週刊ねこまみれ

ねこにまみれて暮らしたい。ねこ漬けの日々、日々、日々… 現在休止中です。

ある王女のものがたり

2009-03-22 | ねこにまつわるエトセトラ






<ある王女のものがたり>



むかしむかし、あるところに猫の王国がありました。
猫の王国の王様とお妃様には小さな王女がいました。


小さな王女は空想をするのが大好きで、
いつもまだ見ぬはるか遠い国のことを想ったり
木々でさえずる小鳥たちを見ては、
わたしもあの小鳥たちのように大空高く遠くへ飛んで行きたいと夢見るのでした。



いつも夢見がちな表情で空を見上げてばかりいる小さな王女を
王様とお妃様はたいそう心配されて
小さな王女の気持ちが少しでもまぎれるようにと
王国で1番の舞踏家や奇術師や物語師をお城に集めては
小さな王女を楽しませようと考えました。
そして将来王国にふさわしい王女になれるようにたくさん勉強をさせました。




時は流れ

小さな王女はとても美しく聡明な王女に成長しました。


幼い頃に夢見たことなどもう忘れてしまったのです。


ある日のことです。
王様の元へ、長い旅を続けているひとりの王子が招かれました。

その王子ははるか遠い国々のことを王様にお話しました。

色とりどりの花が咲き、鳥達が歌う一年中ずっと暖かい国のこと。
海に囲まれた小さくて平和な島国のこと。
広い砂漠の真ん中にひっそりと立つ緑の王国のこと…。


王女はパチンという音を聞きました。
それは心の中で何かが弾けたような音でした。


王女は幼い頃の夢を忘れてしまっていたのでしょうか。
忘れてしまったつもりでいたのです。


私も一緒に行きたい。行かせて下さい。


王様とお妃様は一瞬驚いたように顔を見合わせ、そして微笑みました。
世界を見たい… 小さな王女の夢がついに叶ったのでした。




王子と王女はたくさんの子どもに恵まれました。
そして世界中を旅しながら、ずっとずっと幸せに暮らしました。



あなたの隣にいる猫をみてごらん。
宝石のように澄んだ瞳をたたえたあなたの猫が
ときに凛として、気品に満ち溢れているのは
とおいむかしの王家の血が流れているからなのですよ。



実は昨年末には手元に届いていましたが、ご紹介が大変遅くなりました。
登場したのは以前私が足袋ネコさんに作って頂いた黒猫王子
母がお願いして作って頂いた黒猫王女です。
足袋ネコさんから最初に届いたのは成長した聡明で美しい白いドレスの王女。
そしてのちに足袋ネコさんの大切な小さな王女も
我が家に迎え入れることになったのです。

王子や王女達の衣装の質感や細工、澄み切った瞳や品のある色使い。
これらはすべて細部までのこだわりが素晴らしい、
足袋ネコさんの手仕事が集結された作品です。
けれど足袋ネコさんは友禅の技術だけで
この王子と王女を染め上げたわけではありません。
同時に命を与えてくれました。
この子達がどんな風に生まれてきたのか、どんな風に成長したのか
瞳の奥に感じるものがあるのです。
猫王子や猫王女がそこにいるだけで、はてしない物語が始まるのです。


足袋ネコさん、いつも素晴らしい作品をありがとうございます。
これからも楽しみにしています。

足袋ネコさんのHP「猫ゆうぜん」では
足袋ネコさんの友禅作品がご覧になれますよ。
もちろん購入も出来ます^^


そして…
実はこちらも早くご紹介したかった!!!
足袋ネコさんのレターセット

                                             右上 小さな王女もいますよ^^↑

レターセットにプリントされたひとつひとつの傑作を
ぜひ手にとってじっくりご覧になってほしいです。
足袋ネコさんの汗と涙の結晶が
えーーーー!このお値段で…(大泣)

