クリスマス
街中がきらきらとしていて
街を歩く人達も何となく嬉しそうな顔をしていて
この季節になると私は不思議と祈りたくなる。
自分が何を信じているとかいないとかは関係なく
無意識に「神様お願い!」って心の中で叫んでしまう時のように
それはきっと不特定多数に向かって
ただ祈りたくなる クリスマスはそんな季節。
じゃあ何を祈ってるのと訊かれても…
どうかみんな幸せでいて下さい
ただそれだけ
クリスマスにふさわしいかどうかはわかりませんが
今、思い浮かぶだけで4人のお友達に、届けたい絵本があります。
「悲しい本 Sad Book」
マイケル・ローゼン さく 谷川俊太郎 やく
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これは悲しんでいる私だ。
この絵では、幸せそうに見えるかもしれない。
じつは、悲しいのだが、幸せなふりをしているのだ。
悲しくみえると、ひとに好かれないのではないかと思って
そうしているのだ。
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こうして始まるストーリー。
でも、時にはどうにもならない悲しみがやってくる。
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悲しみがとても大きいときがある。
どこもかしこも悲しい。からだじゅうが、悲しい。
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読んでいくうちに鼻の奥がじんじんと痛くて
胸もぎゅーっと苦しくて
気がつくと私のからだはカチカチに固まっていた。
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悲しむのは、ひどいことをするのとは違う。
私は悲しいのだ、悪いのではない。
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みんな生きていればいろんな悲しみを経験する。
だけど、どんなものにもましてつらいのは
愛するものを失った悲しみ
でも…
決してごまかさずに、決して気を紛らわせずに、
悲しみの中に身をおき
真正面から悲しみに向き合っているうちに見えてくるものもある。
あるお友達は言いました。
「ふとした瞬間に涙が止まらなくなることはあるけど
それはきっとこれからもずっと続くことなんだろうけど
それでも普通の日常がとても大事だから…私は大丈夫なのです。」
あるお友達は言いました。
「今では姿が無くなっても
私のそばで「いつもの自分」を感じさせてくれています。
私はもう淋しいとは感じなくなっています。」
あるお友達は言いました。
「クリスマスの用意をして、帰ってきてくれるのを待たないと。
なんだか今年のクリスマスはとても楽しみで嬉しいのです。」
あるお友達は言いました。
「今も、色々な思いが胸を駆けめぐります。
でもわたしは生きています。
生きている限り、良く生きることを止めるわけにはいきません。」
ただひとつの愛する存在をなくした悲しみは消えることはないけれど
生きていればきっと悲しみの中にも希望は生まれる。
クリスマスの祈りがいつか心に灯る光になりますように。
みなさん、素敵なクリスマスをお迎え下さいね。