洗濯日和 ~日日是好日~

しなやかな、
とらわれない心と身体で。
笑顔で。
その日その日を好い日に。

keep surfing!

「旅をする木」

2009-03-18 22:03:00 | Weblog
もう10年も前に、たまたまこの表題と作者の名前「星野道夫」に惹かれて手にした本。

立ち読みがその場で涙が止まらなくなって、困ってしまいました。
そのあとも星野さんのいろんな本を買って、アラスカまで行ってしまいました。


『頬を撫でてゆく風の感触も甘く、季節が変わってゆこうとしていることがわかります。アラスカに暮らし始めて十五年がたちましたが、ぼくはページをめくるようにはっきりと変化してゆくこの土地の季節感が好きです。
 人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるものですから。人の心は、深く、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう。』

『人と出会い、その人間を好きになればなるほど、風景は広がりと深さをもってきます。やはり世界は無限の広がりを内包していると思いたいです。』

『無窮の彼方へ流れ行く時を、めぐる季節で確かに感じることができる。自然とは、何と粋なはからいをするのだろうと思います。一年に一度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。その回数をかぞえるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれません。』

『目に見えるものに価値を置く社会と、見えないものに価値を置くことができる社会の違いを僕は思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった。』

あげだしたらきりがありません。

星野さんの言葉に、「ああ、そうだ。そうだ。いいんだ。」って何度も何度もうなずいてしまいます。
自然のこと、環境のこと、死生観。繋がっていく生命。
朽ちていくこともまた自然であり、人間もその自然の一部だということ。
自然や生命の強さ、脆さ。。。


今、NHK教育テレビ「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」(毎週火曜日午後10:25~)で星野さんが特集されてます。
1回目は教えてもらって見れて、2回目は逃してしまったのが残念ですが、
3、4回目は友人に録画を頼みました。
4回目、3/24のコメントは池澤夏樹さんです。
見てない方は是非!


コメント
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