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野球肩・野球肘・腰痛のプロ治療院(東京)🥎サエキ89メディカルトレーナーズ

「アスリートの肖像」 桑田真澄

 

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佐伯 勉
学習研究社

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 PL学園時代、清原和博とともに全ての甲子園大会に出場し、前人未到の甲子園通算
20勝。1986年ドラフト1位で巨人軍入団。以来21年という巨人軍史上最も長い期間
“エースナンバー18”を背負ってきた男「桑田真澄」。
200勝まであと23勝。唯一生え抜きのスターである桑田真澄のことを書こうと思った矢先に
彼自身のブログで退団を示唆する驚愕の発表がありました。


2006年9月23日

お別れ

友へ
今年は、たくさん話をするつもりだったけど、全くできなくて本当に申し訳ないね。
2月に、人生の師、藤田さんが他界され、直ぐに祖母ともお別れをしなければいけなくなった。
別れが多い1年かもしれないね。
このページも、2000年から続けてきたけれど、今年でお別れになると思うし、
何より、明日、ジャイアンツのユニホームでマウンドに立つのは、おそらく最後になるだろう。
21年間、大きく育てていただいた、ジャイアンツに心より感謝している。
明日は、短いイニングだけど、友への感謝の気持ちを胸に投げたいと思う。
桑田真澄のたった一度の野球人生を、大切に、そして誠実に生きたい。
長い間、ありがとう
18 

(以上 桑田真澄ブログ Life is Art より抜粋)
http://www.giants.jp/G/person/kuwata/


 私が指導者として影響を受けた方々はたくさんいますが、桑田真澄もその一人です。
過去にはマスコミからダーティーなイメージで取り上げられたりもしましたが、実際はその人柄を
慕ってやまない選手たちが数多くいます。
余談ですが、コーチ時代に自宅でのワインパーティーに招かれ、真澄の弾くピアノを聴きながら
飲むロマネコンティの味は格別でした。

 99年キャンプ前日のミーティング終了後、真澄が私の部屋を訪れました。
「巨人の長い歴史の中でトレーニングの専門家といえ、プロ経験のない方がコーチとして
ユニフォームを着るのは異例なことです。この世界、色々な軋轢があるでしょうけれど僕は
このトレーニングの意味が理解できるし、一緒に頑張りましょう」
と話してくれました。

 あの桑田ロードを2人で走ったことやビジター(甲子園、名古屋、広島)での試合後は
宿舎に戻るとよく一緒に食事をしました。いつものようにワインを飲みながらメジャーリーグ
談義をしていると、申し合わせたかのようにメジャー経験のある柏田貴史、のちに
ヤンキースの主砲となる松井秀喜、現在米国で奮闘中の入来祐作らが加わりメジャーの
コンディショニング方法や野球談義に花を咲かせました。今思い返してみると、この時に
松井秀喜がメジャー行きを決めたきっかけの1%程度にはなったのかもしれません。
そのような良き思い出も昨日のことのように感じます。

 そして9月24日、ジャイアンツ球場。球界を支えてきたスーパースターの最後の登板が
東京ドームではなく、苦しいリハビリに明け暮れたファームの聖地だったのは本当に最後まで
彼らしい選択。その日を臨時休診にしたのは言うまでもありませんでした。


 真澄の去就は未定ですが、野球に対する真摯な姿勢や経験。そして何よりも彼の人気を
表すその集客力はジャイアンツ球場過去最高の約4000人という観衆を集めました。
私個人的な意見を言わせていただくと野球人生の集大成は結果に関係なく、やはりメジャーに
チャレンジして欲しいと思っています。

 実は8月にMLBのアジア担当スカウトの方々と会食をしました。意外だったのは、FAの
大物選手の身分照会をしているものと思いきや、「年棒は格安でもしっかりと働ける第2の
斎藤隆の発掘」が目的ということもあり、そこで私は真っ先に「桑田真澄」の名前をあげました。
いくつかの理由がありますが、「特にアウトコースのストライクゾーンが広いメジャーでは真澄の
制球力ならまだまだ通用するのでは」ということと、米国のように「土の硬いマウンドは体重移動に
おける力が伝わりやすく、必然的に球速もアップする可能性がある」と考えていたからです。


複雑な気持ちですが、その反面…
将来の巨人軍監督候補にもなりうる川相昌弘、桑田真澄。 生え抜きのスター選手をいとも
簡単に手放してしまった盟主ジャイアンツ。川相さんの野球論とバント技術は「川相塾」として
中日の荒木、井端に受け継がれ球界屈指の1、2番コンビに成長しました。皮肉にも
今年のジャイアンツは実に39通りの1、2番を組み試行錯誤を繰り返しています。

 ソフトバンクならば王監督の次は秋山さん、ヤクルトならば古田監督の次は宮本というように
本当に組織力のあるチームは次期監督候補まで大体想像がつきます。
監督・コーチを始めとするスタッフの育成も球団の役割でしょう。貴重な生え抜きのスター選手を
もっと大事にできないものかと願ってやみません。


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