国境なき、 きままなフライフィッシング

フライフィッシングを中心とした趣味の部屋

梅雨前線を避けて

2011-06-19 00:29:02 | ゴギの部屋


6月18日(土)
曇り

以前より九州出身のルアーマンに案内をお願いしていた熊本の菊池渓谷に行くはずだったのだが、
生憎の梅雨で天候不良。

梅雨前線の影響を避けるため少しでも九州より北に位置した地域、そう島根の匹見のゴギ渓を再び訪れることに。
ルアーマンのS藤クン、S井クンと経験を積むため2週間前とは別の高津川支流S川源流に入る。

梅雨の時期だが流石に広葉樹の森に囲まれた場所だけに保水能力が高く増水もない。
気持ち濁りがある程度。

ゴギの渓はやはり鬱蒼としている。
渓には日がささず岩が苔むしている。



反応がほとんどないまま遡行を続ける。
初めての沢というものはいつも不安がある。
果たして魚はいるのか?この区間でいいのか?どこまで遡行すればよいのか?等々いろいろ考えさせられる。
ちょっと嫌な予感。

先行したS藤クンにどう?と確認するとルアーにでたようだ。
小生もチビの反応があるのでゴギの生息が確認できた。
ならばじっくり行くだけと遡行を続ける。

肩の手前で出た待望の1匹




徐々に流れも階段状の連続となり、1段1段が大きくどんどん高度を上げていく。
たまに小さな滝と釜が現れる素晴らしい渓相。


高巻きこそ無いものの、とにかく大岩が連なり次から次へと越えていく。
足にくる結構きつい沢だ。

階段状の流れからぽつぽつと反応があり数匹追加。
ルアーでも出している。
S井クンが一人苦戦。
インターバルの短い大きな階段状の流れの連続で、出来るだけ少ない回数でピンポイントにバシッと入れていかなければならないのだが、フライを初めて数日のビギナーには少々厳しい状況。

苦戦の末にS井クンBOZE回避の1発が出て全員安打達成。


その後も巨人の階段を上っていく。
大きな滝を越え、その上からもゴギが釣れた。
いったいどこまでいるのか本当に大したものと感心する。
巨人の階段に辟易してきたころ2個目の滝が現れ、越えて越えられないことはなさそうだが、下降のこともあるので
ここらが引き時と下降決定。

昼食後に久々にのびのびした釣りをするべく紙祖川本流に入る。

川幅もあり水量豊富で水清く、大変美しい流れ


上の写真の泡の筋にアダムス#16を流す
泡がまばらになり始めた辺りでスパッと出た!

ちょい釣りで降りた本流の恵み、快心の一発!超美形幅広アマゴ




こんなことがあると、やっぱり本流ヤマメも良いなといろんなことがしたくなる。



最南端の住人

2011-06-05 13:42:51 | ゴギの部屋
6月4日(土)
くもり時々晴れ

梅雨入りとの報もあったが、梅雨前線が安定していないラッキーな日。
釣りには向かないかもしれないが、釣りをしていてやはり気持ちのよい天気なのである。

北九州在住が決まってからいつかはと思っていた中国地方のゴギ探しに行ってきた。
そう、このゴギってやつは放流されていない天然再生を繰り返す岩魚族の中でも最南端の中国地方に住む希少な住人。
未知の土地、未知の釣り場、いろいろ情報を収集するも今一つピンとこない。
最後はフライショップげんごろうのオーナーのお心遣いである方にコンタクトして目的の沢を決定した。

メンバーは前回の下梶原に引き続き、現在修行中のいつもの凸凹コンビ。
フライマンへの道、実践サバイバルトレーニングPartⅡなのである(笑)。

島根県は高津川支流匹見町周辺を流れる匹見川のさらに支流のまたその支流の某支流。
林道工事のため予定より手前で止められてしまったがなんとか予定の渓にたどり着く。
予想より渓が深く鬱蒼としている。

さぁ準備、覚えたてのノットで四苦八苦


それぞれに新調した弟子たちのタックル


小生は、源流、獲物の型も小さそうということでラミグラスの6’6”を持ち出す。

しばらく林道を上る。
眼下には落差があり水量も十分な良さそうな渓が見える。
広葉樹が覆いかぶさり、トンネル状態になった狭い源流。
適当な下降点を探し、急斜面を木につかまりながら下降して入渓。

渓に降り立つとやはり広葉樹のトンネル状態で光が遮られ、鬱蒼として落差のある渓相が続いている。
蜘蛛の巣に邪魔されながらポイントにフライを打ち込んでいかなければならず、全くもって悩ましい状況だが先行者がいない証拠。
ラッキーと言うべきところ。

まずはパイロットフライのアダムスでポイントを打っていくと、早々にパシャッと出るが掛けそこなう。
茶色っぽかっただけにゴギ?
う~んなんというヘボッ。
取りあえず魚がいて反応することが分かったので、まずは釣ってから指導にあたらなければならないので気合いを入れ直す。

最初の獲もの!でも・・・なのだ


その美型、本来は喜ぶべき獲ものなのだが・・・。
でも今日はゴギに逢いに来たのだ。



とにかく良い渓相が続く。

ゴギの沢と思っていたが、今度は美型アマゴ!


