住田功一のブログ

メディアについて考えること、ゼミ生と考えること……などをつづります

放送はその時どのように役に立つのだろうか 震災の日を前に

2021-01-15 12:49:33 | メディア関連

大学の授業で、
阪神・淡路大震災と東日本大震災の
発生直後の映像を学生たちと見た。

学生の一人は、
被災してパニックになっている人には、
テレビは見られないし
ラジオの情報も耳に入らないだろうという。

それが、一番のジレンマなんだよ。

激震に見舞われると
何かにつかまってうずくまるしかない。
津波に追われて走っている時、
ラジオのイヤホンを耳にする余裕は
ないかもしれない。

でも、きっとそのあとのサバイバルで、
放送の情報は役に立つだろう。
避難所で明日の行動を決めるときに
少しは役に立つだろう。

行方不明の身内を探すときは
ネットのマッチングのほうが役立つかもしれないし、
給水車の来る場所と時間は
SNSのほうが便利だろう。

では、放送は何の役に立つ?
S新聞の記者に質問されて
うまく答えられなかった。

孤立した集落へ、
あなたたちを見捨てていないという
呼びかなのかもしれない。
全国からの救援が
あなたの町に向かっているという情報
なのかもしれない。

朝はもうじきやってくるという励ましも、
余震の恐怖と共に闘おうというコメントも、
アンパンマンマーチのCDをかけることも大きな力になった。

次の大災害が
どんな姿でやってくるかは
誰にもわからないけれど
(きっと想像してることとは違う)
そのとき、マイクに向かう放送マンは
全力で被災の全貌を想像しながら、
メッセージを送ると信じている。


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