産業・経済そのほか速

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ペンギン、塩味と酸味だけ? =他の味覚喪失か、遺伝子解析

2015-02-20 22:39:15 | IT・科学

 南極に生息するコウテイペンギンやアデリーペンギンは、5種類の基本的な味覚のうち、甘味と苦味、うま味が分からない可能性が高いと、米ミシガン大などの研究チームが18日までに米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。
 舌で味覚センサーの役割を果たす受容体たんぱく質の遺伝子を調べた結果、機能を喪失したと推定した。残る味覚は塩味と酸味だけとなる。
 これまでの全遺伝情報(ゲノム)解読で、多くの鳥類が甘味の受容体遺伝子を失ったと考えられている。ペンギンの祖先は恐竜絶滅後の6000万年前ごろに出現し、その後コウテイとアデリーの種が分かれた約2300万年前までに、苦味やうま味の受容体遺伝子も働かなくなったとみられる。 
 甘味や苦味、うま味の信号を脳神経に伝えるのに必要なたんぱく質が極寒の環境では機能しなかったり、滑りやすい魚などの餌をとにかく捕らえて丸のみするようになったりしたことが原因の可能性がある。ただ、餌の丸のみは原因ではなく、うま味などが分からなくなった結果かもしれないという。


デング熱の予防指針まとめる

2015-02-20 22:39:15 | IT・科学

 昨夏、約70年ぶりに国内感染が確認されたデング熱の予防対策を推進するための指針を作成する厚生労働省の委員会は18日、自治体が平時から蚊の対策を行い、感染者が出た場合は感染推定場所の調査や情報提供を行うことなどを定めた予防指針案をまとめた。今後、一般などから意見を聞いた上で、新年度から適用する。

 指針はデング熱のほか、同じヒトスジシマカが媒介するチクングニア熱も対象。自治体は蚊の継続的な調査を行い、国内で感染したとみられる患者が出た場合は感染場所の推定や一定区域への立ち入り制限など感染拡大を防止する対策を行う。また、患者の検体を検査し、感染経路の究明に努める。

 海外で蚊に刺され、国内でデング熱を発症する例は毎年百例以上出ており、昨夏のように、感染者が国内で蚊に刺されて感染が広がる恐れはある。しかし、近年は感染症対策として蚊の駆除などの対策を行っている自治体は少なく経験が十分でないことから、指針で総合的な対策を定めた。

 予防策推進を図る必要がある個別の感染症の予防指針が策定されるのは、今年度から適用されている風疹に続き7例目。


「噴火速報」新設へ 気象庁、メールで登山者に通知も

2015-02-20 22:39:15 | IT・科学

 気象庁・火山噴火予知連絡会の検討会は18日、火山が噴火した際、発生から1~2分後をめどに携帯電話会社の緊急速報メールで登山者らに噴火を伝える「噴火速報」を新設することを決めた。気象庁は夏ごろまでに運用を始める方針だ。

 御嶽山噴火を受け、火山に関する情報提供のあり方を見直してきた。気象庁によると、監視カメラの映像や噴火した際に観測される「噴火微動」のデータなどで確認して速報を出す。気象庁が常時監視している47火山を対象にする。


「ワタミの介護」ホーム、ノロ食中毒で1人死亡

2015-02-20 22:39:15 | IT・科学

 東京都は19日、「ワタミの介護」(大田区)が運営する有料老人ホーム「レストヴィラ東大和」(東大和市、65人入居)で入居者16人が集団食中毒を起こし、うち1人が死亡したと発表した。

 発表によると、76~95歳の男女16人が12日夜から13日午後にかけて下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち84歳の男性が吐しゃ物を喉に詰まらせて15日に死亡した。

 16人はいずれも、同ホームが10~12日に提供した給食を食べていた。同ホームの調理担当者と入居者10人からノロウイルスが検出され、都は、給食を原因とする食中毒と断定した。

 都は、同社に対し、19日から3日間、同ホームでの食事を供給停止とする処分を行った。


<網膜再生>より現実的に ES細胞から作製、理研など成功

2015-02-20 22:39:15 | IT・科学

 ヒトのES細胞(胚性幹細胞)から、従来より生体の網膜に近い組織を効率的に作ることに成功したと、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市)と住友化学が発表した。目の難病「網膜色素変性症」などの再生医療に役立つ可能性があるという。19日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された。

 STAP細胞論文の共著者で、昨年8月に自殺した理研の笹井芳樹氏も研究や論文作成に参加し、著者に名を連ねる。

 網膜は視細胞など複数種類の細胞からなり、傷つくと治癒が難しいため、ES細胞やiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療の開発が期待されている。笹井氏らは2012年、世界で初めてヒトES細胞から立体網膜を作製したが、細胞が整然と並ばない場合があるなど品質に課題があった。

 同センターの桑原篤・客員研究員らは、神経の形成に関わるBMPというたんぱく質を加えるなどES細胞の培養法を工夫し、約8割の高効率で網膜細胞に変化させ、複雑な網膜組織に近い組織を作った。品質のばらつきも小さいという。

 同センターの高橋政代プロジェクトリーダーらは、iPS細胞を使った網膜色素変性症治療の臨床試験(治験)を18年度にも開始する。高橋氏は「品質のばらつきが小さく、より安定的に作れるようになったことは、臨床に使う上で大変有用だ」とするコメントを出した。【斎藤広子】