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「9・8衆院解散」情報まで浮上の石破おろし政局最終盤 自民お家騒動に国民が巻き込まれる!?

2025-09-08 | いろいろ



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中山知子 取材備忘録 「9・8衆院解散」情報まで浮上の石破おろし政局最終盤 自民お家騒動に国民が巻き込まれる!?


  


 石破茂首相の進退につながる自民党総裁選を前倒しするか、しないか問題の結論が、明日9月8日に決着する。そのタイミングが近づくに従って、本当に総裁選前倒しが実現した場合、石破首相は、総裁選前倒しの是非を自民党員だけでなく国民全体に問うとして、衆院解散・総選挙に踏み切るのではないかという警戒感が急速に強まっている。

 身内の問題を身内で解決できないから国民に信を問うというのは、どう見ても「奇策」。これまでは、前倒しに動く自民党議員や地方組織に向けた「けん制」の意味合いと受け取られていた。ただ、さすがにちゅうちょするだろうとみられた政権を支える政務三役メンバーからも公然と前倒し実施要求が相次ぎ、閣僚(麻生派の鈴木馨祐法相)にも拡大。地方組織でも前倒しを求める声が増えており、5日ごろから「前倒し実施は不可避」との観測も、出始めている。

 そうした流れに呼応するかのように、石破首相が衆院解散に踏み切るのではという見方が、現実的な日程などをもって語られ始めた。5日以降、永田町では「9月8日に首相が解散表明、16日公示、28日投開票」「9月30日公示、10月12日投開票」など真偽不明の日程情報まで、飛び交っている。「情報戦」の一環なのか首相の本心なのかは、まだ見えない状況だ。

 ただ6日夜には、「菅おろし」の末に自ら身を引いた菅義偉元首相と、「ポスト石破」の1人小泉進次郎農相が、夜の総理公邸を訪れ、特に進次郎氏とは1時間以上「サシ」となったこともあり、緊張が走った。進次郎氏はこれまで解散論に否定的な見解を示してきたが、石破首相の進退を含めた今後に向けた話し合いが持たれたことは、想像に難くない。一方、野党からも、立憲民主党の野田佳彦代表や国民民主党の玉木雄一郎代表が衆院解散の可能性に触れた発言をしている。「解散する場合、石破首相は何を大義にするのか。頭の中で、勝機に向けたシミュレーションが本当に成立しているのか。ただ『暴走』しているだけなのではないか」。自民党関係者も首をひねる動きが見え始めてきた。

 だれもが納得する「大義」のない解散は今まで、なくはなかったが、自民党の単なる党内抗争が発端で信を問うという発想は、相当荒っぽい。石破首相が先月24日に会食した小泉純一郎元首相が2005年8月に衆院解散に踏み切った際も、持論の郵政民営化を争点にすることに批判もあったが、まがりなりにも政策の信を問う選挙だった。石破首相が今回のような解散をすれば、「自民党は分裂してしまう」との声も懸念も耳にした。

 一方、一貫して「前倒しなら解散」と訴えてきたのが、今年6月に23年ぶりに自民党に復党した鈴木宗男参院議員(77)だ。党内の激しい権力闘争が時に激しさを極めた時代の自民党を知る立場。北方四島支援などをめぐる疑惑などで2002年に離党するまでは党や政権の中枢におり、さまざまな権力闘争を見聞きし自身も巻き込まれた人物だ。2日に両院議員総会で参院選の総括がまとまった後、話を聞いた際も「自信を持って解散に打って出るように、その心意気でやっていただきたい」と訴えていた。

 宗男氏は、国民に問う場合の争点を「(現在の)自民党政権でいいかということ。100万人の党員で総裁を決めるなら、堂々と総選挙をやって国民に信を問うのがいちばん公明正大だ」と述べ、「密室で何かやっているのではないかといわれかねないような動きがある」と、「石破おろし」の別の側面を批判。前倒しに続々と動く中堅、若手の動きを念頭に「若い人は簡単に総裁選というが、本当の修羅場やのるかそるかの経験があるのか。ちょっと私は、甘いなと思う。そんなに、この世界は甘いものではない」と主張し「自民党は変わっていない。派閥解消といっても派閥単位で集まり、多数派工作をやっている。それを国民は分かっており、それならそれで総選挙で信を問うた方が公明正大だ」と訴えた。

 「総裁選より解散」は、これまで宗男氏が表立って訴えてきた持論だったが、石破首相も現実的に模索しているのではないかとの見方が、浮上してきた。世論調査での内閣支持率が下落していないことも、強気の背景にあるとみられる。石破首相は首相就任前から、就任直後の所信表明演説でも、かつて師事した渡辺美智雄元副総理の言葉を繰り返してきた。「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語る」というもの。慶大時代に全日本学生法律討論会で優勝した経験もあり、「政治家は言葉が仕事」が持論の石破首相だが、総裁選前倒しの意思確認の動きに至るまでに、その言葉が「身内」に刺さった形跡はないし、自分の思いを国民に伝わる形で公で語る場面もほぼなかった。

 公になったうちの言葉の1つが、2日の党両院議員総会で口にした「地位に恋々とするものでも、しがみつくつもりもまったくない」「しかるべき時にきちんとした決断をするということが私が果たす責務」というフレーズ。ただ、これが、明確な覚悟として伝わらなかったことも「前倒し」要求加速の一因になったと感じる。

 参院選から1カ月以上が過ぎ、物価高に苦しむ国民の声に政治が何も応えないばかりか、自民党の「お家騒動」が原因で解散に発展したケースとなれば、歴史に残る「悪手」と指摘する向きもある。「石破おろし」は自民党だけでなく、国民まで巻き込んだ動きに、本当になっていってしまうのか。結論はまもなく出る。その時石破首相は、何を語るのだろうか。

【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)



◆中山知子 (なかやま・ともこ)
  1992年に日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。小泉純一郎首相の北朝鮮訪問に2度同行取材。文化社会部記者&デスク、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスクを経て、社会/地域情報部記者。福岡県出身。青学大卒。
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