SWORD中央ラボ分室

『アストロミゼット』HPブログ出張版
自企画の紹介が主ですが「小サイズ可動フィギュア」の可能性も広く研究しています。

【フォトストーリー】アーリータイプ編・1(1998年1月~2000年11月)

2007-04-11 05:22:34 | Photo-Story
世界各地に支社を持つ巨大企業『ディアボロスエンタープライズ』…工業機器の製造販売から福祉活動にまで多岐に亘る総合産業を謳うこの超国家企業は、その裏で軍需産業を手がける闇の顔を持っていた。
20世紀がまもなく終わりを告げようとしていた頃、ディアボロス日本支社内の1セクション、兵器の開発を行う部署においてある計画が進められていた。
それは物品に宿る未知の生命体『ミゼット』───人間を超える高い能力を有したこの生命体の力を兵器に利用せんとする『マテリアル・ソルジャー計画』と呼ばれるものである。
『マテリアルソルジャー計画』とは、管制下においたミゼットの因子を玩具に組み込み、敵対国に輸出することによって兵力や工作員として潜入させようとするものである。
そのため予てより日本支社では各地からミゼットが宿っていると考えられる物品を回収し、その中から『ミゼット因子』と呼ばれる生命の素を摘出していたのである。

因子は管理者が自由にコントロールできるようその中から「人格」や「記憶」に関する部分を排除し、元ある「身体」の構成要素と共に切り離され「生命」や「能力」に関する要素のみを抽出され組み込まれることとなる(この技術は本社より出向してきた「使い魔」あるいは「ブラッディー」なる人物によってもたらされたものだという)。
計画は一見順調に思えた。が、その素体となるフィギュアの生産体制が整いつつある一方で、肝心の生命がどういうわけか活動を開始しない状況が続いていたのである。
そんな中社内より離反者が現れる。マテリアルソルジャーの基礎理論研究者の一人であるコマオウ教授はミゼットの軍事利用に対する危機感を抱き、その生命因子を封じ込めた赤い粒子と、残りの廃棄される予定であった青い粒子を持ち出し姿を消したのであった。

数ヵ月後の嵐の夜、『ベータダインエンタテイメント』の本社ビルに瀕死の状態のコマオウ教授が転がり込んでいた。
間も無く息を引き取ったコマオウ教授によって持ち込まれた赤と青の粒子は、その後β社開発部に招聘されたサイバネティック工学の権威ハラ教授によってその分析が進められてゆく…。

『ベータダインエンタテイメント』───通称β社は表向きこそ大手玩具会社であるが、その中に高度文明科学を研究する部署が設けられていた。
二つの粒子が『ミゼット因子』であることを突き止めたハラ教授を中心とする研究グループはその修復を試みる。だが本来宿っていた母体となる物品から切り離され、しかも生命と精神、身体等の各構成要素をバラバラにされていたこれらの因子を元の状態に戻すことなど、到底可能なことではなかった。
また生命の粒子もその状態ではおぼろげな光の形でしか現れることができず、しかも密閉された試験管の中でしかその形を維持することができなかったのである。
研究の末、ハラ教授は一つの結論に辿り着く。

「彼らに精神の容れ物である肉体を作ってやる必要がある」…と。

彼らは知る由も無いが、勿論それだけでは生命が目覚めることはできなかった。が、ハラ教授はかつて研究していた謎の記録データ『D-ファイル』に併せ、錬金術・魔術・鬼道といったオカルティックな分野から科学的考証の成立する部分を導き出し、物品に精神を作用させることのできる小型のサイバネティックボディーの開発を立案する。
ここにミゼット因子の復活プロジェクト『ベータミゼット計画』が動き出したのである…!

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