元巨人・佐伯院長の野球肩・野球肘等スポーツ総合治療院🥎SAEKI 89 TRAINERS

「アスリートの肖像」 上原浩治

 読売ジャイアンツのトレーニングコーチとして幸運にも数多くの選手に携わってきましたが、その中で
最も印象に残る選手がいます。

 「上原浩治」

もともとメジャー志向が強い選手であることと、体育大学を出ていることからトレーニングに関して
向上心があり吸収力も高かったため、今の地位を築いているのは当然のように思えます。

 その上原浩治のルーキーイヤー99年。私は一軍コーチとして彼のストレングス&コンディショニング
(強化と調整)を担当することになりました。期待のかかる即戦力ルーキーに対して当然のように
プレッシャーもありましたが、長嶋茂雄監督の「君はその道のプロなんだから好きにやればいい」
の一言で吹っ切れました。

 いかに実践経験を積ませながら育成していくかペリオダイゼーション(トレーニングスケジュールの期分け)
を本人と相談しながら計画立てて、同じくスポーツ科学に精通する鹿取義隆コーチのアドバイスも
取り入れ一年間を乗り切り、シーズン中15連勝を含めて20勝4敗と投手部門のタイトルを総なめにした
最高のシーズンを送りました。
 実はこの調整方法、直弟子が千葉ロッテマリーンズで・・・イヤイヤ!この辺で止めておきましょう。

 彼の座右の銘はご存知「雑草魂」。この由来をマスコミは「一年間の苦しい浪人生活を忘れないため」
と記事にしましたが、その年の5月、甲子園での出来事。一緒にランニングをしているときに

 「佐伯さん、今まで自分の投げた試合の最低観客数知っていますか?」
と何気なく聞いてきました。まぁ学生野球ですから100人程度かと、それでも少なく見積もりましたが、

 「何言ってんですか~。2人ですよ!2人!そのうちの1人は競馬新聞読んで試合そっちのけでしたよ!」
現在5万人の観衆の前で当たり前のように最高のパフォーマンスを演じる彼でさえ、そんな時代があったとは・・・


 「Weed Spirit ? Weed Soul ?」
ある日、ランニングをしながら何かブツブツ呟いていました。和英辞書で「雑草魂」を調べたらしいのですが、
どれも気に入らないようでした。因みに「WEED」とはスラングでマリ○ァ△を意味します。

 「大和魂ならぬ○麻魂ですか~?」
直訳するとドツボにはまるのが英語。そして「何かカッコいい表現はありませんか?」の答えとして

 「Comeback with a vengeance !」
【執念とともに蘇れ!】という言葉を彼のメモ帳の表紙に書いておきました。


 あれから6年。彼のグラブには「我慢」という文字が刺繍されています。大人になったといえばそれまでですが、
未だ私の中の上原浩治は、「雑草魂」であり、ヒーローインタビューでの「ただ目の前の敵を倒すだけ!」
当時の躍動感あふれる彼なんです。



◆ 佐伯トレーナーズ治療院 http://www.saekitrainers.com ◆

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