器なら何でも弾けるし教えるぜ。」
するとそこにドアが開き誰かが入室する。
鬼龍院だった。
「待ってたよ。来てくれたんだね。」
「ああ。あいつからの依頼だったからな。」
「それと君にはしばらくこの世界に滞在して調べて欲しいことがあるんだ。」
「分かった。あいつの友は俺の友だからな。何でも協力する。」
それから晴斗は外へ出た。
雄哉が後ろに続く。
安倍晴明神社に出て晴斗はお賽銭をしていた。
雄哉も同じようにお賽銭をする。
手を合わせ2人で清明の銅像を見上げる。
「これがお前の先祖なんだろ?」
「ああ。ちなみにあいつの先祖は道満だ。」
「道満?」
「先祖のライバル。それなのにあいつは俺の妹を奪おうと。許せんやつだ!」
「過去歴史の因縁が子孫にもあるんだな。」
「そりゃそうだ。」
「こっちの世界も楽しいな。良かったら案内してくれよ。」
こうして2人は街を東奔西走する。
通天閣にあべのハルカスに行きつけの喫茶店やたこ焼きを食べたりする。
そして夕暮れ時を迎える。
晴斗は雄哉と大阪中心部に出ていた。
橋から道頓堀川を見下ろし晴斗と雄哉は佇む。
「綺麗だな。夕暮れ時の明かりが。」
「まぁな。俺たち出会って良かったな。今日一日でこんないっぱい。」
「そうだな。俺たちの世界もこんな活気があればな。」
「何があった?」
「俺たちのいる世界の日本は荒れ果て砂漠化した都市がたくさんある。」
「壮絶な時代の世界に生まれたんだな。」
「それも運命だよ。俺も1年前周のいる世界に行って驚いたよ。交わるっことのない2つの
世界が交わってこの世界では当たり前の美しさに俺は心を奪われた。何より国民の笑顔。」
「そうなんだな。でも出来るよ。再び綺麗な世界を取り戻せるよ。」
「だから俺は挑むんだ。あっちの世界に帰ったら神の試練に。そしたら再び街を。」
「そうか。俺は妖怪を撲滅して先祖のやり残したことやって成し遂げる。」
「いいな。お前の顔いきいきしている。強い心の持ち主だ。共に戦おう!」
そう言い雄哉は手を差し出し晴斗も手を差し出し互いに握手を交わす。
「ふっ…」
こうして2人は笑顔で屋敷に戻って行った。
その日の夕食は豪華だった。
フレンチのフルコースだった。
「召し上がれ!」
満十郎は腕によりをかけ作った品を食べる雄哉を見つめる。
「お味はいかかですか?」
「上出来だ。君はプロ顔負けかもしれないな。」
「ありがとうございま~す!」
「兄上はすぐ調子に乗るんですから…」
「雄哉、明日もいっぱい案内するからな。色々行ってみようぜ。」
「ああ。今日はとても楽しかった。明日はもっと楽しくしような。」
そんな2人は楽しそうだった。
「晴斗君ってばもう仲良くなっちゃって。」
「そこがお兄ちゃんのいいとこだけどね。」
唯と明菜も2人を笑顔で見つめる。
「晴斗さん、雄哉さん、僕も同行させて頂きますね。」
「もちろんだぜ。じゃあ明日は小虎も一緒に案内してやろうぜ。」
「ありがとう。俺を受け入れてくれて。」
雄哉は笑顔でそう言った。
一方その頃妖怪たちも動き出していた。
「鵺もまた敗れたようじゃのぉ。」
「本当連敗男ね…乱暴で協調性なくて私嫌い…」
二口女と夜叉の言葉に鵺は笑い出す。
「別に構わねぇ!俺様は宴がしたいだけだ。忠実な貴様らとは違ってな。」
「そちのそれは陛下への侮辱と見做すぞよ。」
「そうねぇ…ぬら様も何でこんな男に…」
「それより朧車は何してやがる!まさか俺様に内緒で宴でも!」
「そちとは違う!」
「まぁいい!俺様はしばらく宴の準備する。次は貴様らに譲ってやらぁ!」
そう言い鵺はその場を後にする。
「だったら私に行かせてもいたいわねぇ~いいかしら~」
「わらわは構わん。」
「だったらそうするわよ…」
そして翌日晴斗たちは街を雄哉に案内していた。
この日はゲームセンターに買い物に食事と1日を満喫していた。
最後に昨日と同じ行きつけの喫茶桔梗に来た。
「美味いな。ここのコーヒーはコクがあって。」
「だろう。オーナーが毎日その日の朝に深煎りしてんだぜ。」
「僕はまだブラック飲めませんけどいつか飲みたいって思うんです。」
「そうか。本当に君たちは幸せだな。」
「そうだよ。じゃなきゃ一緒に戦ったり出来ないよ。」
「俺もそうだったな。向こうに仲間がいる。一緒に戦ったよ。喧嘩して笑ってバカやって
そんなことしても一緒に力を合わせて戦って来た最高の友がいるよ。」
「俺たちもだよ。そして雄哉、俺と一緒に戦おう。」
「僕からもお願いです。雄哉さん、一緒に戦いましょう。」
すると雄哉はコーヒーを一口飲んでコースターに置いてから答えた。
「もちろんだ。」
こうして3人は絆を深めた。
「俺たちの鋼の魂見せてやろうぜ。」
晴斗の言葉に雄哉は頷く。
明日を見つめて真っ直ぐに駆け出すような目をした3人だった。
手を重ね3人夏よりも熱く燃え上がり誰よりも強い志を胸にする。
その眼差しは遥遠くの頂を真っ直ぐに指す光のように輝いていた。

