石川与太読書紀行

ドロップアウト、オーガニック・ブンガク

「薔薇族」編集長

2010-09-15 09:06:49 | エッセイ
「「薔薇族」編集長」伊藤文学・著 2001年


単行本「編集長「秘話」」を文庫化で改題。
ゲイ雑誌「薔薇族」発行人/編集長による回想記。

創刊された1971年は世界的にセックス解禁の機運高まってた時期。そんな機運とカウンターカルチャーが結び付いて「話の特集」売れて、「えろちか」「愛苑」なんかもこの時期に創刊されてた筈。渋澤編集の「血と薔薇」もこの辺りだっけ?
そんな流れの中でも、やっぱ「薔薇族」は出色。そもそも立ち位置が違うのかも。

生い立ちから始まり創刊、月刊化、発禁、休刊から復刊・・・とてもドラマチックだけど、どのエピソードも急ぎ足なのが残念。じっくり語り尽くしてほしかったけど、そうなると読み手の間口狭めてしまうのかも。
そんな中、当時のエイズ・パニックにページ数割いてるのが印象的。エイズ=同性愛セックス、の偏見に対する返答。

当時の記事再録が興味深い。読者投稿に悲哀感じさせる。ノンケのボクにもマイノリティの孤独感は説得力持って迫って来る。恋愛、セックス、結婚の悩み・・・男女に置き換えても、説得力あると思う。

★★★


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