ここ数日間日本中を沸かせたWBCの日本チーム「サムライジャパン」の活躍ぶりには、心から感動した。
大してに野球を知らない私ですら、イチローやダルビッシュ、村田のプレーには胸を打たれた。
こんな風にプレーで人の心を動かすことはきっと並大抵のことではないのだろう。
日本を代表し己の使命を全うした選手達は、まさにサムライを名乗るにふさわしい。
万歳、サムライジャパン!!
……さて。
この日本チームの優勝に感極まった私は、それからすっかり「ジャパン」に魅せられている。うなされている。
自分も何かしらの「ジャパン」に入りたい。
何でも良い。
何か無いだろうか、私が誇らしげにユニフォームを着れる「ジャパン」は。
…「ぺチャパイジャパン」
駄目だ。余裕で入れるにしても代表として満面の笑みで手を振る自信が無い。
「髭フェチジャパン」。…う~ん…今ひとつ格好良さに欠ける。
いっその事「ジャパンに入りたいジャパン」はどうか。長い上に露骨さが嫌らしいか。
現在は中央区在住であるので「中央区ジャパン」ならいけそうだがまず第一に意味が分からない。
それに比べはっきりと意味が通じるのは「国籍はジャパン」であるが……。
そうだ、葬式に参列した際に受付から出棺までやたらと作法の手順がよい「トムライジャパン」はどうだろうか……自信もある上に、これなら神妙かつ近寄り難い雰囲気がいい味出してるのではなかろうか…。
いやっ違う、違う違う違う!!!
どれもイマイチだっ!私のイメージする「ジャパン」はもっと晴れ晴れとしていて、堂々としていて、芯の強さを感じさせねばならんのだ!
…どうやら私の「ジャパン」探しはしばらく続きそうである。
余談だが日本チームが優勝した昨夜彼氏と会った時、彼が嬉しそうに言い放った言葉に私は耳を疑った。
「俺、明日のWBC優勝決定戦、本気で楽しみだよ。」
哀れな事に奴は試合日を1日勘違いしていたのだ。
聞けば夜に放送されたリプレイすら見逃したという。
阿呆にも程がある。
自らを「落武者ジャパン」と称していた彼の眼に、うっすらと涙が浮かんでいるのを私は見た。