続く

Western Quest

2017年07月27日 18時01分36秒 | 小説
第16章 熱砂の決闘

学園では終業式が開かれていた。
「今日から夏休みだが皆、気を抜かずに勉学に勤しむよう。以上。」
理事長の正晴の言葉で式は終わる。
皆期待に胸を膨らませ学校を後にする。
「晴斗君、今年は色んなことしようね。」
「色々って何だよ。」
「海にプールに花火にお祭りに~」
「ありすぎだろ!」
「肝試しもしたな~」
「俺たち年中無休肝試ししてるぞ!」
唯との他愛ない会話が進む。
「いいね~ラブラブだね~」
後ろから満十郎が言う。
「お前は今年も妄想だろ?」
「失礼な!俺は今年こそ明菜ちゃんを!」
「私がどうしたの?」
明菜が問いかける。
「明菜、お前はずっと俺といてくれよ。」
晴斗の言葉に唯と満十郎はドン引き呟く。
「ザ・シスコン…」
「晴斗さんは僕の晴斗さんです!今年こそ一緒に毎日遊びましょう!」
小虎は晴斗に言い放って晴斗の手を握る。
「今年こそって今年知り合ったばかりだろ!てか熱いから手離せ!」
「じゃあ俺は明菜ちゃんの手を…」
満十郎が手を伸ばす。
「兄上!」
道三郎が止めに入る。
はしゃいで下校する一同。
それを守が校舎から眺めていた。
そこに正晴が入室する。
「亀山君、君は興味はないか?魔術での医療に。」
「理事長、魔術の医療とは?」
「彼が先日言っていた。魔術での医療を使う者が彼の教会にいると。」
「興味深いですね。」
「向こうにも伝えておくよ。君たちで一度教会を訪ねてみるといい。」
それから数日が経った。
夏休みに入り屋敷では皆が寛いでいた。
甲子園の開幕中継を見て晴斗と小虎は燃えていた。
「これが日本の高校野球なんですね!」
「そうだぜ。熱い男の世界なんだよ。女は立ち入り禁止の戦場だ。」
「僕甲子園観に行きたいです!晴斗さん、連れてって下さい!」
こうして数日後一同は球場に向かった。
難波駅から阪神電車に乗り甲子園駅に着く。
「やってきました来ましたた甲子園駅!」
大はしゃぎの小虎は子供のようだ。
「ここ降りて球場でチケット買うからな。」
「はい。晴斗さんの隣で見たいです。」
「じゃあ私も隣がいいな~」
「お兄ちゃんはモテモテね。小虎君に唯さんに。」
「俺は明菜ちゃんの隣が~そして手を握りながら…」
「兄上、鼻の下伸びてますよ…」
こうして駅を降り列に並びチケットを購入し皆席に着く。
「晴斗さんの隣だぁ!一緒に楽しみましょう。」
「晴斗君と甲子園来れて嬉しいな。」
「そうか…てかお前ら手を離せ!熱いわ!」
一方で満十郎は横に明菜と道三郎が座り観戦する。
晴斗の組は外野ライト満十郎の組は外野レフトに座った。
「晴斗さん、ホームランボール取って下さいね。」
「私のも忘れずにね。」
「満十郎さん、私ホームランボール欲しい。」
「兄上、僕もです!」
晴斗は困り果て満十郎はやる気を出すのだった。
そして試合は始まりピッチャーが大きく振りかぶる。
先頭バッターは構えた時だった。
ボールを投げたピッチャーが転倒し甘いボールが捕らえられた。
開始早々にホームランが炸裂した。
そして次に2番バッターが打席に立つ。
ピッチャーの放ったボールはセンターに打ち上がる。
中堅手が取ろうとすると転倒しボールが落ちバッターは走った。
左翼手が拾い三塁へ投げるが三塁手が転倒しランニングホームランが出た。
続く打席も野手の転倒、次も投手の転倒が続く。
失点続きでこの回で10失点する。
ゲームは続くも後攻のバッターは転倒が続く。
一方で先攻はホームランやエラー、転倒で次々に点を加える。
晴斗も満十郎もホームランボールをすでに3つ手にしていた。
結局ゲームは25-0とコールド負けしこの日の第一試合試合は終了した。
サイレンが鳴り一同礼をし砂を集める選手たちが悲し気に見える。
砂を集める選手の1人が叫びを上げ腰を抜かす。
「う…ううううあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
砂が巨大な手になり選手に近寄る。
それを見た選手や監督、客たちも慌てて逃げて行く。
それを見た晴斗と満十郎はスタンドから捕まえようとする。
指で五芒星を描き手を縛る。
2人でそれぞれ左右の手を縛るが手は五芒星をすり抜ける。
「何だと!そんなことがあるのか!」
「あれは妖怪の本体じゃないんだ!」
すると唯と明菜が指を差し2人に言った。
「あれ見て!」
するとそこにはアルプス席から見物する人物がいた。
一同はそこに向かって走り出す。
「お前が犯人か!」
すると席を立ち一同の前に出て来た。
それは水色のレオタードを着てリボンを持った中年の女だった。
「バレた?何だかとってもイライラするぅ!」
「高校球児って気づけば年下って言うけど私なんてプロも年下!」
そして女はリボンを振り踊り出す。
「あははははあはははは!妖怪砂かけ婆ももうアラフィフ!肩上がんない!」
そう言い女は妖怪に変身した。
その姿は白い着物に長い白髪と青白い顔、耳まで裂けた口にギョロ目の怪物。
「陰陽師さん、婆を甲子園に連れてって!」
そして晴斗たち3人も変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し砂かけ婆に刃を向け走り出す。
すると百鬼兵の軍団が行く手を阻む。
「一掃するぞ!」
晴斗の掛け声で3人はボールをセットした。
「旧鼠!」
晴斗は素早い動きで次々と百鬼兵の間合いに入り切り裂きながら進む。
「貉!」
満十郎は強化した矛で豪快に百鬼兵を切り裂きながら強行突破する。
「天狗!」
小虎は風に乗り上空から急降下する勢いで百鬼兵を切り裂き全身する。
3人は兵を一掃しその場には砂かけ婆だけとなった。
「残るはお前だけだ!」
そう言い晴斗は素早い動きで砂かけ婆に斬撃を入れた。
「試合をよくも台無しに!」
満十郎も斬撃を入れる。
「せっかくの思い出をよくも!」
小虎は風に乗って斬撃を入れた。
砂かけ婆はその勢いでグランド内へ飛ばされた。
そこに3人も降り立つ。
すると砂かけ婆は笑って立ち上がった。
「陰陽師もここがラストイニングね。」
砂かけ婆は砂を操り出した。
