第22章 黄龍覚醒
守は戦っていた。
素早い動きに翻弄され押される。
そして攻撃を受け倒れた。
「ぐあ!」
変身が解け倒れる。
「そこまでです!」
「まだだ!」
守は一枚のお札を投げその場を後にした。
神社の鳥居を潜り森の奥へ逃げ込んだのだった。
晴斗たちはバーベキューに来ていた。
秋晴れの空の元に香ばしい香りが広がる。
「皆!焼けたからおいで!」
鬼龍院が1人1人に肉を配る。
「いただきます!」
皆は喜んで肉を口にする。
「晴斗君、あ~んして。」
唯は箸を晴斗に近づける。
「おいおい…」
嫌々ながらも晴斗は応じる。
「晴斗さん、僕にもして下さい!」
潤んだ目で小虎は見つめる。
「はいはい…」
晴斗は嫌々ながらもまた応じた。
「明菜ちゃん、俺にもいいかな?」
「はいはい。」
明菜は嫌々ながら応じた。
それを見た晴斗は嫉妬に燃えていた。
「あいついつかぶっ飛ばす!」
「兄上も晴斗さんも相変わらずですね。」
道三郎はため息をついた。
こうして食事を終えた一同は森林を満喫していた。
晴斗は唯と小虎の3人で滝壺を見ていた。
「こうしてると心が現れるわね。」
「僕もです。イオンを感じます。」
2人をよそに晴斗は違った。
「俺は別にってかお前らは手を離せ!」
2人の手を握る行為も相変わらずだった。
一方満十郎は明菜と道三郎の3人で丘に立っていた。
「こうして見ると私たちのいる大阪って小さく見えるね。」
「不思議ですよ。普段は大きく感じる街なのに。」
「俺たちもそうだよ。何でも大きいようで小さいんだ。」
3人は空を見上げ爽やかな風が吹いた。
一方で妖怪たちも動き出していた。
荒んだ神社に2人の影がある。
「今日こそは陰陽師の首と人間の命を。」
神主風の男が朧車の前に跪く。
「貴様に任せたぞ。姑獲鳥!」
「はい。」
こうして人間界に妖怪が放たれた。
そうとは知らず晴斗たちはのん気に過ごしていた。
全員で集合し森の奥へ進んで行く。
「俺たちも本当に成長したよな。我ながら思う。」
晴斗の言葉に皆頷く。
「あとは僕だけですね。」
道三郎はそう言い下を向く。
そこに満三郎が肩に手を伸ばした。
「ゆっくりでいいよ。」
「ですが兄上!」
「焦るな。最初から強いやつはいない。」
「お前にしてはいいこと言うな。俺も同じだよ。」
晴斗もそう言って道三郎の肩に手を置いた。
「君たちも最初よりとても大きく見える。彼だってそう。」
鬼龍院の言葉に皆はここまで来たんだと実感した。
すると一同の前に見覚えのある背中があった。
それは守だった。
一同は駆け出す。
「守!」
すると振り向き止まれと手を前に出す。
「何だよ!久々に会ってそれはないだろう。」
「晴斗の言う通りだ。」
すると守は口を開いた。
「この先の神社に妖怪がいる。」
そう言い守はふらつく。
それを晴斗は抱える。
「お前まさか。」
「少しやられただけだ。まだ僕は戦える。」
「お前は休んでろ。俺たちが殴り込みに行ってやる。」
満十郎は拳を握り前に進む。
「その男気俺も気に入ったぜ。」
晴斗も同行する。
「僕も行きます!」
「私たちも!」
小虎と唯と明菜も2人を追いかけ進む。
「やれやれです。」
「君はまだ覚悟が出来てないんだね。でも大丈夫だから。」
鬼龍院は笑顔でそう言った。
そして5人は神社の鳥居の前に立った。
固唾を飲み込み神社の鳥居を潜って進んだ。
「頼もうーーーーーーーーーーーーーーー!」
晴斗は叫んだ。
するとそこには神主がいた。
「妖怪はどこだ!」
晴斗は尋ねると神主が答えた。
「そちらから来られるとは探す手間が省けました。」
「まさかお前が!」
「そうです!私は姑獲鳥!妖怪姑獲鳥とはこの私!」
そう言い神主は妖怪に変身した。
その姿は赤く光る大きな目に鋭く長い嘴や爪に黒い翼や体をした烏の怪物だ。
