秘密の口座

父が他界し、一人になった高齢の母に代わって息子が資産を調べると、通帳には記されない母の口座があることがインターネットで分かった。
資金は父が振り込んでいた。
母はその事を知っているのだろうか…心配になり、息子は銀行に電話した。
しかし銀行員は、母本人からの質問でなければ答えない、と頑なに教えなかった。

ある日、息子は母の住まいへ山ほど溜まった書類等を整理しに行き、偶々その口座の契約書を見た。
それは母の最期が訪れた時、息子に与えるお金だった。