老年

満69歳になった。間違いなく老年であるが諦めがつかない。

ロシア民話 ”つるとさぎ”

2006-06-29 23:31:19 | Weblog

 楽しい頭のふくろうが飛ぶ。とんで、とんで止まった。尾っぽを回し四方を見渡しまた飛び立った。とんで、とんで止まった。ちょっと止まって尾っぽを回し四方を見回しまた飛びたった。

 これが前置き、話のはじまり。

 昔、沼につるとさぎが暮らしていた。二羽は沼の両端にそれぞれの小屋を建てた。

 つるはひとりでいるのがいやになって、奥さんを迎えることに考えついた。《さぎに結婚の申し込みをしよう》

 つるは出かけた。ぱしゃ、ぱしゃ、 - 7キロも沼地を歩く。たどりついて言うのには、
 - さぎさん、家にいるかい?
 - いるわよ。
 - ぼくのおよめになれよ。
 - いやだわ、つるさん、あんたのおよめなんかにならないよ。あんたは足が長くて、着物は短くて、飛ぶのがへたくそなのに、どうしてわたしを養えるの?あっちへ行ってよ、のっぽさん!

 つるはむだ足をふんで、家に帰った。

 さぎは後になっていろいろ考えて、言うのには、
 - ひとりでいるよりつるのおよめになる方がいいわ。つるのところへいってみましょう。
 - つるさん、わたしをおよめにしてよ!
 - いやだね、さぎさん、おまえなんかいらないよ!よめさんなんていらないし、おまえをおよめにしたくないよ、出ていけよ。

 さぎは恥ずかしくなって、泣いて戻っていった。

 つるはいろいろ考えて、
 - さぎをおよめにしなかったのはよくなかった。ひとりじゃ淋しいよ。今度こそさぎをおよめにしよう。

 さぎのところへ行くと、
 - さぎさん!ぼくは君をおよめにすると決めたよ。ぼくのところへこいよ!
 - いやよ、つるさん、あんたのところなんか行かないわ。

 つるは家へ帰った。
 
 ここでさぎはいろいろ考えた。《なんだって断ったんだろう?ひとりでどう生きたらいいの?つるのおよめになるのが一番だわ》

 つるのところへ行って求婚したが、つるは断った。

 今にいたるまで、こうして二羽の鳥たちはたがいに沼を行き来しているけれど、まだ結婚していない。

今日の歩数: 11,331歩  消費カロリー: 436.8kcal


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