砂は3人の足を捕らえ身動き出来ない。
「しまった!砂はこいつには!」
「こいつは砂を操れたってことか!」
「だから捕まえられなかった!」
3人は振り返って気づいた。
「そう。でももう遅い!」
砂かけ婆は3人に赤、青、黄色の砂を振ってかける。
晴斗に命中した砂は炎の砂で爆発する。
満十郎にかけた砂は氷の砂で凍えさせる。
小虎にかけた砂は電気の砂で感電する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーー!」
3人は倒れそこを更に砂かけ婆は攻撃した。
操った砂の手足で殴る蹴るの攻撃をする。
「ぐ…このままだと思うな!輪入道!」
晴斗はボールをセットし盾を出しガードする。
しかし砂かけ婆は後ろの砂を操り砂の剣が晴斗を切り裂く。
「ぐあ!」
「だったら雷獣!」
小虎はボールをセットし攻撃する。
「妖術暴雷暴風!」
激しい雷が砂かけ婆を襲う。
しかし次は砂の盾でガードした。
「晴斗、ここは完全防御で行こう!」
満十郎に言われ2人はボールをセットした。
「子泣き爺!」
「化け蟹!」
鋼鉄化し向かって行く。
そこに砂かけ婆は先ほどの3色の砂をかけ攻撃した。
2人は熱伝導で熱さ冷たさと鉄の電線で感電する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
2人は倒れ次は小虎に砂の手が伸びた。
「だったら山姥!」
ボールをセットし砂の手をよじ登る。
しかし砂かけ婆は砂の手を崩し小虎は落下する。
そこを砂の足が攻撃した。
「ぐあ!」
3人は倒れそこを再び砂の手足が襲う。
3人は刃で切り裂いた。
しかし砂は崩れ再生した砂が後ろから3人を攻撃した。
「ぐあ!」
3人は倒れなす術がない。
「あははははあはははは!陰陽師万策尽きた!」
砂かけ婆はそう言い踊る。
「婆陰陽師が弱すぎてイライラするぅ!」
すると晴斗は立ち上がった。
「まだだ!文車妖妃!」
ボールをセットし向かって行く。
同時に砂の手が襲い掛かった。
晴斗は影に潜った。
そして砂かけ婆の背後から現れ斬撃を入れる。
「ぬあ!」
同時に満十郎もボールをセットし向かって行く。
「蛇骨婆!」
砂の手足が襲い掛かるも軟体化した体でクネクネと避ける。
「そこ!」
砂の手が襲い掛かり捕まるもすり抜け砂かけ婆に斬撃を決めた。
「ぬお!」
そして晴斗の持っていた枕返しボールが光った。
晴斗はセットする。
「枕返し!」
すると砂かけ婆の周りにおおくの晴斗たちが現れた。
「どれが…」
「こいつは幻術か!」
そして幻術を合わせた3人は砂かけ婆に襲い掛かった。
一斉に斬撃が命中する。
「ぬあーーーー!」
砂かけ婆も3色の砂を投げ攻撃した。
幻術は一斉に消え3人が残った。
「これで終わりだ!」
砂かけ婆は砂の巨人を召喚し3人を攻撃する。
同時に晴斗は砂の巨人を3体召喚した。
「行け!」
「こっちも行け!」
それぞれの攻撃がぶつかる。
2体の幻術が本物に襲い掛かり撃破する。
もう1体の砂の巨人は砂かけ婆に襲い掛かりボディプレスを決めた。
そして幻術の消えた場所には倒れた砂かけ婆がいた。
晴斗たちはとどめを刺そうと刃を向ける。
「こんなとこで!」
砂かけ婆は砂をまき散らす。
「妖術白虎烈風!」
小虎の攻撃で砂が逆流し砂かけ婆を襲った。
「砂が!目に!」
晴斗は指で五芒星を描き砂かけ婆を縛る。
「しまった!」
「妖術陰陽鳳凰烈火斬!」
晴斗の攻撃が砂かけ婆を襲い大爆発が起こる。
「婆負けてイライラするーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
こうして砂かけ婆は撃破された。
3人は変身を解き落ちたボールを拾う。
その様子をスタンドから二口女が見ていた。
「まあ良い。時間は稼げたからのぉ…」
そう言い二口女は時空の狭間に消えて行った。
こうして一同は球場を後にした。
球場を出て甲子園駅から電車に乗り帰って行く。
帰りの車内では夢から覚めた気分の一同だ。
「まさか妖怪が来るなんて残念だった~」
「私も~いい試合が観たかったのにな~」
唯と明菜は愚痴をこぼす。
「俺だってホームランボール取ってやったんだぜ。」
「そうだぜ。明菜ちゃんのために俺は…」
「まぁそれはそれでいいわね。」
「満十郎さんもありがとうね。」
そう言い2人は腕に抱き着く。
「晴斗さん、また野球行きましょう。」
「今日の兄上素敵でしたよ。」
そして2人は本題に入る。
「次はお前らだな。覚悟を決める時だ。」
「ボールを使えるようにならないとな。」
晴斗と満十郎の言葉に3人は戸惑う表情をする。
「でも…」
迷いが消える日を3人は待つのだった。
そして帰宅し夕焼けに包まれる庭で晴斗たちは練習をしていた。
剣や矛の技術を上げようと晴斗と満十郎は只管振っていた。
小虎も武術を極めようと鍛えている。
「いいわね。男の子って熱くなれて。」
「あそこまで行くと暑苦しいけどね。」
女子2人はそう言いながら縁側に座り見守る。
後ろでは道三郎が宿題を片付け守が医学書を読んでいた。
「2人はしないの?」
「行けばいいのに。」
女子2人の言葉に返答が返る。
「僕は学年トップがかかっているんです。」
「僕も医学が優先だからね。」
するとそこに襖が開いた。
「皆、スイカ切ったよ。一休みして食べよう。」
鬼龍院だった。
特訓中の晴斗たちは駆け寄って来た。
「美味そう!皆、休憩だ!」
「晴斗、小虎、種飛ばそうぜ。」
「しましょうしましょう!」
それを見た女子2人は苦笑いした。
「あはは…やっぱ子供ね…」
一方で妖怪たちも動き出していた。
「こちらも順調に進んでおりまする。」
「早くぬら様に復活して欲しいですわ。」
朱の盆に跪く夜叉と二口女。
「うむ。ぬらりひょん様からは引き続き任務を全うせよとのこと。」
そう言い朱の盆は奥へと戻って行く。
「ぬらりひょん様、もうすぐです。復活の時は近い!」
その声が暗い闇の底に響き渡る。
一方で朧車は山奥に足を運んでいた。
祠の前で立ち止った。
「ここにおられるのですな。」
そう問いかけ朧車は籠を脱き祠を眺める。
暗い山の奥に差し込む月明かりが薄暗く朧車の顔を照らした。

