先日、近鉄1620系が更新し、標識灯と前照灯の場所が移設(交換)されたことが話題になりましたが、そういえば他社はどうなんだろうと。
最近、投稿が少なめなので、他社の標識灯について見ていきます。
※近鉄1620系更新車の写真は撮影していないので出てきません。気になる方は「近鉄1623F 標識灯」とかで検索してみてくださいね。
そもそも標識灯とは「通過標識灯「急行灯」などと言われ、駅や信号扱所や昔たくさんあった有人踏切の踏切警手などの関係者に、列車種別を区別させるために点灯させる白色灯のことを指します。
なお標識灯は列車に掲げます。
列車とは駅外の本線を運転させるために組成された車両を指します。
つまり、駅内での入換、車庫の入出庫は単に車両と指します。
この標識灯は特に関西私鉄に多く見られます。
列車前面に2つ配置され、標識灯の点灯パターンにより普通から特急や回送列車などの列車種別を表示します。
例えば2つとも消灯ならば普通列車、両方点灯なら特急列車などと区別されます。
また消灯、両方点灯(以下標識2灯)の他、準急や急行列車を区別する片側の点灯(標識1灯)する社局もあります。
※標識1灯や2灯の言い回しは各社で異なると思いますが、説明の便宜上、前述の表記で説明します。
昼間など明るい時間には点灯を省略し消灯することもありますが、関西私鉄各社の標識灯を見ていきましょう。
まずは阪神電車
5550系などは普通車用ですが、回送列車は点灯しますから少し見慣れない面持ちですね。
回送列車は駅を通過する場合があります。このため点灯します。
阪神電車は急行列車でも標識2灯ですね。
また阪神なんば線開業前は準急列車が本線を走行していましたが、この時は列車前面に対して右側のみ点灯します。
なお近鉄直通で準急や区間準急列車が阪神線に乗り入れますが、阪神線内各停なので標識灯は点灯しません。(桜川駅で乗務員交代時に消灯しているようです)
山陽電車
写真の6000系は最近、直通特急や特急列車に充当することもなくなったように思いますが、営業列車ではS特急列車で点灯する姿を見ることができますね。
また高速神戸から新開地を回送、新開地から普通列車として営業する場合、高速神戸~新開地に駅がないので標識灯は点灯しません。
以前は急行列車なども運転されていました。これは標識1灯を表示します。
現在でも車両の標識灯スイッチを操作することで標識1灯を点灯することができますが、イベント時しか見られません。
京阪電車
写真は本線ではなく京津線600系
京津線(大津線)は普通列車しかありませんから標識灯は点灯しません。
しかし併用軌道走行などの視認性向上のためか、夕方や夜間は普通列車でも標識2灯を見ることができます。
また回送時、大津線では優等列車は準急相当で本線と異なり標識1灯を表示します。
南海電車
写真の8000系 点灯状態が分かりにくいですが、普通列車なのに左側が点灯していますね。
和歌山市~なんばを結ぶ、南海線では今宮戎駅と萩ノ茶屋駅はホームがなく「普通」でも通過となります。
この2駅の乗降は高野線の「各駅停車」を利用することになります。
このため駅を通過する南海線「普通」には標識1灯が点灯します。
また元々南海電車の和歌山電鐵の普通列車も標識1灯が点灯しています。
近鉄電車
路線距離や車種が豊富で、通勤形電車から写真のような22000系などの有料特急が走っていますね。
他社と相互乗り入れを行っていますが、京都市営地下鉄の車両も急行列車に充当するので標識灯を有しているのが特徴ですね。
なおOsakaMetro中央線と相互乗り入れを行う けいはんな線は普通列車しか運転していないので標識灯を有していません。
回送列車で駅を通過する場合もありますが、標識灯は設けていないんですね。
阪急電車
淡路駅で堺筋線66系と3300系が並んでいますね。
前述の京都市営地下鉄のように66系は急行列車などに充当しませんが、回送列車などで標識灯点灯の姿を見ることができます。
乗り入れ会社に合わせた取り扱いのため、自社では標識灯を使用しないのに、標識灯を有する車両が独特ですね。
能勢電鉄
現在活躍車両の全てが阪急電車から譲渡される車両で、阪急の色が濃く残っていますね。
写真の1500系 1550Fは能勢電気軌道1型の復刻塗装 後ろの青と白 1560Fは50型の復刻塗装です。
現在の優等列車は阪急から直通する「特急 日生エクスプレス」のみで、回送列車を除くと能勢電鉄の列車が標識灯を使うことがありません。
しかし「特急 日生エクスプレス」が阪急線運休時など「日生急行」として列車の特発(別列車を仕立てる)することがあります。
「日生急行」が定期列車として運転されていた2017年3月18日ダイヤ改正以前、社線の停車駅は同様でした。
この場合、列車種別は「特急 日生エクスプレス」でも急行列車として標識1灯を表示します。
神戸電鉄
写真は3000系 粟生線では消滅した急行列車
急行や準急、回送列車は標識1灯で、標識2灯の列車は朝ラッシュに運転される特快速列車のみです。
以前は標識2灯の列車は特急や快速列車がありました。
急行列車より快速列車の方が停車駅が少ないのも神戸電鉄ならではないでしょうか。
最後に神戸市営地下鉄
8月18日にダイヤ改正のもって写真の1000形や元北神急行7000系が引退します。
現在は普通列車のみですが、1993年7月9日から1995年1月16日まで快速列車が存在し、その名残として標識灯が5000形,6000形以外の交通局の車両に残っています。
相互乗り入れする北神急行7000系は快速運用に入らなかったので、標識灯は存在しない、他社との形態差が特徴です。
阪急神戸線と相互乗り入れが計画されていましたが、沿線の人口減少など「投資に見合う効果を見込めない」ということで、計画白紙になりました。
もし乗り入れることがあれば、6000形にも標識灯が設置されるかもしれませんが、現状はなさそうですね。
関西私鉄では、こんなところと思ってるのですが、見落とししていていたり、間違ったことを書いたりしてたときはご指摘お願いします。
標識灯一つとっても、各社それぞれ面白いですね
併用軌道の関係からか本線系統と扱いが違うみたいなので取り上げさせてもらいました。