それを見た5人はボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し武器を構え姑獲鳥に向かっていく。
姑獲鳥は百鬼兵を放ち行く手を阻む。
「では私は高みの見物をさせていただきます。」
そう言い姑獲鳥は翼を広げ天高く舞い上がる。
晴斗と明菜はさせまいと2人も翼を広げ舞い上がる。
「雑魚は頼む。」
「そうさせてもらうぜ。」
「だったら早く倒して加戦しましょう。」
「賛成賛成!」
3人はそう言い敵軍に突っ込んで行く。
晴斗は姑獲鳥に剣で襲い掛かる。
姑獲鳥は羽を抜き羽を薙刀に変える。
姑獲鳥はひらりと回避する。
晴斗は再び向かって行き剣と薙刀が鎬を削る。
「ここは任せて!」
そう言うと晴斗は後ろに引き明菜が弓を構えた。
明菜は弓矢を次々に放ち攻撃する。
姑獲鳥は薙刀で払う。
次に姑獲鳥は翼から竜巻を放ち反撃する。
明菜は避けるも姑獲鳥は次々に竜巻を放った。
2人は弓矢と竜巻の放ち合いになる。
「そこだ!妖術鳳凰烈火!」
晴斗は後ろから妖術を放ち攻撃した。
「ぐあ!」
更に明菜も妖術を仕掛けた。
「妖術朱雀日光!」
激しい光の攻撃が姑獲鳥を襲った。
「ぐ!やりますね!」
姑獲鳥は急上昇した。
そして翼をたたんで急降下し薙刀で襲い掛かる。
「だったら俺も!妖術火炎車輪!」
晴斗も迎え撃ち攻撃がぶつかった。
しかし姑獲鳥の勢いに押され晴斗は落下し倒れる。
「お兄ちゃん!」
「次は貴方です!」
姑獲鳥は翼で扇ぎ上空に大嵐を引き起こした。
明菜は飛ばされそうになり必死で飛行している。
「隙だらけですね!」
そして明菜を薙刀で払い明菜は落下した。
そこに百鬼兵を倒し終えた3人は攻撃を仕掛けた。
「妖術氷結吹雪!」
「妖術暴雷暴風!」
「妖術真鯉百花!」
3人は妖術を放つも大嵐に掻き消された。
「だったら!天狗!」
小虎は風に乗り姑獲鳥に襲い掛かる。
しかし大嵐の勢いに勝てず小虎も落下した。
「だったら!ろくろ首!」
満十郎はボールをセットし腕を伸ばして攻撃に出た。
しかし大嵐勢いに伸びず姑獲鳥は腕を掴んで投げ飛ばした。
そして急降下し唯に突進し5人は倒れる。
倒れる5人に更に上空から攻撃を放つ姑獲鳥。
薙刀から空気の刃を放ち5人を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
容赦のない攻撃に5人は何も出来ずいる。
「まだまだです!」
更に攻撃が放たれ辺りは爆風と炎に包まれた。
倒れ窮地に追い込まれる5人。
「陰陽師、ここに死すのです!」
姑獲鳥は高笑いして言ったその時だった。
「バク!」
変身した守が駆けつけ嵐の暴風を吸い取った。
更にボールをセットし装束を変える。
「化け草履!」
守は天高く飛び上がり姑獲鳥に渾身の踵落としをした。
「ぐあーーーーーーーーーー!」
更にボールをセットし攻撃する。
「鎌鼬!」
強化した鎌で斬撃を決めようとした時だった。
姑獲鳥は気流に乗り避けた。
「大空は私の舞台。ここでは私に適う者はいない。」
姑獲鳥は突進し翼で叩き落した。
守は落下し変身が解けた。
姑獲鳥は再び嵐を起こし上空から見下ろす。
するとそこに道三郎が駆けつけて来た。
「皆さん、しっかりして下さい!」
「来るな逃げろ!」
満十郎は叫ぶも道三郎は首を横に振る。
「僕だって戦える!叩かないとダメなんです!」
「おや?まだ歯向かう者がいるのですね。」
「この世界は妖怪になんて渡さない!僕らが守るんだ!」
そう言うと黄龍ボールが光りだした。
「お前、ついに…」
「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
道三郎は叫びを上げボールをセットした。
「妖術陰陽変化!」
変身した姿は烏帽子着物の黄色い陰陽師の戦士だ。
「砂塵の妖術使い黄陰陽師!」
「だから何です!上空いる限り私は無敵なのだ!」
