きょう石川県河川課を訪ね、中村河川課長、椿川ダム建設室長に提出した抗議・要請文は後掲のとおりです。
おもに椿川室長とやりとりしましたが、辰巳ダム予定地および周辺に活断層はないとしているという「地質調査報告書」(財団法人土木研究所)は用意してこない、こちらがとことん追求するまで、今回問題となっている断層がこの報告書の調査対象になっていないことを認めようとしないなど、きわめてふまじめな態度でした。
結局、この断層が活断層でないと判断したのは、椿川室長だとのことでした。
土木研究所の中立性自体が疑問ですが、その調査・評価さえ受けていない断層だったということです。
椿川室長は、「こんな断層は活断層であるわけがない」「そんなことは私ら、みればすぐ分かる」と、何の根拠もしめさず強弁をくりかえしていました。
(この段落、個人的感想)
もちろん私たちは辰巳ダム建設を阻止しようと努力しているわけですが、力およばずダムができてしまうということも残念ながら、ありえます。
そのときに、万万万が一にも今回みつかった断層が活断層であっては取り返しのつかない大惨事を招きかねないわけで、「万が一にも活断層ということはありませんね」「ぜったいにまちがいのない調査をしたのでしょうね」と念押しにいった市民をはじめから敵視して情報を出さない、説明責任を果たそうとしない...
土木研究所がこの断層を調査していないことを認めさせるまでに30分ほどかかりました。どうせ認めざるをえないことなのに、姑息、とはこういうことを指していいます。
カッコ悪いですね。恥ずかしいですね。
やれやれ、いつの時代のお役所なのかと、あきれた次第です。
(H)
2009年9月29日
石川県知事
谷本正憲様
兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
代表 碇山洋
ナギの会
代表 渡辺寛
犀川の河川整備を考える会
代表 中登史紀
辰巳ダム工事現場での断層の存在判明に関する抗議と要求
このたび、私たちは、辰巳ダム本体側部を支持する地層に少なくとも2つの断層が存在することを発見し、県の現場担当者もそれらが断層であることを認めた。もしこれらが活断層であれば、最悪の場合、湛水時に断層が動いてダムが破損・崩壊し下流域に大惨事を起こすことになる。しかるに、担当者の説明によると、県はこの断層について当然なされるべき調査を行っていない。活断層であるか否かも不明であるばかりか、各地層の形成年代さえ不明という有り様である。
「県民の生命と財産を守るため」と称してダム計画を立てておきながら、下流に壊滅的な被害を与える危険性について何らまともに向き合おうとせず、漫然とダムを建設する県行政の怠慢・退廃に驚きを禁じ得ない。
また、石川県は、この断層の存在も、必要な調査を行っていないことも、いまだ公表さえしていない。辰巳ダム工事現場の仮排水路崩壊のときも県は私たちが発見し公表するまで事実を隠していたが、隠蔽体質が何ら改められていないことが明らかになった。
私たちは、県民の生命と財産を危険にさらして恥じるところなく、ただ自らの保身と組織の温存のために情報を隠蔽してダム建設を強行する谷本知事と辰巳ダム関係職員にたいして、怒りをもって厳しく抗議するとともに、以下のことをつよく要求する。
(1)ただちに辰巳ダムのすべての工事を止めること。これは、地層・断層の調査のために絶対不可欠である。
(2)すでに構造物によって見ることができなくなっているところを含め、今回明らかになった断層以外に、断層がなかったのかどうか、明らかにすること。
(3)第三者的立場にある複数の専門家によって構成され辰巳ダム反対派市民が参加する調査委員会をつくり、徹底的な調査を行うこと。必要であればすでにつくった構造物の全部または一部を撤去して、遺漏のない調査とすること。また、調査の全過程において完全な情報公開を行うこと。
(4)今回明らかになった断層だけでなく、ダム堤体にかかる地層に活断層が一切存在しないことが最終的に確認されるまで、工事を再開しないこと。
(5)活断層が存在することが明らかになれば、当然のことであるが、ダム建設を中止し、原状回復すること。
(6)断層の存在をいつ誰が確認したか、いつ誰が何を根拠に活断層でないと判断したかを明らかにすること。
(7)断層の存在を公表しないことをいつ誰が決定したかを明らかにし、処分すること。
(8)この問題に関する説明会を緊急に公開で開催すること。
ことは文字通り県民の生命・財産に関わる重大事である。過去の経緯や体面などにこだわらず、谷本正憲知事が上記の要求に真摯に応えられることを期待する。
以上