続く

Western Quest

2017年07月23日 19時37分12秒 | 小説
第15章 戦々恐々とする心

夜が明け守は虚ろな表情をしていた。
リビングのソファーに1人座り項垂れる。
すると目の前に晴斗が立った。
守は大きくため息をこぼす。
「守、どうした?」
晴斗が話しかける。
「僕が不老不死を実現する手掛かりがそこにある。しかし彼は
それを求める僕は医師ではないと言った。」
「お前も知っての通りだが命は1つしかない。俺もあいつも今
生き返ったのは戦う運命にあったからだと言いたいはずだ。」
そう言い晴斗はその場を後にする。
守は呟いた。
「僕は医師失格だ…」
誰もいない部屋に静かに呟く声が虚しさを漂わす。
朝日が昇り屋敷は照らされる。
屋敷の庭に唯、明菜、道三郎がいた。
3人は渡されたボールを腕輪にセットし変身を試みる。
「妖術陰陽変化!」
しかし何も起こらない。
「何で…」
「もう一度しましょう!」
再び試みた。
「妖術陰陽変化!」
しかし同じだった。
「何で私たちには…」
その様子を正晴が松の木陰から見ていた。
その表情はまだまだだと言っている。
一方周は部屋で考え込んでいた。
「…」
無言で朝日に目覚める鳥の声だけが響いていた。
そして一同は学校へ行き1日が始まった。
退屈な授業。
晴斗は流れる雲を見上げていた。
それは授業が終わってからもだった。
「晴斗君!晴斗君ってば!」
唯が呼んでいる。
晴斗の机の前に立ち晴斗の肩に手を伸ばし揺する。
「起きてるよ。」
「じゃなくてずっと話しかけてるの!」
「何だよ?」
「昨日周さんと守君何話してたの?」
「どうでもいいくだらねぇことだよ。」
「嘘よ!じゃあ何で守君今朝自分が医師失格だなんて言ったの!」
「あいつの世界に俺たちが入るべきじゃない。」
そう言い晴斗はその場を後にした。
教室を出て屋上で空を見上げ寝転がっていた。
夏の空に浮かぶ入道雲を眺めながら心を無にしていた。
するとそこへ1羽の赤い鳥が飛んで来た。
鳥は晴斗の横に降り立った。
「何だこいつ…」
すると鳥は喋った。
「俺だよ!」
「喋った!まぁ鳥は喋るよな…」
すると鳥は人間の姿になった。
「晴斗、俺だって言ってるだろ。」
周だった。
「お前、何してんだ!てかそれ…」
「モンスターメダルだよ。」
そう言い周はガルーダメダルを見せる。
「守はどうしてる?」
「すっかり気を落としてるよ。」
「俺もあいつにあんなこと言ったけど俺だって友達と父さんの命をもう一度
蘇らせたいって思ってるんだ。俺の言葉と行動って矛盾だよな。」
するとそこに屋上のドアが開く。
「晴斗君、もうすぐ始まるわよ。皆、整列してるんだから!」
唯だった。
「何かあるのか?」
「何って今日は午後から手品の公演が来るんじゃない。」
「そうだった。」
「周さんも理事長が呼んでますよ。一緒に見ないかって。」
こうして一同は体育館に向かった。
体育館は薄暗く舞台には幕が降りていた。
皆楽しみにしワクワクする中幕が上がった。
「レディスエンジェントルマン!今宵は私のマジックショーへようこそ!」
すると晴斗たちの表情が固まった。
「あいつは!」
それは枕返しだった。
「開始早々ですが手始めとなるマジックをご覧ください!」
すると枕返しは拳銃から無数のトランプを放った。
そのトランプには百鬼兵と数字とマークが書かれていた。
そして書かれた数字分の百鬼兵が現れた。
生徒教員皆が驚き固まる。
「マジックだよね…」
「凄いリアルな…」
皆が固唾を飲む中晴斗は立ち上がり言った。
「マジックじゃない!あいつは妖怪だ逃げろ!」
「妖怪とはいいお言葉。ではお次は私が妖怪へと変身してみせましょう!」
晴斗の言葉にそう言い枕返しは妖怪に変身した。
それを見た生徒教員一同が叫び出し一目散に逃げて行く。
「皆、行くぞ!」
晴斗の掛け声で4人は変身する。
「妖術陰陽変化!」
そして周も立ち上がる。
「理事長は隠れていて下さい!」
周はバンクにメダルを入れスイッチを押し変身した。
「チェンジ!オン!」
魔法戦士に変身し名乗りを上げた。
「燃え滾る炎の魔術師ソルレッド!」
「陰陽師に魔法戦士!いいでしょう。まとめてかかって来なさい!」
そう言われ5人は向かって行く。
そこに百鬼兵の軍団が足を止める。
しかし晴斗と周は翼を広げ上空から一気に攻める。
急降下しながら剣で切り裂きながら進み枕返しに2人の斬撃が命中した。
「ぐあ!」
同時に満十郎たちも百鬼兵を片付けていた。
「妖術氷結吹雪!」
「妖術白虎烈風!」
「妖術重引地力!」
大量の兵が撃破されその場は枕返しだけになる。
「スマートに片づけて明菜ちゃんとディナーにでも行こうかな。」
「頭数で勝とうなんて考えて僕たちも甘く見られた物ですね。」
「妖怪はこの人間世界の腫瘍。腫瘍が随分といきがってくれる。」
3人も枕返しに刃を向け言い放った。
「お前たち妖怪がハデスに協力した罪を償う時だ!」
周はそう言い枕返しに襲い掛かった。
その時だった。
枕返しは角を光らせ周の目が暗む。
「しまった!」
晴斗は駆け寄るも時すでに遅かった。
「流石は魔法戦士。あなたもかなりの強敵にであったのですね!」
そう言い枕返しは周の倒したモンスターを召喚する。
フェンリル、フルフル、パイモン、ビッグフット、ラーが蘇る。
「ワイルドだぜぇ!」
「君のハートにレボリューション!」
「ぐーぐぐーぐぐぅ!」
「キレてないっすよ。」
「蘇りましたからぁ!残念ーーーーーーーーーーーー!」
「こいつらは…」
「私は夢を司る妖怪。喜怒哀楽を思う物も恐怖や絶望を抱く物も全てを私は
相手に見せることが出来るのです。これぞ私のマジックショーの醍醐味。」
「だったら俺たちも全力のマジックショー見せてやるよ!」
周の言葉で全員刃を向けバンクにメダル、腕輪にボールをセットした。
「旧鼠!」
晴斗は旧鼠ボールをセットしフェンリルに向かって行く。
フェンリルも素早い動きで晴斗に襲い掛かる。
晴斗の剣とフェンリルの爪が激しく交錯し火花を散らす。