すると道三郎は妖術を放つ。
「妖術黄龍砂塵!」
すると大量の砂が姑獲鳥を襲った。
しかし大嵐に砂は巻き込まれバラバラになる。
「無駄でしたね。」
しかし砂の粒子は姑獲鳥に命中し爆発する。
「ぐあ!」
無数の粒子が一粒一粒姑獲鳥を襲い爆発する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーー!」
姑獲鳥は嵐に飲み込まれ上空を旋回する。
そして道三郎は陰陽黄龍槌を持ち飛び上がった。
砂の粒子を踏み爆風に乗り姑獲鳥に接近し槌で一撃を入れた。
「ぐあーーーーーーーー!この私が!」
そして倒れていた5人も立ち上がった。
「お前、上空にいるなら無敵なんだろ?」
「それがどうしたのです!」
晴斗の言葉を愚問のように思い嘲笑い言い返す。
「地に落ちれば無敵じゃないよな?」
姑獲鳥は満十郎の言葉に核心を突かれ逃げ出そうとした。
晴斗はボールをセットし攻撃した。
「砂かけ婆!」
放たれた砂の粒子が姑獲鳥を襲い目に命中した。
「目がぁ!」
満十郎もボールをセットし攻撃する。
「天邪鬼!」
姑獲鳥に言葉をかけた。
「お前は飛べる鳥だな!」
すると姑獲鳥は突如翼が退化し地面に落下した。
「まだです!」
薙刀で満十郎に襲いかかる。
すると塗り壁ボールが満十郎の手に渡り光った。
満十郎はボールをセットし反撃する。
「塗り壁!」
強化した体で薙刀を掴みへし折った。
そしてそこに鉄拳での一発が命中した。
次にのっぺらぼうボールが光り小虎の手に渡る。
小虎もボールをセットし攻撃する。
「のっぺらぼう!」
小虎は筆で爆の文字を書き姑獲鳥に投げつけ爆発させた。
「ぐあ!」
姑獲鳥は倒れるも起き上がり逃げ出す。
すると影から手が伸び掴まれ転倒した。
そこには文車妖妃装束の晴斗がいた。
「晴斗さん、捕まえてて下さいね!」
壁の文字を書き投げつけ姑獲鳥の逃げ場をなくす。
「妖術真鯉花嵐!」
唯の放った花吹雪が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーー!」
「妖術光陽双翼!」
明菜の翼から光の攻撃が姑獲鳥を襲う。
「ぐおーーーーーーーー!」
「妖術砂地獄豪!」
道三郎の攻撃は姑獲鳥を捉え足が地に埋まり身動きを奪う。
そこに道三郎はとどめを刺す。
「妖術陰陽黄龍砂塵打!」
槌から放たれた黄色い竜が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり姑獲鳥は死んだ。
皆は変身を解き落ちたボールを晴斗が拾う。
するとそこに拍手が響く。
鬼龍院が拍手で鳥居を潜って来た。
「素晴らしい。君もついに覚醒したんだね。」
「はい。僕もついに陰陽師に。」
喜ぶ道三郎に皆が駆け寄る。
「流石は俺の弟だ!俺の誇りだ!」
「お前も立派になりやがって。次は兄貴を越えろよ!」
「最高です!僕らも7人これで無敵ですよ!」
「僕からも頼むよ。」
「これからも頑張ろう。一緒に戦おう。」
「それにお兄ちゃんたちだけじゃ心細いし。」
皆に頼られ道三郎は嬉し涙を流す。
「ありがとう!ありがとうございます!」
「帰ろう。今日はお祝いにお寿司だよ。」
鬼龍院の言葉で皆は大喜びしその場を後にした。
一方で妖怪たちは急遽集会を開いていた。
「それぞれの軍の幹部が全滅されたようですな。」
家老の朱の盆は4人に問いかける。
「ですが次の段階へは進んでおります故問題はないかと。」
冷淡な口調で朧車は物申し素顔を晒し目を伏せる。
「俺様は久々にドカンと宴でもやりてぇ気分だな。」
鵺は衝動をこれ以上抑えられないと体が疼く。
「じゃが陛下の復活はまだ。それまでの時間は童が稼ぐぞよ。」
二口女は早速行動に出ようとするも夜叉が制止する。
「ここは私に任せて。私がぬら様に貢献するんだから。」
そう言い夜叉は不気味に笑い口周りを舌で舐めた。
