365日映画

面白い映画を観たいと、面白い映画を並べました。

ゲイリー・シニーズと二十日鼠と人間

2007-10-09 00:08:46 | 映画評
二十日鼠と人間

1993年、ノーベル賞作家、ジョン・スタインベックの
初期の代表作の映画化として、「二十日鼠と人間」が
監督、主演、ゲイリー・シニーズの手により製作される。

ゲイリー・シニーズは、
17歳で舞台に出演し、20歳で劇団を立ち上げ、
大作映画「フォレスト・ガンプ 一期一会」でダン中尉を演じ、
ハリウッド映画でも主役を演じるまでに出世し、
ロック・バンドを組むなど華やかな経歴がありますが、
その心の奥には、「二十日鼠と人間」に見られる
文学的な素養のある感性が見受けられます。

ジョン・スタインベックの小説は、
「怒りの葡萄」と「エデンの東」
が読みやすく、おもしろいのですが、
「二十日鼠と人間」は、戯曲風の実験的作品で、
読み手には、不親切で、読みにくい小説です。
もともと、ジョン・スタインベックの小説は、
作風が地味で、乾いていますので、
この初期の頃の小説は、とても読みにくいものです。

つまり、「二十日鼠と人間」は、
テレビや音楽のない娯楽のない時代の、失われた世代か、
歴史学者にしか理解しがたい類のおもしろくない小説です。

しかし、ゲイリー・シニーズは、映画「二十日鼠と人間」を、
とてもわかりやすく、途中までを楽しい映画に仕上げています。
そして、
キャンディの犬、腰の曲がった黒人、
二人の語る夢の物語。

“ 二十日鼠と人間の、どんなに最善をつくした計画も、
  後から次第に狂って行き、
  望んだ喜びのかわりに
  嘆きと苦しみのほかには、なにも残らない ”


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