「雪女!」
満十郎は雪女ボールをセットし攻撃する。
「妖術氷結吹雪!」
満十郎の攻撃が飛んで行きフルフルも吹雪を吹かせ攻撃する。
「影鰐!」
小虎は影鰐ボールをセットし強化した爪でパイモンに襲い掛かる。
パイモンは闇のオーラを放って迎撃し小虎は切り裂いて前進する。
「化け草履!」
守は化け草履ボールをセットしビッグフットに向かって行く。
守は飛び跳ねビッグフットにドロップキックをする。
同時にビッグフットもドロップキックで迎え撃つ。
周はバンクにイフリートとコカトリスメダルをセットし聖騎士の姿に変身した。
「一気に決めるぞ!」
そう言い剣から必殺技を放った。
「ソルクロスソードストライク!」
周の斬撃がラーを襲う。
ラーは一瞬で撃破され消えた。
同時に4人もとどめを刺していた。
「妖術陰陽鳳凰烈火斬!」
「妖術陰陽青龍激流斬!」
「妖術陰陽白虎烈風斬!」
「妖術陰陽玄武地響斬!」
一気に撃破され全て消滅した。
「こうならば!」
その間に枕返しはガラスを破り逃げ出す。
「逃がすか!」
それを一同は追いかけ校庭に出た。
校庭には枕返しが逃げずに佇んでいた。
「魔法戦士、あなたは実に数々の強敵に出会い彼らは特にそうでしたね!」
そう言い枕返しはモンスター7体を召喚した。
それは冥府七大将軍だった。
「気を付けろ!あいつらはとんでもない強さだ!」
「ですがあなたにはもう勝つすべはある。それでは面白くありませんのであなたには
特別に彼らと戦わせて差し上げましょう。」
そう言い枕返しは2人の人間を召喚した。
それを見て周は愕然とした。
「帝…父さん…」
すると2人は無言でバンクにメダルを入れ変身した。
魔王装備の帝とバハムート装備の京。
そしてそのまま周に襲い掛かる。
巨大な鋏と十字の剣で周を切り裂く。
「ぐあ!」
激しい攻撃は続きリンチ状態だ。
「何してんだ!攻撃しろよ!」
晴斗は呼び掛ける。
枕返しは高みの見物で嘲笑う。
「あなた方は自分の心配をなさっては?」
すると七大将軍が4人を襲う。
4人は刃を向け攻撃するも将軍の力には及ばない。
ベルフェゴールとベルゼバブが闇のオーラを放ち守を攻撃する。
サタンとルシファーが爪で小虎を攻撃する。
アスモディウスとレヴィアタンが炎と光線を放ち満十郎を襲う。
マモンが剣で晴斗を切り裂いて続けに銃から弾丸を打ち込み攻撃する。
7体の攻撃に4人は大爆発に巻き込まれる。
「ぐあーーーーーーーーーーーー!」
更に激しい攻撃を受け続け変身が解け4人は倒れる。
同時に周も倒れ変身が解けた。
「ぐ…」
帝は周の首を掴み持ち上げる。
「やめ…てくれ…」
すると帝は周を殴りつける。
周は宙を舞い地面に叩きつけられ倒れた。
そこに唯たちが駆け付けて来た。
「あ…晴斗君!」
「お兄ちゃん!周さんまで!」
「皆さん、逃げましょう!これは勝ち目がない!」
するとそこに後ろから正晴が3人に物申した。
「それではダメなんだ!彼ら4人は戦々恐々とする心がある。決して逃げ出さず
戦い恐れを成し逃げ出さないと決めているから妖怪ボールはその心に答えた。」
その言葉に唯は呟く。
「だから私たちには…」
そう言われ落ち込む3人。
一方枕返しは倒れる5人にとどめを刺そうとしていた。
「ショーはいよいよクライマックス。では皆さんには消えていただきましょう!」
枕返しは掌に最大級の闇のオーラを集め放とうとした時だった。
満十郎が青龍ボールをセットし立ち上がった。
「妖術陰陽変化!」
変身し次に貉ボールをセットした。
「貉!」
すると矛が強化し満十郎は矛を構え走り出す。
七大将軍が行く手を阻む。
「そこを退け!」
満十郎は矛を振り回し命中した七大将軍は次々に消滅し全滅した。
「よくも周さんの心を!」
満十郎は矛を投げ投げた矛が枕返しの角を折った。
「ぐあ!」
そして矛はターンし満十郎の手元に戻る。
「しまった!」
幻術が消えた。
そして枕返しはバランスを崩し自身の掌に集めたオーラに命中した。
「ぐおーーーーーーーー!」
倒れる枕返しに満十郎は矛で襲い掛かり切り裂き形勢逆転する。
「この私が!陰陽師ごときに!」
周も立ち上がり刃を向ける。
「ここがお前のラストステージだ。」
そう言いバンクにメダルを入れた。
「キリスト!」
キリスト装備で枕返しにゆっくりと近づく。
「来るな!来るな!」
枕返しは槍を取り出し振り回して攻撃する。
しかし周には通用していない。
「喰らえーーーーーー!」
最大の力を込めて闇のオーラを周に放った。
しかし周は指で軽く突き攻撃は消える。
「そんな…そんな…まだだ!まだ私は!」
枕返しは自棄になり周に突進するも周は剣で切り裂き打ち返した。
「ぐあーーーーー!」
枕返しは倒れ周は必殺技を放った。
「ソルクロスソードストライク!」
攻撃が命中し大爆発が起こる。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
枕返しは断末魔を上げ死にボールが落ちた。
周は変身を解きボールを拾う。
同時に晴斗たちも変身を解く。
「神の力か。すごいな。」
「まぁね。」
そう言い周は晴斗にボールを渡した。
そして次に周は守に頭を下げた。
「すまなかった!命は1つしかないって言ってきながら俺は…矛盾することを…」
「いいよ。誰だって親友や父親が死んだら会いたい。それに攻撃するだなんて。」
こうして2人は打ち解けた。
「周さん、今度は僕の母国案内しますね。」
「俺ももっと料理極めます!」
そう言う2人に周はハグして言った。
「ありがとう。俺はもう行くよ。」
そう言い周はその場を立ち去る。
「また会おうよ。」
そう言い後ろ手に手を振り周は学校を後にし歩き去る。
皆は寂しそうに見送る。
「周、ありがとう。」
晴斗はそう言い笑った。
「次は君たちだな。」
正晴の言葉に3人は真剣な顔で頷く。
「はい!」
そしてそれを屋上から見下ろす者がいた。
「彼もやられたわね…連敗続きで残念だわ…」
そう言い残し夜叉は時空の狭間に消えて行った。