続く
守は戦っていた。
素早い動きに翻弄され押される。
そして攻撃を受け倒れた。
「ぐあ!」
変身が解け倒れる。
「そこまでです!」
「まだだ!」
守は一枚のお札を投げその場を後にした。
神社の鳥居を潜り森の奥へ逃げ込んだのだった。
晴斗たちはバーベキューに来ていた。
秋晴れの空の元に香ばしい香りが広がる。
「皆!焼けたからおいで!」
鬼龍院が1人1人に肉を配る。
「いただきます!」
皆は喜んで肉を口にする。
「晴斗君、あ~んして。」
唯は箸を晴斗に近づける。
「おいおい…」
嫌々ながらも晴斗は応じる。
「晴斗さん、僕にもして下さい!」
潤んだ目で小虎は見つめる。
「はいはい…」
晴斗は嫌々ながらもまた応じた。
「明菜ちゃん、俺にもいいかな?」
「はいはい。」
明菜は嫌々ながら応じた。
それを見た晴斗は嫉妬に燃えていた。
「あいついつかぶっ飛ばす!」
「兄上も晴斗さんも相変わらずですね。」
道三郎はため息をついた。
こうして食事を終えた一同は森林を満喫していた。
晴斗は唯と小虎の3人で滝壺を見ていた。
「こうしてると心が現れるわね。」
「僕もです。イオンを感じます。」
2人をよそに晴斗は違った。
「俺は別にってかお前らは手を離せ!」
2人の手を握る行為も相変わらずだった。
一方満十郎は明菜と道三郎の3人で丘に立っていた。
「こうして見ると私たちのいる大阪って小さく見えるね。」
「不思議ですよ。普段は大きく感じる街なのに。」
「俺たちもそうだよ。何でも大きいようで小さいんだ。」
3人は空を見上げ爽やかな風が吹いた。
一方で妖怪たちも動き出していた。
荒んだ神社に2人の影がある。
「今日こそは陰陽師の首と人間の命を。」
神主風の男が朧車の前に跪く。
「貴様に任せたぞ。姑獲鳥!」
「はい。」
こうして人間界に妖怪が放たれた。
そうとは知らず晴斗たちはのん気に過ごしていた。
全員で集合し森の奥へ進んで行く。
「俺たちも本当に成長したよな。我ながら思う。」
晴斗の言葉に皆頷く。
「あとは僕だけですね。」
道三郎はそう言い下を向く。
そこに満三郎が肩に手を伸ばした。
「ゆっくりでいいよ。」
「ですが兄上!」
「焦るな。最初から強いやつはいない。」
「お前にしてはいいこと言うな。俺も同じだよ。」
晴斗もそう言って道三郎の肩に手を置いた。
「君たちも最初よりとても大きく見える。彼だってそう。」
鬼龍院の言葉に皆はここまで来たんだと実感した。
すると一同の前に見覚えのある背中があった。
それは守だった。
一同は駆け出す。
「守!」
すると振り向き止まれと手を前に出す。
「何だよ!久々に会ってそれはないだろう。」
「晴斗の言う通りだ。」
すると守は口を開いた。
「この先の神社に妖怪がいる。」
そう言い守はふらつく。
それを晴斗は抱える。
「お前まさか。」
「少しやられただけだ。まだ僕は戦える。」
「お前は休んでろ。俺たちが殴り込みに行ってやる。」
満十郎は拳を握り前に進む。
「その男気俺も気に入ったぜ。」
晴斗も同行する。
「僕も行きます!」
「私たちも!」
小虎と唯と明菜も2人を追いかけ進む。
「やれやれです。」
「君はまだ覚悟が出来てないんだね。でも大丈夫だから。」
鬼龍院は笑顔でそう言った。
そして5人は神社の鳥居の前に立った。
固唾を飲み込み神社の鳥居を潜って進んだ。
「頼もうーーーーーーーーーーーーーーー!」
晴斗は叫んだ。
するとそこには神主がいた。
「妖怪はどこだ!」
晴斗は尋ねると神主が答えた。
「そちらから来られるとは探す手間が省けました。」
「まさかお前が!」
「そうです!私は姑獲鳥!妖怪姑獲鳥とはこの私!」
そう言い神主は妖怪に変身した。
その姿は赤く光る大きな目に鋭く長い嘴や爪に黒い翼や体をした烏の怪物だ。
それを見た5人はボールをセットし変身する。
「妖術陰陽変化!」
