屋根岩4峰南稜神奈川ルート
2016年7月24日
メンバー:Mar、岩ひばり、I間、F見
屋根岩4峰南稜 神奈川ルートに行ってきました。
厳しくも充実のルートでした。

<屋根岩4峰>
昨年、U山さんとKazさんが行った時のブログがあり、読んでみるとセレクションに行こうとして屋根岩4峰南稜神奈川ルートに変更した点は我々と一緒です。
その時のブログはここをクリック
我々は前日にMarさんの参加が決まり、せっかくなので屋根岩4峰南稜神奈川ルートに変更になりました。
急いでU山さんのブログとトポを見ると、フォローでも厳しいルートであることが分かります。
本チャンの練習にはちょうど良いと気を取り直して当日に臨みます。
朝8時半頃、廻り目平キャンプ場の駐車場から屋根岩4峰に向けて出発です。
取り付きと思われる所に着きましたが、Marさんの記憶より汚く見え、周囲の様子を見に歩き周ります。
結局、その場所が取り付きでした。
U山さんのブログに「前衛壁を見上げ・・・10mほどのところに比較的新しいリングボルトを発見し・・・」との記述により判断できました。

<取り付きから上部を見上げる>
MarさんとI間さんペア、岩ひばりさんとF見ペアで登ります。
全ピッチMarさん達が先行します。
ロープは50mのシングルロープを2本。難しそうな所(3P、8P)は先行組のセカンドがロープの中間に、後端に2組目のトップがつながりビレイしてもらいました。
全ルートを通して、カムは2セットあった方が良いです。小さいのはあまり使いませんが、キャメロットの#0.5~3までを多用していたと思います。
#5、6は最終ピッチのために1個ずつはあると安心です。
プロテクションは先行組の物を残してもらい、後続組が使っていきましたので上記のカム数は1ペアに必要な量として読んで下さい。
1P目(5.6) ※グレードは日本100岩場③による
9:30頃。
Marさんリードで登り始めます、ところどころハーケンやリングボルトがありますが基本はNPです。
岩のもろい所があるので注意が必要です。
場所によってはグレード以上に感じますが、慎重に行けば大丈夫でした。

<1P目出だし>
2P目(5.3)
トポでは右にトラバースしてから5.3のルートですが、我々はトラバースせずに直上したと思います。
直上ルートは1P目同様、気の抜けない登りでした。
3P目(5.11cフリー、5.5A1)
最初の核心。
斜めに左上するクラックを登り、ダイク(岩脈)に乗り込んだら2mほど右にトラバース、そこから上に抜けます。
Marさんがリードで苦労しながら登っているのを見ると緊張してきます。
最初のクラックからダイクに移る手前の所とトラバース後に上に抜ける所でスリングのあぶみをMarさんがかけて下さったのでそれを使いました。
自分はこれ以外もプロテクションのある場所ではクイックドローをつかみまくりです。
トラバースは足の置く場所がしっかりしているのですが手を置く場所が花崗岩のスラブです。フリーだと細かいカチや窪みを使いバランスをとりながらトラバースするのでしょうが、振られ落ちが怖くてしっかりクイックドローをつかんでわたりました。
岩ひばりさんが最後にギアを回収しながら登りましたが、かなり難しそうでした。

<フリーで5.11cのフェース。中央部の筋がダイク>


<まずはクラックを左上> <次にダイクをトラバース>
4P目(5.5)
3P目の後だったからか、特に印象は無くグレード通りだったと思います。
5P目(5.8)
自分にはここのクラックの出だしが難しく感じました。
出だしはクラックが少しかぶり気味で、2手目まで足がスラブ。
2手目の足をどうするかが課題で、やってみればそれほど難しくないのですが、気持ちの踏ん切りがつきませんでした。
その後はグレード通りに感じました。
6P目(5.9)
ここの出だしは2mほどのスラブの壁です。
急傾斜なので木に登ってスラブ壁のてっぺんに乗り移ります。
木からスラブ側の足に体重をかけて乗り移る時に手のかかりがあまりなく、スローパーの様に手で押さえつけて乗り込みました。
リードだったので怖さがあり、印象に残っているのだと思います。
その後はNPを取りつつ、グレード通りの登りでした。
見晴らしも良く、気持ちの良いピッチでした。
7P目(5.3)
このあたりは木の生えたこんもりとした台地なので基本は歩きです。
トポではこの台地に入ってすぐ6P目が切られていますが、そこの木は枯れていたので少し歩いて中間部の立木で6P目のビレイをしました。
8P目への取り付きへは3mほどの懸垂となっているようですが、注意して行けば歩いて降りれ、Marさん達先行組は6P目からそのまま8P目の取り付きまで行っていました。
8P目(5.8)
最終ピッチのワイドクラックです。
下部は体がすっぽり入るチムニーですが、その後は体の半分が入る位のオフウィドスです。
日陰で暗いのでこれまでとは雰囲気が変わります。
威圧感があり、ここを登るの??といった感じです。
ここもMarさんがリードで登ります。このピッチの為に担ぎ上げてきたキャメロットの#5,6の出番です。
2番手にパワーのあるI間さんが登ります。ワイドクラックと相性が良いそうで、スイスイと登ります。
自分は苦労して登りましたが、手掛かり足がかりはちゃんとある印象でした。
全員登りきって一息入れ、4峰の頂上に行こうとしましたが意外に遠いのであきらめました。