yuraさんrinkoさんのお店、トーティシェルターさんでしか
購入出来ませんよ♪
↓↓↓

↑ぜひご覧下さい^^↑

実は私もちょこっとポストカードで参加させて頂いています^^





今日もご覧頂いてありがとうございました












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22 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ああ、感動。 (ねじっこ)
2009-03-22 18:40:48
ご紹介のお話、息を詰めながら読みました。
……どうなるの?……どうなるの?
わくわく感が素晴らしいですね。
愛らし王女から、美しい姫へ、そして、話し声さえ聞こえてきそうな凛々しい王子。
すずらんさんの上の4行が、いつまでも胸に残ります。彼女の存在感は、こういう場面には実に良くマッチするんですね。
手にした人が物語を紡ぎたくなる作品なんて、そうそうありません。足袋ネコさんの手による猫たちは、たくさんの幸せも運んでくれますね。
足袋ネコさんの作品を、おかげでまたまた見にいきました。何度行っても叱られないから有り難いのです(笑)
おお、supitenさんのカードは、いつぞやの「旅で出会った猫たち」ですね!こちらもリーズナブルで嬉しいです。
記事と画像を堪能しました。ああ、わたしも欲しい。
夕暮れ、我が家の猫たちはひっそりとしています。もしやこのお話しを聞いて遠い故郷を思い出したから?
返信する
Unknown (myutha)
2009-03-23 11:29:08
supitenさん、こんにちは。

私もねじっこさんとおなじようにワクワクしながら、そしてなぜかドキドキしながら読ませていただきました。
お母様がオーダーされていた王女さまもなんて素敵なんでしょう。
細部まで本当に細かくて美しくて豪華で・・
足袋ネコさんの描かれた猫さんには確かに「命」も与えられていますね。
今にも動き出しそうな・・・
想像の世界ではsupitenさんのお話のようにもうちゃんと動き出していますね。
とても素敵なお話です。
(あぁ・・私もsupitenさんのような才能があれば空豆王子の話もつくれるのに・・・涙)

そしてまたsupitenさんの見せ方が素晴らしいです。
今日もうっとりさせていただきました。
そしてあらためて猫の神秘な美しさを感じさせていただきました。
ありがとうございました!
返信する
Unknown (hime)
2009-03-23 13:56:39
こんにちは♪

溜息が出る様な素敵な猫達にお話。
グッ、引き込まれる様に見てしまいました。
猫王女に猫王子、芸術作品ですね。
それにsupitenさん!!なんて素敵なお話を作られるんでしょう!!

猫に王家の血が流れている......。
わかる気がします。
野良猫でも、厳しい生活の中でも凛として毅然な態度が見られると思います。
猫、本当に神秘的な生き物ですね。
小さな頭で、人間が想像も出来ない様な事を考えてるかもしれませんね。
何もかもを見通してるような目。

ふふふ!でも、やっぱり王女様と言えば、すずらんちゃんですね!!お上品なお顔でとても優雅です!

(おデブのレオを褒めてくださって有り難うございます!おデブのくせに、いざとなったら足が速く、小回りがききます。笑!前世では大豆ちゃんと縁があったかも!!)





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成長する作品♪ (Misty)
2009-03-23 17:58:49
supitenさん、こんにちや~

夢見がちな王女さまを心配し、堅実に育てあげた、やさしい王様・お妃さま。
ちょっぴりマジメすぎるくらいに育ってしまった王女さまは、とっても素直な子ですね~ (^^*)

そして夢と未来と、広い世界をたずさえ、颯爽と現れる王子さま。
「わたしと一緒に旅にでませんか?」 そっと、王女に腕を差し伸べる猫王子。。。

supitenさん!! なんて豊かな想像力なんでしょう♪
そして意外な結末! すばらしいストーリーテラーですね! 感動で目頭が~!!!