変身し武器を構え姑獲鳥に向かっていく。
姑獲鳥は百鬼兵を放ち行く手を阻む。
「では私は高みの見物をさせていただきます。」
そう言い姑獲鳥は翼を広げ天高く舞い上がる。
晴斗と明菜はさせまいと2人も翼を広げ舞い上がる。
「雑魚は頼む。」
「そうさせてもらうぜ。」
「だったら早く倒して加戦しましょう。」
「賛成賛成!」
3人はそう言い敵軍に突っ込んで行く。
晴斗は姑獲鳥に剣で襲い掛かる。
姑獲鳥は羽を抜き羽を薙刀に変える。
姑獲鳥はひらりと回避する。
晴斗は再び向かって行き剣と薙刀が鎬を削る。
「ここは任せて!」
そう言うと晴斗は後ろに引き明菜が弓を構えた。
明菜は弓矢を次々に放ち攻撃する。
姑獲鳥は薙刀で払う。
次に姑獲鳥は翼から竜巻を放ち反撃する。
明菜は避けるも姑獲鳥は次々に竜巻を放った。
2人は弓矢と竜巻の放ち合いになる。
「そこだ!妖術鳳凰烈火!」
晴斗は後ろから妖術を放ち攻撃した。
「ぐあ!」
更に明菜も妖術を仕掛けた。
「妖術朱雀日光!」
激しい光の攻撃が姑獲鳥を襲った。
「ぐ!やりますね!」
姑獲鳥は急上昇した。
そして翼をたたんで急降下し薙刀で襲い掛かる。
「だったら俺も!妖術火炎車輪!」
晴斗も迎え撃ち攻撃がぶつかった。
しかし姑獲鳥の勢いに押され晴斗は落下し倒れる。
「お兄ちゃん!」
「次は貴方です!」
姑獲鳥は翼で扇ぎ上空に大嵐を引き起こした。
明菜は飛ばされそうになり必死で飛行している。
「隙だらけですね!」
そして明菜を薙刀で払い明菜は落下した。
そこに百鬼兵を倒し終えた3人は攻撃を仕掛けた。
「妖術氷結吹雪!」
「妖術暴雷暴風!」
「妖術真鯉百花!」
3人は妖術を放つも大嵐に掻き消された。
「だったら!天狗!」
小虎は風に乗り姑獲鳥に襲い掛かる。
しかし大嵐の勢いに勝てず小虎も落下した。
「だったら!ろくろ首!」
満十郎はボールをセットし腕を伸ばして攻撃に出た。
しかし大嵐勢いに伸びず姑獲鳥は腕を掴んで投げ飛ばした。
そして急降下し唯に突進し5人は倒れる。
倒れる5人に更に上空から攻撃を放つ姑獲鳥。
薙刀から空気の刃を放ち5人を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
容赦のない攻撃に5人は何も出来ずいる。
「まだまだです!」
更に攻撃が放たれ辺りは爆風と炎に包まれた。
倒れ窮地に追い込まれる5人。
「陰陽師、ここに死すのです!」
姑獲鳥は高笑いして言ったその時だった。
「バク!」
変身した守が駆けつけ嵐の暴風を吸い取った。
更にボールをセットし装束を変える。
「化け草履!」
守は天高く飛び上がり姑獲鳥に渾身の踵落としをした。
「ぐあーーーーーーーーーー!」
更にボールをセットし攻撃する。
「鎌鼬!」
強化した鎌で斬撃を決めようとした時だった。
姑獲鳥は気流に乗り避けた。
「大空は私の舞台。ここでは私に適う者はいない。」
姑獲鳥は突進し翼で叩き落した。
守は落下し変身が解けた。
姑獲鳥は再び嵐を起こし上空から見下ろす。
するとそこに道三郎が駆けつけて来た。
「皆さん、しっかりして下さい!」
「来るな逃げろ!」
満十郎は叫ぶも道三郎は首を横に振る。
「僕だって戦える!叩かないとダメなんです!」
「おや?まだ歯向かう者がいるのですね。」
「この世界は妖怪になんて渡さない!僕らが守るんだ!」
そう言うと黄龍ボールが光りだした。
「お前、ついに…」
「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
道三郎は叫びを上げボールをセットした。
「妖術陰陽変化!」
変身した姿は烏帽子着物の黄色い陰陽師の戦士だ。
「砂塵の妖術使い黄陰陽師!」
「だから何です!上空いる限り私は無敵なのだ!」
すると道三郎は妖術を放つ。
「妖術黄龍砂塵!」
