東北福祉大学の前学長や昨年新学長になったという大谷哲夫氏は、自校が原因で発生したいわゆる「東北福祉大学騒音事件」について正確な事実の報告を受けているのだろうか。そんなことはないと思うが、万一、知らないなどということがあれば、大学の最高責任者としては怠慢の誹りを免れまい。
いやたとえと一通り知っていたとしても、債務者(大学側)の言い分だけでなく、債権者(被害者)側の話にもしっかり耳を傾け、事件のあらましと「和解」にいたった経緯をしっかり勉強してしかるべきだろう。学長就任前に起こった事件を正視しようではないか。「みんなへの感謝」を卒業式の祝辞で口にし、卒業生を励ましているのを聞くと、「まず隗(かい)より始めよ」ではないか。そうした感謝の精神こそが、仏道の根本にある「忍辱」であり、問題解決への第一歩ではないだろうか。
しかしそれにしても、これだけの長期にわたって住民の生活を攪乱しておいて、東北福祉大学の運営責任者から「ご迷惑をおかけしています」といった謝罪の言葉はただの一度も聞いたことがない。これは特殊な「大学」のケースかもしれないが、いささか首をかしげたくなる。おもんばかってみれば、こうした行為こそがハラスメントだとすれば理解できる。なぜなら、ハラスメントの当事者は、被害者に対するみずからの行為に気づいていないことが多いからだ。ならば、「私たちはあなたがたに苦しめられ続けています」、とはっきり訴えておきたい!!