過去の旅の記録 こんな時もあったのね~
1993年 5/10 ~ 5/11
これから何ヶ月になるかわからない旅に出る
資金が底をついたときが旅の終わりである
旅先で何を見 何を聞き 何を求め 何を探し 何を得るのか
コンセプトは何も持たないことにした
何も見なくとも 何も聞かなくとも 何も求めなくとも
何も探さなくとも 何も得ることがなくとも
何かは残るだろう・・・
ただ日本全国津々浦々を訪ねてみたい
その思いの強さだけがあった・・・
ただひとつ各地の主だった神社には挨拶がてらお参りしたい
こう見えても日本の八百万の神々さまが大好きだから
日本の神さまは 一神多神即汎神・・・
つまり八百万の神々さまも元はひとつ・・ということなのだが
ああ それと高速道は利用しない・・・
経済的な面からもこれは鉄則
そんな身勝手な思いを家人にぶつけて
GOサインをもらったときにはもう心は遥か彼方に飛んでいた
その頃はCADなどやっていて金型の製図を描く職に就いていたのだけど
即辞めた
出発までに1ヶ月ほどの準備期間を持つ
自分の中では出雲の国を起点とすることに決めていた
中津川からひとりになりそれまでの経過を振り返りながら
熱田神宮へと向かった
ひとりになった心細さや淋しさよりも
この先何があるかわからない期待のほうが大きくて‘夢見る夢子’になっていた
二日目の夜は三重の湯の山温泉に泊まる
翌5月11日御在所岳のロープウエイで登山
やや高所恐怖症気味なのでまともに下を見ることが出来ない
風が強くゴンドラが揺れるスリルをヒヤヒヤ味わいながら山頂の駅へ着く
見晴らしがよく散策などしてしばらく天上に遊ぶ
下ってからこの地で懇意にさせていただいている方のところを訪ねた
とても気のいいご婦人でいつ訪ねていっても
心のこもったもてなしをしてくださる
(このところお会いしてないけどお元気だろうか・・・)
その日のうちに琵琶湖へ向かい今津から若狭へ出て
舞鶴 宮津を走ったところで日も暮れて来た
この日の宿は特に決めていなくて適当なところに車を止めて寝るつもりでいた
探して走っているうちに経ヶ崎という奥丹後半島の突端に出た
そこの駐車場で一晩過したのだが・・・
翌朝駐車場のトイレで洗顔を済まし昨夜のことを考えてみた
愛車の中はフカフカしたベッド(?)がしつらえてあるので寝るには十分なのだが
足を伸ばしきれないのが難点
就寝してからどのくらい経ったかわからない頃
車の周りを駆け巡るように
ヒヒヒヒヒ・・・
ケラケラケラ・・・
という人のものとも思えない気持ちの悪い笑い声が飛び交った
思わず身を固めたがそれ以上何事も起こらなかった
いったい何だったのだろうといくら考えても答えはわからない
とにかく旅を続けよう
後にも先にもオカルト的な出来事はこれ一回だけだった
2003年6月8日(日)記