すると大量の砂が姑獲鳥を襲った。
しかし大嵐に砂は巻き込まれバラバラになる。
「無駄でしたね。」
しかし砂の粒子は姑獲鳥に命中し爆発する。
「ぐあ!」
無数の粒子が一粒一粒姑獲鳥を襲い爆発する。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーー!」
姑獲鳥は嵐に飲み込まれ上空を旋回する。
そして道三郎は陰陽黄龍槌を持ち飛び上がった。
砂の粒子を踏み爆風に乗り姑獲鳥に接近し槌で一撃を入れた。
「ぐあーーーーーーーー!この私が!」
そして倒れていた5人も立ち上がった。
「お前、上空にいるなら無敵なんだろ?」
「それがどうしたのです!」
晴斗の言葉を愚問のように思い嘲笑い言い返す。
「地に落ちれば無敵じゃないよな?」
姑獲鳥は満十郎の言葉に核心を突かれ逃げ出そうとした。
晴斗はボールをセットし攻撃した。
「砂かけ婆!」
放たれた砂の粒子が姑獲鳥を襲い目に命中した。
「目がぁ!」
満十郎もボールをセットし攻撃する。
「天邪鬼!」
姑獲鳥に言葉をかけた。
「お前は飛べる鳥だな!」
すると姑獲鳥は突如翼が退化し地面に落下した。
「まだです!」
薙刀で満十郎に襲いかかる。
すると塗り壁ボールが満十郎の手に渡り光った。
満十郎はボールをセットし反撃する。
「塗り壁!」
強化した体で薙刀を掴みへし折った。
そしてそこに鉄拳での一発が命中した。
次にのっぺらぼうボールが光り小虎の手に渡る。
小虎もボールをセットし攻撃する。
「のっぺらぼう!」
小虎は筆で爆の文字を書き姑獲鳥に投げつけ爆発させた。
「ぐあ!」
姑獲鳥は倒れるも起き上がり逃げ出す。
すると影から手が伸び掴まれ転倒した。
そこには文車妖妃装束の晴斗がいた。
「晴斗さん、捕まえてて下さいね!」
壁の文字を書き投げつけ姑獲鳥の逃げ場をなくす。
「妖術真鯉花嵐!」
唯の放った花吹雪が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーー!」
「妖術光陽双翼!」
明菜の翼から光の攻撃が姑獲鳥を襲う。
「ぐおーーーーーーーー!」
「妖術砂地獄豪!」
道三郎の攻撃は姑獲鳥を捉え足が地に埋まり身動きを奪う。
そこに道三郎はとどめを刺す。
「妖術陰陽黄龍砂塵打!」
槌から放たれた黄色い竜が姑獲鳥を襲う。
「ぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
大爆発が起こり姑獲鳥は死んだ。
皆は変身を解き落ちたボールを晴斗が拾う。
するとそこに拍手が響く。
鬼龍院が拍手で鳥居を潜って来た。
「素晴らしい。君もついに覚醒したんだね。」
「はい。僕もついに陰陽師に。」
喜ぶ道三郎に皆が駆け寄る。
「流石は俺の弟だ!俺の誇りだ!」
「お前も立派になりやがって。次は兄貴を越えろよ!」
「最高です!僕らも7人これで無敵ですよ!」
「僕からも頼むよ。」
「これからも頑張ろう。一緒に戦おう。」
「それにお兄ちゃんたちだけじゃ心細いし。」
皆に頼られ道三郎は嬉し涙を流す。
「ありがとう!ありがとうございます!」
「帰ろう。今日はお祝いにお寿司だよ。」
鬼龍院の言葉で皆は大喜びしその場を後にした。
一方で妖怪たちは急遽集会を開いていた。
「それぞれの軍の幹部が全滅されたようですな。」
家老の朱の盆は4人に問いかける。
「ですが次の段階へは進んでおります故問題はないかと。」
冷淡な口調で朧車は物申し素顔を晒し目を伏せる。
「俺様は久々にドカンと宴でもやりてぇ気分だな。」
鵺は衝動をこれ以上抑えられないと体が疼く。
「じゃが陛下の復活はまだ。それまでの時間は童が稼ぐぞよ。」
二口女は早速行動に出ようとするも夜叉が制止する。
「ここは私に任せて。私がぬら様に貢献するんだから。」
そう言い夜叉は不気味に笑い口周りを舌で舐めた。
続く