過去の記録を繙いていたら出雲の旅でのことが思い起こされた
家を出てから5日目に出雲に着く
途中、彼方へふらふらこ此方へふらふらののんびり旅
山陰に入ると当時でもまだ珍しい道の駅というものに出会う
国道9号線には何ヶ所か点在していてとてもありがたかった
下記は出雲での記録を拾い出したもの
当時の写真を1枚だけ・・・
1993年5月12日~13日
明日はいよいよ出雲に入る・・・もう寝よう
今にも雨が降り出しそうな蒸し暑い朝8時に出発
一目散に出雲を目指す
途中八重垣神社の案内板に導かれて訪ねてみると
小さいながらも立派なお社が建っていた
ここはスサノオノミコトとクシナダヒメが新婚生活を営んだ場所でもある
出雲は神話の国・・・いつか行ってみたいと思っていた国
なんか空気が違う・・・
神社の前にお土産屋さんがあり「コーヒー」とあったので注文すると
「あなたはコーヒーよりお抹茶でしょう」といきなり言われた
確かにお抹茶は大好きだ
「お抹茶もあるんですか それじゃあお抹茶お願いします」
話し好きな人で出雲の神話についてあれやこれやと自分の見解を話してくれた
そのうち地元郷土史家を名のる人たちが現れ面白い話を耳にする
大黒さまが足下に敷いているものあれは米俵ではなく大麻だそうな
大黒さまはブータンから来た人だから色が黒く
それで大黒さまと言われるようになったんだそうな
でもこの説は学界のえらい人たちに揉み消されてしまったそうな
その人が言うには
学者たちのこれまでの学説が覆されるから困るからだそうな
出雲の国(島根)は虚構の国だそうな
権力者側の都合にいいように創られた歴史の国だそうな
島根の人間は本心を言わず根回し上手とのこと
元○○のTさんのことを例に出して話がなかなか面白い
因幡の白兎の話でも
あれは稲作の話を脚色したものだそうな
大黒さまの大きな袋の中身は稲の種であったそうな
兎が皮をワニに剥がれたというのは米が取れなくて不作で苦しんだということだそうな
真水で身体を洗えというのは米作りのための水は塩水ではなく
真水でなければならないとの教えだそうな
郷土史家の人たちの話は尽きることがなく面白く
後ろ髪引かれる思いで後にした
お店の人に教えてもらった神魂(かもす)神社へ
とても気持ちのいい空間がそこにはあった
いろんな神社へ行くのはこの空間に浸りたいがため
その気の流れを感じたいがため
いまはそんな思いにさせてくれる神社が少なくなったような・・・
後年このお店を訪ねてみたら荒れ果ててしまっていて
当時の面影もなく周りの空気もカサカサしていた
時の流れに無常を感じた瞬間・・・ ( 2003年6月 記 )