オールドレーシングカー談義

1950~1970年代のレーシングカー、その他のマシーンについて語り合うブログです

ラジエーターこのいまいましきもの

2009-02-05 | log・レーシングカー他

 前回、ゴードンマーレイのコンパクトなラジエーターシステムの魅力(大袈裟ですが)を述べました。私が、ラジエーターが無いマシンのシンプルさに引きつけられたのは、1967年STPスペシャルです。そんな人たくさんいるでしょう。ラジエーターグリルというものが、いかに邪魔なものかと思いました。1968年にはチャップマンが2番目のSTPタービンカーの製作を引き受けます。チャップマンもラジエーターの無いマシンの斬新さに魅了されたのでしょう。更に斬新なウェッジシェイプでTYPE56を作ります。ウェッジシェイプそのものは、空力の本質をついたものとは云えなかったのでしょうが、世界中に与えた衝撃は、強烈でした。私もこれほどシンプルで未来的な形に魅了されました。以後、5,6年間のチャップマンは、ピストンエンジンマシンで、TYPE56のフォルムを実現しようとしていただけとも云えます。TYPE72なんて、ラジエーターの持って行き場がなくて、仕方なくサイドに付けたら、その後の定番になってしまっただけの様な気がします。72といえば、これの登場の時、(日本の)AUTOSPORTS誌が前輪のインボードディスク用シャフトを4輪駆動用シャフトと勘違いし(56も4輪駆動)、4輪駆動車としてスクープするという大誤報をやらかしました。その時、雑誌にはさまれていた小さな訂正記事の紙は、いまでも憶えています。レース関係の人間全てにLOTUS56のフォーマットが定番として刷り込まれていたのでしょう。単なる設計者というより、造形デザイナーとしての性格も持っているゴードンマーレイも強いインパクトを受けたのではないでしょうか。南アフリカから英国へ来るころだったと思います。レーシングカーデザイナーへの志を強くしたのでは?

       
       1967年  STPタービンカー



最新の画像もっと見る

コメントを投稿