続く

Western Quest

2017年07月19日 22時49分26秒 | 小説
第14章 魔法戦士登場

妖怪たちは今日も動き出していた。
晴斗たちはそれを聞きつけ走り出す。
一方妖怪は戦闘状態にあった。
暗い地下道で何者かと戦っていた。
そこは真っ暗に近く黒い影2つが交戦する。
「このガシャドクロ様が…」
妖怪ガシャドクロは追い込まれていた。
「貴様何者だ!」
「俺は魔法戦士だ。そろそろとどめを刺すよ。」
そう言い必殺技を放った。
「ソルクロスソードストライク!」
剣から攻撃が放たれる。
炎を纏った斬撃がガシャドクロを襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こりガシャドクロは死んだ。
そこに調度一同が駆け付けて来た。
魔法戦士が翼を広げ飛び去って行くのを目の当たりにした。
「あいつが妖怪か!」
晴斗は追いかけようとする。
そこに唯が止めに入った。
「待って!あれ見てよ。」
晴斗たちが目をやった先には妖怪ボールが落ちていた。
「一体どういうことだよ。あいつは誰だ?」
満十郎の言葉に皆も首を傾げた。
「兄上、新しい陰陽師では?」
道三郎がそう言うも皆は納得出来ない。
「でも僕たちが来た時に爆発音と断末魔。あれは撃破したとして…」
「ならば何故立ち去らなければならないかが疑問だよ。」
小虎と守の言葉に矛盾や疑問は次々に浮かぶ。
「お兄ちゃん、今日はどうするの?」
明菜に聞かれ晴斗は決断し言った。
「とりあえず解散!次は横取りなんざさせねぇ。」
「そうだな。わざわざボールを置いて去って俺たちを挑発してるようだしな。」
満十郎の言葉に皆は次は必ずと決意するのだった。
そしてその夜晴斗が寝ている時だった。
ガシャドクロボールが光り出した。
同時に晴斗は不思議な出来事を体験する。
東京に妖怪が出たと聞き現場へ向かった。
そんな晴斗は先ずは教会へ足を運んだ。
神十字教会と書かれた看板が見え門に入る。
聖堂には外国人のエクソシストがいた。
そして更に夕暮れ時に出くわしたのはモンスターだった。
そこには昼に見た魔法戦士がいて共に戦っていた。
そして晴斗は目を覚ますとそこはいつもの家の寝室だった。
「何だったんだ?」
気付くと枕元にはガシャドクロボールが転がっていた。
不思議に思うも深く考えず一同は学校に向かって歩き出していた。
無邪気な会話で歩いていると一同の前に1人の奇術師が立っていた。
白いスーツに白い帽子、白いマントにモノクルをした男だ。
「レディスエンジェントルマン!今宵は私のマジックショーへようこそ。」
すると奇術師は何もない所から一輪の薔薇を出し唯に投げ渡す。
「ありがとう…」
「これは余興です。これよりショーはクライマックスに入ります。私がこれより陰陽師諸君を
消してみせましょう!もちろんこの世界から丸ごとね。」
「お前はまさか!」
晴斗の言葉に奇術師は答えた。
「私の名は枕返し!妖怪ですよ。」
そう言い奇術師は変身する。
その姿は白い着物に白い頭巾をした長い黒髪に橙色の肌をした体つきのいい1本角の鬼だ。
「皆、行くぞ!」
それを見た晴斗の掛け声で4人は変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身しそれぞれ武器を装備し向かって行く。
4人は攻撃するも枕返しはひらりひらりと避ける。
「こんな物ですか?」
「だったら!妖術鳳凰烈火!」
晴斗の攻撃が枕返しを襲うが枕返しは避ける。
「俺たちも!妖術青龍激流!」
「妖術白虎烈風!」
「妖術玄武地響!」
3人も攻撃するが枕返しは宙に浮き避けた。
「あいつあんなことまで!」
晴斗は苛立つ。
枕返しはそこに掌から闇のオーラを放つ。
攻撃は4人を襲う。
「ぐあ!」
しかし立ち上がり再び刃を向ける。
「だったらこれはどうでしょう!」
すると枕返しは4人の目を見つめ光を放つ。
眩しくて目が暗む4人の前に妖怪を召喚した。
猫又2体、雪女、ガマ、泥田坊、旧鼠が蘇った。
「中国四千年!中国四千年!」
「畜生ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「安心して下さい!履いてますよ!」
「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!」
