ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

医薬品(漆原良一著)~その4

2008-08-04 06:50:04 | お薬、疾患、健康
業界研究シリーズ 医薬品 (日経文庫)
漆原 良一 (著)

【自分ポイント】またまた続きです。これで最後。(の予定)。

○今後の展開 : 新興国への参入
  高い経済成長をしている中国、インド、ロシア、南米などは、潜在市場が巨大。
  課題としては、貧富の差(高額な薬代を払えない患者さんへの対応)、偽造品の流通などが挙げられてます。

○ 処方に対する、患者さんからの評価のウエイトの高まり。
 (すなわち、製薬企業のプロモーションの影響力の弱まり。)
 従来は、MRによる医師へのプロモーションが、医薬品売上の拡大に重要でしたが、今後は、患者さんからの評価、保険会社からの評価を獲得することが重要となってきます。
 ウエブの発達により、国民や患者さんのヘルスケア情報へのアクセスが格段に良くなりました。患者さんは、医療に関する情報を集め、より質の高い医療を望むようになってきています。
 処方の意思決定には医師が重要な役割を果たしますが、患者さんの意思も大きなウエイトを占めるようになってきています。
  → この間、講演会に出席したときにこのことを強く感じました。
    今後、さらに、より勉強し、よりよい医療を受けよう、というスタイルは普及していくと思います。
  → アメリカのHealth Talkというサイトでも、"patient education"(患者の教育)を目的としているということが述べられています。
  → 他の産業では、消費者の声が、製品の売れ行きに反映されるのは当たり前なんですが。。。

 →単に自社の製品について、だけでなく、疾患について説明する製薬企業のウエブサイトが増えています。
  バイエル薬品のMSゲートウエイ
  田辺製薬のリウマチ21info
 田辺製薬のクローンフロンティア
  中外製薬のC型肝炎ZERO
など。(一例です。)

医療費の公費助成制度(自己負担の限度額など)を知ることができたり、その治療が受けれる病院の検索ができたりするサイトもあります。

とりとめもなく、4シリーズも書いてきました。
最後に、医薬品開発に重要だと改めて私が思ったことを書きます。
 ・患者さんのことを、まず知ること。
 ・産業の構造を知ること。
 ・医療制度や、国の施策について知ること。

どうしても、研究のことにばかり、目がいきがちなので、上記のこと、意識して取り組みたいです。

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