あしたへの糧

週末のできごとを中心に書き綴ります

双石山 クライミング 

2019年04月14日 | 山歩きのこと
2019年4月13日(土) 晴れ

宮崎市にある双石山は、手軽に登れる近場の山として、登山者に親しまれている。
実際、この日もたくさんの登山者と出くわした。(しかも、知り合いとか知り合いの知り合いとかばかり)

この双石山は、昭和の時代、クライミングのトレーニング場として賑わっていたらしい。まだ人工登攀が全盛の頃。
当時は、象の墓場で夜通し飲み明かし、しょっちゅう殴り合いの喧嘩をしていたなんていう逸話を先輩方から聞く。

ここには、ルンゼと呼ばれる3ピッチのルートがある。前々から1度は登ろうと思っていたけど、ようやくこの日、その宿題を片付けてきた。





ルートがあるのはこの遭難碑の上の方






取付きまでも信用していいのかどうか分からないトラロープを頼りにようやくたどり着いた。
目の前に現れた岩壁は苔むして陰気な感じで、茶褐色に錆びたリングボルトとRCCボルトと相まって昭和の香りがプンプンする。思ってはいたことだけど、状況からして最近(年単位で)ここを登った人はいないんじゃないかな。






下から見上げた感じだと最後の3メートルくらいの傾斜がきつそう。
1ピッチ目はYさんに登ってもらう。Yさんは20年くらい前に1度登ったことがあるらしいけど、登ってる途中で上から蛇が上から滑り落ちてきたことしか覚えていないらしい。






順調にロープを伸ばして登って行く。錆びついたリングボルトの不安を少しでも減らすため、取れる支点は全部掛けながら登っていた。






残り3メートルの所までたどり着いたとき、Yさんの動きが止まった。やはりどう見ても登れそうにないらしい。そのとき、20年前にここを登ったときにここはアブミを使って登ったことを思い出したらしい。やはりここは人工登攀全盛時のクラッシックルートなのだ!!






今日は、当然アブミなんて持って来ていない。手持ちのギアで何とかするしかないが、ここまで取れる支点に全部クイックドローを費やして登ってきたことが仇になった。手持ちのギアが少ない・・・
残りの距離・支点の数、セカンドビレイに必要なギアと手持ちのカラビナ・スリングを計算しながら、時間をかけて登っている。もちろんスリングをアブミ代わりにしてだ。






Yさんは無事に登りきった。次は自分の番。錆びついたリングボルトに命を懸けなくていいという安心感はある(笑)

残り3メートルまで来てみると、Yさんが苦労して工夫して登った跡が見えた。自分はこのギアを回収しながら登らないといけない。てことは、このスリングをアブミとして使うことはできない。
ロープにプルージックを作って這いずり上がった。いやー参った






2人合わせて相当な時間を使って登りきった。終了点で思わず2人して笑ってしまった。






2ピッチ目。
今度は私がリードで行く。難しくはないが岩は苔と落ち葉に埋もれて、もはやクライミングという感じではない。凹みにたまった土は水分を含んでいてそこに指を掛けるとグチョッとした感覚がたまらなく気持ち悪い。目の前にミミズがいたときは、蛇の話がフラッシュバックして少しビビった。











3ピッチ目。最終ピッチだ。
ここは日が当たって明るい雰囲気。それだけでも楽しい気分になる。やっぱりクライミングはこうじゃないとね!






Yさんがリードして登って行った。






↓目の前にあった昭和の時代の遺構。いやいや遺構と言っちゃいかん。今日は先人達が残したこれらのお陰で遊ばせてもらってる訳だし。












ここのピッチは岩がすっきりしていて、最初に感じた雰囲気のとおり一番面白かった。






結局、3ピッチ登るのに3時間半くらいかかった。
前々から登ってみたいと思っていた宿題がようやく片付いてよかった。

次にまた登りたいと思うとしたら、今日の登った記憶がなくなった20年後くらいかな。でも、その頃には残置のリングボルトも自分の体力も朽ち果てていてもう登れないか・・・


最新の画像もっと見る

コメントを投稿