銀河BLOG

「銀河」は、銀河系軍団レアルマドリードからとりました。(ウソです。)

☆弁理士試験口述試験☆

2006年10月14日 23時54分56秒 | 弁理士試験
平成18年度弁理士試験口述試験第2日午後再現(転載不許可)





【特許・実用新案法】



<試験官>
男性2人でした。2人とも優しそうな方でホッとしました。

<総括質問>
Q:合格後はどうなさいますか?
A:もちろん「特許」の仕事をしたいと思っております。

<出題概要>
出願公開、出願公開の請求、補償金請求権、14条



Q:特許法は、出願公開についてお伺いします。出願公開制度はなぜ設けられましたか?
A:はい、出願内容が長期間公表されないと、重複投資等をを招く可能性があるからです。(重複研究という言葉が出て来なかった為、「等」でごまかす)

Q:それでは、出願公開は特許出願の日から1年6月で行われますが、この「特許出願の日」とはどんな日ですか?
A:はい、通常の特許出願であれば現実に出願した日です。

Q:他には?
A:はい、分割・変更の場合は、先の出願日です。(本当は、もとの出願日と言うべきか)

Q:通常の出願でももっとあるでしょう?
A:失礼しました。優先権主張を伴う場合は、先の出願日です。

Q:正確に。
A:失礼しました。国内優先権主張、パリ条約の優先権主張を伴う時は、先の出願日です。

Q:パリ優先権の場合は、先の出願日ですか?(怒)
A:失礼しました。最先の出願日です。

Q:・・・
A:基礎となる出願日です。

Q:・・・
A:第一国出願日です。(当てずっぽうで色々言ってみる)

Q:まぁ、いいでしょう。(なぜか不満そう。間違って無いと思うのですが。) それでは次の質問です。なぜ出願公開は特許出願の日から

1年6月経過後にされるのでしょうか?
A:はい、あまりに長期を認めると重複投資等を招いてしまうからです。

Q:それじゃあ、1年6月じゃなくてもいいじゃないですか。もっと早く公開した方がいいんじゃないですか?
A:失礼しました。優先権を考慮したためです。

Q:優先権を考慮とは?
A:はい、優先権証明書の提出期間が1年4月ですので、それとの関係を考慮したものです。

Q:それじゃぁ、1年4月でいいじゃないですか?
A:失礼しました。公報発行の準備期間を考慮したためです。

Q:それじゃぁ、2年でもいいんじゃないですか?なぜ1年6月にしたのかですよ?
A:(なんでこんなに食いついてくるんだろう?) 失礼しました。あまりに長期を認めると出願人に不利益があるからです。(最初と同じような事を言ってしまう。)

Q:う~ん…。じゃあ、このぐらいにして次行きます。(けげんな顔)
A:はい…。(帰り道に気付いたのだが、どうやら諸外国との調和を答えさせたかったのだと思う。)

Q:それでは次の質問です。出願公開請求は誰が請求できますか?
A:はい、特許出願人です。

Q:そうですね。それでは次の質問です。それでは、なぜ出願公開請求できる者を出願人に限ったのですか?
A:はい、補償金請求権を早期に確定させるためです。

Q:第三者が出願公開請求しても補償金請求権を早期に確定できるんじゃないですか?
A:第三者が出願公開請求すると出願人の不利益となるからです。

Q:う~ん…。まぁ、いいでしょう。(不満そうな顔)
A:はい…。(結局何を答えさせたかったのか未だに分からない。)

Q:それでは次の質問です。出願公開請求を認めた趣旨は何ですか?
A:はい、補償金請求権を早期に確定させるためです。

Q:例えばどんな場合に補償金請求権を早期に確定させたいのですか?
A:はい、出願に係る発明を第三者が実施してしまっているような場合が考えられます。

Q:いいでしょう。それでは次の質問です。出願人が2人以上の場合、出願公開の請求は単独できますか?
A:いいえ、全員が共同でする必要があります。

Q:それでは、特許法は以上です。
A:ありがとうございました。(本当は、「それはなぜですか?」という質問が来て「14条の不利益行為にあたるから」と答えたかったのですが、そういう質問は来ませんでした。)

<感想>
最初の方の質問でかなり時間を費やしてしまいました。最後の質問の時に「それでは最後の質問です。」という言葉が無かったので、果たして最後の質問まで辿り着いているのかかなり不安でした。でも他の人の再現を見てみたら最後の質問まで辿り着いていたようなのでなんとかなったと思います。ベルは1回しか鳴ってないと思います。「C」はつかないと思います。