<下部のチムニー>

<オフウィドスを登ります>
8P目は懸垂で下降します。
懸垂の為と思われるボルト支点が岩の先端に用意されていますが、そこに行って作業するのが危なそうということで、終了点の太い立木から懸垂することになりました。
50mロープを2本つなげば8P目の取り付きまで降りれます。
この太い立木からの懸垂の場合、下降点の岩の先端までロープは5m程ほぼ水平でそこから90度に屈曲します。
最後に降りる人はロープの結び目を岩の先端(2段あります)から下降側に移動しておかないと結び目が岩角に引っ掛かり、ロープ回収で苦労することになります。
また、下部は空中懸垂で立木の間に降りるので、最初に降りる人はロープが木に絡まらないようにロープを落とす必要があります。

<下降点から懸垂前の一枚> <立木の間に降ります>
懸垂後は8P目の取り付きの岩のトンネルをくぐって歩いて下まで降りれます。
1P目の取り付きに戻ったのは16:30頃でした。
気軽には行けませんが、静かで雰囲気も良くて気持ちのよいルートだと思いました。
Marさん、岩ひばりさん、I間さんのおかげで中身の濃い1日を過ごすことができました。
ありがとうございました。
~その他~
夏から秋にかけて蜂が活発になります。
廻り目平にも蜂が飛んでいます。
ご注意下さい。
2016年7月24日
メンバー:Mar、岩ひばり、I間、F見
屋根岩4峰南稜 神奈川ルートに行ってきました。
厳しくも充実のルートでした。

<屋根岩4峰>
昨年、U山さんとKazさんが行った時のブログがあり、読んでみるとセレクションに行こうとして屋根岩4峰南稜神奈川ルートに変更した点は我々と一緒です。
その時のブログはここをクリック
我々は前日にMarさんの参加が決まり、せっかくなので屋根岩4峰南稜神奈川ルートに変更になりました。
急いでU山さんのブログとトポを見ると、フォローでも厳しいルートであることが分かります。
本チャンの練習にはちょうど良いと気を取り直して当日に臨みます。
朝8時半頃、廻り目平キャンプ場の駐車場から屋根岩4峰に向けて出発です。
取り付きと思われる所に着きましたが、Marさんの記憶より汚く見え、周囲の様子を見に歩き周ります。
結局、その場所が取り付きでした。
U山さんのブログに「前衛壁を見上げ・・・10mほどのところに比較的新しいリングボルトを発見し・・・」との記述により判断できました。

<取り付きから上部を見上げる>
MarさんとI間さんペア、岩ひばりさんとF見ペアで登ります。
全ピッチMarさん達が先行します。
ロープは50mのシングルロープを2本。難しそうな所(3P、8P)は先行組のセカンドがロープの中間に、後端に2組目のトップがつながりビレイしてもらいました。
全ルートを通して、カムは2セットあった方が良いです。小さいのはあまり使いませんが、キャメロットの#0.5~3までを多用していたと思います。
#5、6は最終ピッチのために1個ずつはあると安心です。
プロテクションは先行組の物を残してもらい、後続組が使っていきましたので上記のカム数は1ペアに必要な量として読んで下さい。
1P目(5.6) ※グレードは日本100岩場③による
9:30頃。
Marさんリードで登り始めます、ところどころハーケンやリングボルトがありますが基本はNPです。
岩のもろい所があるので注意が必要です。
場所によってはグレード以上に感じますが、慎重に行けば大丈夫でした。

