英国のレーベル「アモン・ラ(Amon Ra=エジプトの神の名)」は歴史的楽器を用いた録音の宝庫で、ピアノ関連でもいくつかの魅力的なリリースがある。セイディスク(Saydisc)の一部門をなす弱小レーベルだが、アイテムを容易に廃盤にしないのがいい。
写真のアルバムのピアニストはいずれもリチャード・バーネット。ケントにあるフィンチコックス・コレクション所蔵のさまざまなピアノが使われている。曲とピアノの関連づけがなされており、ジョン・フィールドの作品はロンドンのクレメンティ製、シューベルトはヴィーンのグラーフ製のピアノで聴くことができる。またハイドンが愛用したスクウェア・ピアノ(4オクターヴ半)やクレメンティのキャビネット・ピアノ(アップライト型6オクターヴ)など、比較的珍しいものもある。楽器の保存状態もよい。
The Golden Treasury of Historic Pianos
Richard Burnett plays historic pianos by Rosenberger, Fritz,
Clementi, Erad, Broadwood, Henschker, Walter and Graf
-Recorded 1977-91
Amon Ra CD-SAR 64
The Romantic Piano
Richard Burnett plays historic pianos by Broadwood, Graf,
Fritz, Rosenberger, Collard and Clementi
-Recording date unknown
Amon Ra CD-SAR 67
登場する作曲家はほかにモーツァルト、ベートーヴェン、ヴェーバー、ゴッチョーク(ゴットシャルク)、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、ブラームスなど。ソナタの場合は一楽章のみだったりするが、『子どもの情景』は全曲が収められている(写真右)。これはグラーフが用いられ、ブックレットには製作者グラーフとシューマン夫妻とのエピソードが紹介されている。読んでも面白いアルバムなのである。
左のアルバムは曲によってフルートやクラリネット、弦楽四重奏が加わる。既出の室内楽アルバムからの抜粋らしく、それらももちろん古楽器のみによるアンサンブル。イアン・パートリッジの歌うベートーヴェン歌曲まであり、ローゼンベルガーによる歌伴が聴ける。
使用したピアノはすべて写真を掲載。今みたいな黒いピアノはひとつもない。ピアノはまだ工業製品ではなく、工房で職人たちが一台一台シコシコ作っていたのだと感じさせる。木目の活かされた温かみのある工芸品といったおもむき。そんな写真を眺めながら200年ほど昔の音色が楽しめる。
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