うさぎが森に暮らしていた。夏はよかったのだが、冬になると飢えてしまった。村に行ってお百姓のところからカラスムギを盗まなければならなかった。
あるとき、あるお百姓の干草置場にいったら沢山のうさぎが集まっていた。
そこでうさぎは自慢を始めた。
- ぼくの耳は、耳じゃなくてでっかい耳だ、足は足でなくてでっかい足だ、歯は歯でなくてでっかい歯なんだ。ぼくは誰も怖くないよ。
うさぎがまた森に帰ると、ほかのうさぎたちがこの天狗ぶりをからすおばさんに話していた。からすおばさんは飛んでいって茂みの下のうさぎを見つけた。
からすおばさんはうさぎに尋ねた。
- 君はなんだってそんなに天狗になるの?
うさぎは、
- ぼくの耳は、耳じゃなくてでっかい耳だ、足は足でなくてでっかい足だ、歯は歯でなくてでっかい歯なんだ。ぼくは誰も怖くないよ。
からすはうさぎを叱って言う。
- もう天狗になるのはやめなさい!
そのとき、からすは塀の上に止まっていたのだが、突然犬たちが襲ってきた。うさぎはこれを見ると、<からすを助けなくちゃ>と考えた。うさぎは小山に走って行って、そこにすわる。
うさぎを見つけた犬たちは追っかけてきた。
うさぎはすばやく走る、犬たちも夢中になって追っかけてくる、でもうさぎは早くて追いつけない、ついにあきらめた。
しばらくたって、からすはうさぎに出会って言うには、
- きみは素晴らしいよ、天狗になるどころか本物の天狗さまだよ。
今日の歩数: 9,794歩 消費カロリー: 368.2kcal