「今の私とかけましてリサイクルと解く。その心はどちらも再生出来ます。」
一同は愕然とする。
「こいつらは…」
「私には再現可能。」
「な…」
一同愕然とするも気持ちを切り替え刃を向ける。
「やるっきゃねぇな!」
すると唯が一言切り出した。
「てか学校どうするの!」
「このままだと私たち全員遅刻する!」
「兄上、それに皆さん、早めに切り上げて下さい!」
4人は敵と遅刻に追い込まれていた。
「いいのですか?学校へ向かえば彼らを街に放ちますよ。」
「てめぇ卑怯だぞ!」
「卑怯で何より。奇術師ですので。」
するとそこに1つの影が見えた。
その影は空を舞う翼だった。
「俺に任せろ!」
翼をたたんで地に降り立ったのは魔法戦士だった。
「お前は!」
「後は任せて。君たちは学校へ行きなよ。」
「あなたは一体…」
すると唯の質問に答える。
「通りすがりの魔法戦士さ。」
そう言い魔法を放った。
「フェニックスファイアー!」
不死鳥の形をした炎が雪女を襲った。
すると雪女は消えた。
「さてと次はこれだ。ケットシー!」
バンクにメダルを入れる。
すると手に大きな爪が生え青い猫又に向かって行く。
「あいつ俺たちと同じことが出来るのか!」
満十郎は驚く。
魔法戦士は爪で猫又を切り裂いた。
すると猫又は先ず1体消えた。
「フルングニル!」
次にフルングニルメダルをセットし剣を持ち向かって行く。
剣のスキルが上がりその剣でもう1体の猫又を切り裂く。
するともう1体の猫又も消える。
「オーガ!」
次にオーガメダルを入れ体ががっしりし出す。
その体で突っ切り拳でガマに鉄拳を入れた。
するとガマは消えた。
「魔法戦士、やりますね!」
高みの見物をする枕返しは余裕の笑みだ。
「フェンリル!」
魔法戦士は次にフェンリルメダルをセットした。
すると俊敏な動きで旧鼠を翻弄し気付けば後ろに立っていた。
後ろで旧鼠に拳銃を向け更に再びメダルを投入し装備を変える。
「アルゴス!」
そして拳銃を撃った。
巨大な炎の弾丸が旧鼠を襲い旧鼠は消える。
「ファーブニル!」
次にファーブニルメダルをセットし魔法を放った。
「バーニングスラッシュ!」
剣から炎の刃が放たれ攻撃が泥田坊を襲う。
泥田坊は消滅し残るは枕返し1体になった。
「残るはお前だけだ。」
魔法戦士はそう言い剣を向ける。
「私はこの辺で失礼致しましょう。では次は月夜に。」
そう言い枕返しは時空の狭間に消えて行った。
妖怪を一掃した魔法戦士の凄さに一同は固まっていた。
魔法戦士は変身を解き同時に陰陽師の4人も変身を解いた。
「また会ったな。晴斗!」
魔法戦士の正体は赤毛に緑眼の少年だった。
「周…だよな。」
「ああ。君と俺は半年前に会っていた。陰陽師としての君とね。」
「でもお兄ちゃんが陰陽師になったのは3か月前じゃ…」
明菜の言葉に矛盾が出て来て皆は首を傾げた。
「ガシャドクロボールが時空を超えて君を過去に呼んだんだ。」
「何でそんなことが…」
周の言葉に晴斗は理解が出来ない。
「実はやつらは過去に行き妖怪とモンスターで手を組んでいた。目的は不明だが
モンスターは見返りを受けていた。となれば妖怪への見返りが不明だ。」
「それを確かめにお前はここに来たんだな。」
「ああ。君たちにも協力して欲しい。」
「俺たちに出来ることなら何でも言ってくれ。」
そう言い晴斗と周は手を握り握手を交わす。
「そう言えば学校はいいの?」
周の言葉に一同は思い出した。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
叫び声が街に響く。
「俺たち行かなきゃだった。」
「早くしないと俺たち大目玉だぞ!」
「じゃあ僕らはこれで!」
「後で話を聞かせてくれ!」
4人はそう言い走り出し唯たちも後を追って走り出した。
こうして今日も学園で1日を送る晴斗たちだった。
しかしその間に理事長室には訪問者が来ていた。
それは周だった。
「ご苦労だったな。」
「それよりも俺の知りたかった情報の方ですけど。」
「それなら僕から話しますよ。」
時空の狭間から鬼龍院が現れた。
「でその目的についてだったね。」
「ああ。妖怪から聞くことになるなんてね。」
「妖怪が過去へ行ったのは取引とまでは知っているね。そこで妖怪たちへの見返りだ。
それは魔力の提供だった。晴斗君は一度ぬらりひょんと戦った。その時ぬらりひょんが