【意匠法】



<試験官>
主査が女性で、副査が男性でした。主査も副査も優しそうな感じでした。

<総括質問>
Q:特許、意匠、商標でどの科目が一番お好きですか?
A:もちろん「意匠」が一番です。

<出題概要>
部分意匠、3条の2、9条



手元には
コーヒーカップの全体意匠(イ) (全体が実線)
(イ)の取っ手部分の部分意匠(ロ) (カップ部分が点線で取っ手部分が実線)
(イ)のカップ部分の部分意匠(ハ) (カップ部分が実線で取っ手部分が点線)
(ロ)と類似の取っ手部分の部分意匠(ロ’) (カップ部分が点線で取っ手部分が実線)
の絵が描かれた紙が置いてある。



Q:意匠法は事例問題です。
A:宜しくお願いします。

Q:最初の質問です。意匠法3条の2はどのような規定ですか?
A:はい、後願の出願後に掲載された先願の願書、願書に添付した図面、写真、ひな形、見本の一部と同一である後願は意匠登録を受けることができない旨が規定されています。

Q:そうですね。それでは、手元の資料を見て下さい。
A:は、はい…。(言ってる途中で、「20条3項、66条3項の規定により意匠公報に」という文言が抜けているのに気付いたのだが突っ込んでくれず、言い直したかったのに言い直せなかった…)

Q:(副査から)ちょ、ちょっと待って!同一だけ?
A:失礼しました。同一又は類似です。(こっちの文言は言ってる途中では間違いに気付いてなかった)

Q:それでは手元の資料を見て下さい。(仕切り直し)
A:はい。

Q:意匠(イ)が先願で意匠(ロ)が後願の場合、(ロ)はどうなりますか?
A:はい、(イ)の一部と同一ですので3条の2で拒絶されると思います。

Q:もう1つ関連する条文はありませんか?
A:はい、9条があります。

Q:9条はどうですか?
A:はい、全体と部分では登録を受けようとする方法・対象が異なるので9条では拒絶されません。

Q:それはどこに書いてありましたか?
A:はい、えっと~…、審査基準です。(書いてある場所として真っ先にY塾のレジュメが思い浮かんだのだが、無難に審査基準と答えた。)

Q:条文の文言で何か無いですか?
A:(あっ、そういうことか!) 失礼しました。全体と部分では9条の「同一又は類似の意匠」に該当しないため9条の適用はありません。

Q:そうですね。(ニコニコ) それでは次の質問です。意匠(ロ)が先願で意匠(ハ)が後願の場合、(ハ)はどうなりますか?
A:はい…、え~、9条の適用は無いと思います。(3条の2の適用があるかどうか分からなかったのでとりあえず9条で時間稼ぎ。)

Q:3条の2はどうですか?
A:はい、え~、3条の2は…。(今考えると簡単な事なのだが、しばらく答えに詰まってしまった。)

Q:(副査から)3条の2は、どことどこを比べるの?
A:(思い出した!ナイス助け舟!) 失礼しました。3条の2は、先願(ロ)の点線部分を含めたコーヒーカップ全体と比較しますので、後願の意匠(ハ)のカップ部分は、先願(ロ)の点線を含めたコーヒーカップ全体の一部と同一ということで3条の2で拒絶されます。(普段ならすぐに分かる簡単な事もなぜか突然分からなくなってしまうのは口述試験の怖い所。副査の一言に助けられました。)

Q:そうですね。それでは、最後の質問です。意匠(ロ)が先願で意匠(ロ’)が後願の場合、(ロ’)はどうなりますか?意匠(ロ)と意匠(ロ’)は類似するものとして考えて下さい。
A:はい、後願(ロ’)の取っ手部分は、先願(ロ)の点線部分を含めた全体の一部と類似ですので、3条の2で拒絶されます。

Q:9条はどうですか。
A:失礼しました。先願の部分意匠(ロ)と後願の部分意匠(ロ’)は、類似しますので9条でも拒絶されます。

Q:はい、それでは意匠法は以上です。
A:ありがとうございました。(結局最後の場合、3条の2と9条の両方で拒絶?自分の中であまりよくわかってないままあっさり終了しました。)

<感想>
副査の助け舟に2度助けられました。(1度目は、助け舟というか突っ込みか?)終始和やかな雰囲気で進んだと思います。ベルは終わる寸前に1回なりました。「B」以上は確実だと思われます。





【商標法】



<試験官>
男性2人でした。2人共、優しそうな方でした。

<総括質問>
Q:ほう、選択科目は民事訴訟法ですか。
A:はい。(何か問題でも?)