ハイ、間違いなく私たちは、王子さまと王女さまの子孫たちの 「しもべ」 でございまする~ (^^;;)
なるほど、にゃんずにナニをされても頭が上がらないはずですね! 納得がいきました(笑)

足袋ネコさんの作品、いつかこの目で見てみたいです~
ここから物語が生まれ広がってゆく。 果てしなく成長する作品なんですね♪
私にはどんな物語が見えるかなぁ?
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Unknown (茶々にゃん)
2009-03-23 21:07:56
足袋ネコさんの作品・・・作品と言っていいのかなぁ。
なんだかいつも命が吹き込まれているようで、作品としてではなく、なんて言ったらいいんでしょうか?
いつも瞳がとても綺麗です!

王子と王女、衣装もほんとに細かいところまで素敵です。
お花も可憐。

そしてsupitenさんのお話。
この猫王子や王女がもっと素敵な命になるのですね☆

「王家の血が流れてる」そうですよね。
このよに生を受けたすべての猫さん達には、分け隔てなく公平に王家の血が流れてるのですよね。
だからみんな瞳が綺麗で凛としているのですね。

足袋ネコさんの王子と王女。
そしてsupitenさんのお話から色んな事を考える事が出来ました。
ありがとうございます。

本当にsupitenさんは文才がお有りで、とても羨ましいです。
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Unknown (足袋ネコ)
2009-03-23 21:45:30
あぁ・・・すてき。
私はいつかsupitenさんが 童話作家として飛び立つのでは
と思っていました。
文章がどんどん想像力をかき立てます。
小さい頃、本を読みながら
続きを一生懸命心の中で描いていませんでしたか?
私はいつもやっていた「夢見る少女」でした。
ところがこんなおばちゃんに成長してしまいました(涙)とほほ。

私は絵を描くとき 中に秘めているものを描きたいと思っています。
中に秘めているものは 「静かで強い心」です。
supitenさんにしっかり伝わったような気がして
嬉しくて仕方がありません。
有り難うございます。
そいてそして このように美しい写真、壮大なストーリーでご紹介くださり感謝で言葉がありません。
本当に有り難うございます!

ネコさんの瞳は本当に深く吸い込まれるように輝いています。
王家の血筋が流れていると私も思う時があります。
じっとたたずんで見つめる瞳は悠久の輝きがあります。

猫王女は赤い「花のような物」を持っています。
それは「赤い糸」で作られたものです。
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Unknown (mitoko☆)
2009-03-24 11:02:11
supitenさん、こんにちは^^

あぁ・・・なんて素敵な絵(といっていいのかな?)と物語でしょう(*^-^*)
夢のような幸せな気持ちになれました。
ありがとうございました。

王女さまと王子さまも本当に素敵♪

猫は神様がこの世に創られた最高に美しい生き物だと思います。
「凛として気品に満ち溢れている」まさしくその通りですね。

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Unknown (小熊太郎)
2009-03-25 11:38:12
うわぁぁぁぁ~
supitenさんのお話も足袋ネコさんの作品もとっても素敵です

29歳の時に「小熊は白馬に乗った王子様を待ってるのかもしれないけど、そんな王子様は現れないぞ!」と50歳くらいのおっちゃんに笑われました。
そんなつもりではなかったんですがねぇ

ってなことを思い出しました。
でもちょっと時間はかかったけど、ちょっと年食ってる王子様ですが(笑)現れたもんね
と、自分に重ねてしまいました(笑)

素敵なお話&作品をありがとう
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Unknown (小熊太郎)
2009-03-25 11:40:29
この記事と関係がないのですが・・・

先日友人にもらった「猫ジャケ」って本の表紙が、supitenさんが紹介してらした「ブルータス」のまこちゃんでビックリでした!
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Unknown (ゆり)
2009-03-26 00:21:04
このお話、皆さんのコメント読んでると、supitenさんが作られたような感じですが、supitenさんが作ったの?だったらすごい!思わず物語に惹き込まれました。足袋ネコさんの作品、素敵です。このお話と良いコラボレーションですよ。最後、「ときに凛として、気品に満ち溢れているのは、とおいむかしの王家の血が流れているからなの?」って、うちの子達の瞳を見ながら、話かけちゃいました。(無反応の上に、あくびをされましたが・・・(--;))でも、supitenさんの才能、新たに発見したこの頃です(^^)
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