筒美京平と歴史修正主義

かつて『ドロボー歌謡曲』という本があった。

そのサブタイトルには
盗作ヒット曲リスト公表！！
とある。
これに収録されているのは全部で146曲。
驚くべきは、うち44曲が筒美京平の手によるものだということ。

（まだ1987年時点でだぜ！）

この本は決して超マニアックな本ということでもなく
そもそも当時、歌謡曲は世間的にもそれなりにつっこまれていた。
歌謡曲は安っぽいものという認識もあったし
今みたいにネットもなかったから、「パクられ被害者」にバレることも稀だった。
というか日本のエタンメ自体が世界からみたらゴミみたいな評価だったから
つまりは相手にされてなかったからあまり大事になることもなかった
で
現在、
今度はなぜかこの国は三丁目の夕日よろしく、やたらと過去を美化するようになった
「昭和歌謡がイイ」なんて若者が言ったりすると
当時は「使い捨てアイテム」くらいにしか思ってなかったくせに
「おじさんが教えてあげるよ」と前のめり。

そら
もともと美味しい素材を盗みまくって
仕上げた料理だから
それなりにうまいだろうさ

巨匠が逝くと、なぜか民衆はその作曲数を賞賛するけど
そんなに仕事をガメるから
パクらなきゃやってけなくなるんだよ

まあクリエイトではなくコーディネイトだからシステマティックに器用にこなしてたんだろうね

そんな寡占市場の陰では
育ったはずの若い芽がいくつも
埋もれていったことだろう

発注するほうも
ガチガチに「実績重視」だってことなんだろうね
それであんな肥大化した独占モンスターが育った。
ベンチャーが育ちにくいこの国の縮図がそこにも。

むかし実家で郷ひろみの密着番組を見ていたら
「まだまだもっと売れたいんだ」みたいなこと言ってたの見て
フツーなら年を重ねてなお衰えない向上心を賞賛するんだろうけど
うちの母ときたら

「この人はどんだけ欲深いんだか」

と吐き捨てた。

母ちゃんナイス。

【おまけ動画】
↓伊代ちゃんのやつは2in1タイプのパクリ。
元ネタは複数だとバレにくい（笑）