Q:合格後は、どちらの実務に進まれるおつもりですか?
A:もちろん「商標」の実務です。

<出題概要>
3条1項5号、3条2項



手元には
「TS」とアルファベットが普通にならべて記載(図1)
3条1項5号の審査基準にあるTとSがからまったモノグラム(図2)
の2つの標章が描かれた紙が置いてある。



Q:それでは、商標法についてお伺いいたします。
A:宜しくお願いします。

Q:手元の資料をご覧になって下さい。(図1)は、登録されますか?
A:いいえ、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなりますので3条1項5号で拒絶されます。

Q:なぜ拒絶されるのですか?
A:はい、自他商品の識別力を有さないからです。

Q:なぜ、識別力を有さないのですか?
A:はい、きわめて簡単でかつありふれた文字のみからなっているからです。(さっきと同じ事言ってるような…。)

Q:それは、おっしゃる通りなんですけど。う~ん…、そういう文字は普通どのように使われますか?
A:(言ってる意味がよくわからない。)はい、え~…、(自信なさげに)識別力を有さない態様で使われます…。

Q:だから、識別力を有さない態様とは?(副査がイライラしている)
A:はい…。(かなり自信なさげに)成分表示とか商品説明とかでしょうか…。(半分意匠と混ざってる。)

Q:まぁ、そういうことですよ。(えっ?合ってるの?)
A:はい、失礼しました。(家で調べてみると「ローマ字の1字2字は取引上商品の記号・符号等として一般に採択、使用されているので3条1項5号に該当する」と書いてあった。そっかぁ~、記号・符号かぁ~…って、知らないっちゅうねん!)

Q:それでは、次の問題に移ります。(図2)は登録されますか?
A:いいえ、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる標章とは言えないため3条1項5号に該当せず、登録されると思います。

Q:それはなぜですか?
A:(だから言ったじゃん!) はい、きわめて簡単でかつありふれた文字のみのみからなるわけではないからです。

Q:そうではなくて。
A:はい、え~…、図案化されているからです。

Q:まぁ、そうですね。(仕方なしといった感じ) 
A:はい、失礼しました。

Q:それでは、次の質問です。他に3条1項5号に該当する例を挙げて下さい。
A:はい、数字の1文字2文字などが該当します。

Q:他には?
A:はい、丸や四角などの図形が該当します。

Q:まぁ、いいでしょう。それでは、次の問題です。3条1項5号に該当する商標はどのような場合でも登録を受けることはできませんか?
A:いいえ、3条2項の適用を受ければ登録を受けることが出来ます。

Q:そうですね。それでは、3条2項の適用を受けるためにはどうすればいいですか?
A:はい、使用により識別力を有するようになった事を証明する書面を提出する必要があります。

Q:どのような書類で証明しますか?
A:はい、商工会議所の証明書、仕切伝票、カタログや広告などです。

Q:(副査から)カタログを提出すれば登録受けられちゃうんですか?
A:(急に副査が食いついてきたので、いきなり何?とか思いながら) いいえ、カタログや広告などでの宣伝回数を証明する必要があります。

Q:(副査)そうですよねぇ~。ただカタログを出しただけじゃ、識別力を有したかどうかわかりませんよねぇ~。(副査なぜか満足そう)
A:はい、失礼しました。

Q:それでは、最後の質問です。3条2項の適用を受けて(図1)の商標を出願する際に注意すべき事はありますか。
A:(「TS」とただ普通のアルファベット文字が書かれているだけなので、なぜか標準文字のことを思い出す) はい、標準文字で出願する場合は、その旨を記載する必要があります。(完全にアホでした)

Q:・・・(主査、副査共にア然) 3条2項ですよ…。
A:(ここで間違いに気付く。) 大変失礼しました。使用商標と出願商標は物理的同一である必要があります。(アホな間違いを挽回すべく必死で訴える。)

Q:(副査)ビックリしましたよ。標準文字なんかにしたら3条2項の適用なんか受けれませんよ。(笑)
A:大変失礼しました。(アホな間違いにかなり冷汗をかいたが、主査、副査共に笑っていたので致命傷にはなっていない模様。)

Q:それでは、商標法については以上です。
A:ありがとうございました。

<感想>
「記号・符号」という言葉は全く出てきませんでした。しかも、最後にミスりました。でも主査も副査も優しい方だったのでなんとか「C」は免れたと思われます。ベルは1回しか鳴ってないと思います。






<全体の感想>
問題自体は難しくありませんでした。細かい条文の文言も突っ込まれませんでした。しかし、かなり細かいところまで口述対策してきた俺としては、問題が難しくなかったのは、良かったのか良くなかったのか…、なんとも複雑です。
問題が難しくなかった代わりに、過去問がほとんど出ませんでした。
そういえば条文を1回もひかずに終わりました。条文をひかなかったので時間をロスしなかったためか、途中で答えに詰まりながらも、各法とも、ベル1回程度の短時間で最後の問題まで答えきることが出来ました。
オール「B」といったところでしょうか???
しかし、こうやって再現してみるとそんなに難しい事聞いてるわけではないんですね。でも、あのプレッシャーの中、即答だと答えられないのが、口述試験の難しいところです。
これから受けられる方、頑張って下さい。



    

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