戦えたのはハデスの魔力だ。ハデスの魔力で動くことが出来た。だがまだ不完全。」
「そういことだったのか。でもこんなに早く手に入るなんてね。」
「鵺が僕らに情報をくれているんだ。彼はぬらりひょんに恨みがあってね。」
「なるほどね。で理事長、俺はこれからどうすればいいんです?」
「しばらく息子といてくれ。晴斗もそっちの方がいいだろう?」
正晴は扉に向かって行った。
すると扉が開きそこでは晴斗と唯が話を聞いていた。
「まぁな。周、よろしくな。」
「俺こそな。」
「私もよろしくお願いします。周さん。」
こうして晴斗と周はお互いハグし合い親密な友となったのだった。
そして放課後晴斗と唯は周を連れ喫茶桔梗に来た。
テーブルにアイスティーが3つ並ぶ。
「久しぶりだな。」
「俺にとっては昨日ぶりだがな。」
「俺もあれからモンスターメダル全て揃った。世界は救われた。次は君たちだね。」
「ああ。西と東でこんな繋がりがあったんだな。」
「俺もあれから2人の大切な人失ったよ。友達と父さんをね。」
「周、実はだが俺は一回死んだんだよ。」
「それも鳳凰ボールの妖力で今繋ぎ止めている。」
「ああ。」
「俺も一度死んだよ。賢者の石で今生きているんだ。」
「そうか。それと朝はありがとうな。助かったよ。」
「俺こそあの時はありがとう。助かったよ。」
2人は笑顔で見つめ合いそれを見ていた唯も笑っていた。
「男の子っていいな~」
こうして晴斗たちは屋敷へ戻った。
そこには周もいた。
「周さん、いらっしゃい!」
「俺と明菜ちゃんで作りましたよ。」
満十郎と明菜は手料理を周に振る舞う。
そこには大量の中華料理が並んだ。
「いただきます!」
周は美味しそうに食べていて2人も笑顔で立っていた。
「美味しそうですね!」
「僕らも食べていいかな?」
小虎と守も来て食事を皆で囲む。
「君たち料理上手だね。」
周の感想に満十郎は調子に乗り出した。
「俺たち実は婚約者なんですよ。」
「夫婦助け合えていいね。」
「周!違うぞ!全部こいつの妄想だ!」
「お兄さん、またまた御冗談を~」
「でも私と晴斗君は婚約者だもんね~」
「ああ。だが満十郎、明菜は絶対にやらんぞ!」
「晴斗君って~シスコンですから~」
皆は盛り上がる。
家族のような輪に入る周は幸せそうだ。
「俺も教会でこんな感じだしまるで教会いるみたいだよ。」
「それより君には聞きたいんだが魔術についてだ。」
「俺も君の妖術を医療に使えることに興味がある。」
「ならば後で2人で話そう。」
こうして食事を終え一同はリビングで寛いでいる時だった。
守が周に話を切り出した。
「周、少しいいか?」
「少し外へ出よう。」
2人は外へ出て話をし出した。
「俺から話すよ。人には魔力がある。俺には特別な太陽の魔力だ。だから俺は
魔法戦士になれたんだ。所で君の妖術医療だけど。」
「僕は霊獣と人間の間に生まれた半妖の子孫だ。それがこの玄武だよ。玄武の
力は人の傷を癒し治す力。そして物にも破壊と再構築。その力がこの右手に。」
「魔力は12個ある。炎、氷、地、風、闇、光、雷、鋼、音、水、波動、竜。
俺のは炎。その魔力にこのフェニックスメダルが答えて俺は魔法戦士に。」
「僕が聞きたいのは賢者の石のことも。不老不死は人類の夢。それを医療に是非。」
「それはダメだ。1つしかない命を扱う医師が知るべきじゃない。」
「だが僕は人類の夢を叶えようと妖術医に!」
「やめた方がいい。」
そして周は屋敷に戻って行く。
それを影から晴斗が覗いていた。

続く

実験

2017年07月15日 18時14分26秒 | 日記


氷の熱伝導で
溶ける実験してみた

暇すぎたから

マックで

2017年07月15日 18時12分57秒 | 日記


マックでロコモコセット

ロコモコチーズと
ブルーハワイのセット

おいしかったな

何だか
海見ながら
テラス席で食べたいな

セブンの

2017年07月15日 18時11分47秒 | 日記


メロンソーダゼリー

クリームにさくらんぼに

これで夏バテ知らずに

すーちゃんを

2017年07月15日 18時10分55秒 | 日記


すーちゃんを探せ的な写真

下からロフトの上を
見上げるすーちゃん

似てる猫ちゃん

2017年07月15日 18時09分51秒 | 日記

五日市駅前の猫ちゃんと

ポプラ木材港の猫ちゃん

何か似てる気がする