今度は南中のシリウス伴星を撮影して位置角を実測しました。
3月10日少しかすんだ晴れ。シリウス伴星の角距離実測に続き位置角を正確に実測することにしました。
星の「位置角」は天の北から反時計回りに0度~360度で表示します。
位置角は星の南中時刻に観察・撮影しますと、真南(反対の真北)から角度補正なしで直接実測することができます。
直接実測する理由は、角度補正する時、補正の仕方で測定誤差が大きくなりますから、極力測定誤差が小さくなるよう工夫します。
私の使用している20cmドブソニアン望遠鏡は水平・垂直2軸駆動制御です。
ですから、南中頃に動画カメラの構図の縦方向が南北方向になるよう正確に動画カメラの傾き調整します。架台も水準器で水平出しします。
実際にはパソコンモニターに映るシリウス像が構図の四角形の平行・直角に動くように動画カメラの傾きを微調整します。
尚、赤道儀の場合は、南中でなくても明るい星の東西方向の動きで動画カメラ(又は一眼デジカメ)の傾き調整できます。
本日(3/10)のシリウスは、かすんだ空でもシーイング良好で×200倍の眼視観察で伴星がハッキリとチラチラ観えました。パソコンモニターに映るシリウス伴星もチラチラ観えました。
19時26分前後がシリウス南中ですので、南中時刻に間に合うよう撮影準備を完了しました。(星の南中は毎日約4分ずつ早くなります)
いざ動画カメラで撮像開始です。
順調に撮像できました。露出も何通りか変更して撮像しました。
夜、ソフト現像処理して写真制作しました。
そして、出来上がった写真をパソコンモニターに写してシリウスの拡大像から分度器を使ってシリウス伴星の位置角を実測しました。
その結果、シリウス伴星の位置角は64.0±0.5度です。公称値(天体計算値)64.1度です。
私の実測結果は、大体公称値と一致しました。本当に位置角64度付近でした。
尚、本日(3/10)は「月面X」が観察できる日でした。忘れていました。
南中時刻に撮影して実測に使った写真を添付します。
分度器で写真の伴星の位置角を測定しますと、約64度になります。
角距離実測に使ったシリウス伴星の写真
2022年3月10日19時27分~30分
露出52.9ms×250/500フレーム×5コマ
20㎝ドブソニアン望遠鏡 f1200㎜ ASI290MC
IR/UVカットフィルター GAIN300 動画撮影
RegiStax6+ステライメージ9 トリミング角度補正無
自宅 気温10℃ ※キャプチャエリア544×548