<1P目出だし>
2P目(5.3)
トポでは右にトラバースしてから5.3のルートですが、我々はトラバースせずに直上したと思います。
直上ルートは1P目同様、気の抜けない登りでした。
3P目(5.11cフリー、5.5A1)
最初の核心。
斜めに左上するクラックを登り、ダイク(岩脈)に乗り込んだら2mほど右にトラバース、そこから上に抜けます。
Marさんがリードで苦労しながら登っているのを見ると緊張してきます。
最初のクラックからダイクに移る手前の所とトラバース後に上に抜ける所でスリングのあぶみをMarさんがかけて下さったのでそれを使いました。
自分はこれ以外もプロテクションのある場所ではクイックドローをつかみまくりです。
トラバースは足の置く場所がしっかりしているのですが手を置く場所が花崗岩のスラブです。フリーだと細かいカチや窪みを使いバランスをとりながらトラバースするのでしょうが、振られ落ちが怖くてしっかりクイックドローをつかんでわたりました。
岩ひばりさんが最後にギアを回収しながら登りましたが、かなり難しそうでした。

<フリーで5.11cのフェース。中央部の筋がダイク>


<まずはクラックを左上> <次にダイクをトラバース>
4P目(5.5)
3P目の後だったからか、特に印象は無くグレード通りだったと思います。
5P目(5.8)
自分にはここのクラックの出だしが難しく感じました。
出だしはクラックが少しかぶり気味で、2手目まで足がスラブ。
2手目の足をどうするかが課題で、やってみればそれほど難しくないのですが、気持ちの踏ん切りがつきませんでした。
その後はグレード通りに感じました。
6P目(5.9)
ここの出だしは2mほどのスラブの壁です。
急傾斜なので木に登ってスラブ壁のてっぺんに乗り移ります。
木からスラブ側の足に体重をかけて乗り移る時に手のかかりがあまりなく、スローパーの様に手で押さえつけて乗り込みました。
リードだったので怖さがあり、印象に残っているのだと思います。
その後はNPを取りつつ、グレード通りの登りでした。
見晴らしも良く、気持ちの良いピッチでした。
7P目(5.3)
このあたりは木の生えたこんもりとした台地なので基本は歩きです。
トポではこの台地に入ってすぐ6P目が切られていますが、そこの木は枯れていたので少し歩いて中間部の立木で6P目のビレイをしました。
8P目への取り付きへは3mほどの懸垂となっているようですが、注意して行けば歩いて降りれ、Marさん達先行組は6P目からそのまま8P目の取り付きまで行っていました。
8P目(5.8)
最終ピッチのワイドクラックです。
下部は体がすっぽり入るチムニーですが、その後は体の半分が入る位のオフウィドスです。
日陰で暗いのでこれまでとは雰囲気が変わります。
威圧感があり、ここを登るの??といった感じです。
ここもMarさんがリードで登ります。このピッチの為に担ぎ上げてきたキャメロットの#5,6の出番です。
2番手にパワーのあるI間さんが登ります。ワイドクラックと相性が良いそうで、スイスイと登ります。
自分は苦労して登りましたが、手掛かり足がかりはちゃんとある印象でした。
全員登りきって一息入れ、4峰の頂上に行こうとしましたが意外に遠いのであきらめました。

<下部のチムニー>

<オフウィドスを登ります>
8P目は懸垂で下降します。
懸垂の為と思われるボルト支点が岩の先端に用意されていますが、そこに行って作業するのが危なそうということで、終了点の太い立木から懸垂することになりました。
50mロープを2本つなげば8P目の取り付きまで降りれます。
この太い立木からの懸垂の場合、下降点の岩の先端までロープは5m程ほぼ水平でそこから90度に屈曲します。
最後に降りる人はロープの結び目を岩の先端(2段あります)から下降側に移動しておかないと結び目が岩角に引っ掛かり、ロープ回収で苦労することになります。
また、下部は空中懸垂で立木の間に降りるので、最初に降りる人はロープが木に絡まらないようにロープを落とす必要があります。


<下降点から懸垂前の一枚> <立木の間に降ります>
懸垂後は8P目の取り付きの岩のトンネルをくぐって歩いて下まで降りれます。
1P目の取り付きに戻ったのは16:30頃でした。
気軽には行けませんが、静かで雰囲気も良くて気持ちのよいルートだと思いました。
Marさん、岩ひばりさん、I間さんのおかげで中身の濃い1日を過ごすことができました。
ありがとうございました。
~その他~
夏から秋にかけて蜂が活発になります。
廻り目平にも蜂が飛んでいます。
ご注意下さい。