う~ん、下降点が早すぎたか?

まぁ取りあえずボーズではなくなったので、さぁ今度は釣らせる番と二人を交互に先行させびしばし指示を飛ばす。
そこを狙うならポジションはここだ、バックで手首を開くな、竿振り過ぎ、鋭角的に叩きこめ!など。
そこのたるみだ、そこの真ん中の石裏だ、右の筋の脇だ、もっと奥だ等々。
いやはややっていた方は大変だったろうなと。
ほとんどの場面でリーダーキャストを強いられるので、いつもより難度は高い。
悪戦苦闘している間にうまくいくと、何度か反応があるも掛けそこなったり、ばらしたりして悔しいそうな顔をしている。
実は小生も自分のことのように悔しいのだ。
すこしづつ分かってきたようなのだが、体が思った様に動くかは別問題。
自分にも言えることなのだ。
経験が人を育てるというのはどんな世界でも同じなのだ。

S子クンの仕掛けにかまっている間に、S井クンにポイントを指示して先行させる。
直後、S井クンが前の方で嬉しそうに叫んでいる。

手には自作フライでとった“ゴギ”、S井クンに先を越されてしまった。でも、やったね!!!

頭頂部にまでいたるゴギ独特の虫食い模様



その後も滝や落差のある厳しい源流を遡行しながらヤマメとの混生域を行く。
S井クン、S子クンもばらして天を仰いだり反応はまぁまぁ。

前方に滝が現れ、手前は深いトロ場。
仕方なく左岸を高巻く。

山猿を彷彿させるS井クンが先行して高巻き中!全身を駆使して這い上がる!


高巻きの末、アダムス#16にきた初ゴギ、やっと出逢えた!


S子クンがフライで手にした初獲物のヤマメ。何度もばらしてきただけに嬉しそうだ!しかも自作フライ!



鬱蒼とした渓が続く


24cmのグッドサイズゴギ。
狭いストレートの流れの岩盤すれすれに流したパープルプードルをゆっくり浮上して、ゆっくりパクッ!!


ただいまS子クン、ヘツリ中


S子クン、ヘツリ後に初ゴギ、でもチビだった

昼は最近定番の“渓蕎麦”。
遡行で乾いた喉には最高のランチ

これまでめでたく全員安打を決めているのでさらに旨い!
食後は渓で淹れるキリマンジャロをドリップして食後のマルチを如何に増やすかだ!

S井クン、そうそうストーキングは重要!姿勢は低くして手前から狙っていけ!
素人は釣る前に魚にばれているんだから!


その後も二人はポツポツと釣ったりばらしたりとワイワイ遡行
S子:魚の出る場所がだんだん分かってきました。狙ったところで釣れると釣ったという感じがしますよね。
ス:そうそう、だんだん分かってきたじゃん!

フライが流れるのを見て
S井:良いところ流れている、そこだ!う~ん、出ないねぇ?
等々、いっぱしの発言も。

さらにS子にいたっては、自然渓流で天然ゴギを釣ったのに、
S子:チビだ~!大きいの釣りたいです。
とのたまう始末。
お前フライ初めて3日目だろう!
手取り足とりちょっと甘やかしすぎたかぁ(笑)?

二人の合間に拾い釣りでゴギ。
いつしかゴギだけの区間になっていた。
残念ながら平均サイズや10cmちょっとのやつまで混じる。
源流でひっそり暮らし続ける希少な種族の証。

最後に釣れたなぜか顔と頭が赤っぽい住人

居付きの証、鮮やかなオレンジ


林道が近づくと反応が悪くなるのはどこも同じか、出が悪くなる。
やはり谷が深かった部分は遡行が厳しかったが、サイズ、数ともに良かった。
鬱蒼とした渓はほとんど光が差さず薄暗くなってきたので、6時脱渓のため下降開始とした。

途中から林道にあがり、車のデポまで道を下る


この一帯は山が深く沢も多いのでさらに探索をしたいと思わせる水系だった。

結局本日の釣果:
S子:4ゴギ、1ヤマ、ばらし少々
S井:2ゴギ、1ヤマ、ばらし少々
ス:5ゴギ、1ヤマ、1アマ、ばらし少々

このシチュエーションでは上出来と言える楽しい一日。

最後はこれもお決まり、疲れた体を癒しに温泉へ


一応目的は達成できた。
さぁ~て、次はどこに行こうかな?