プロ家庭教師 俵屋の日記

気になること あれこれ

読解を教える

2016年03月25日 | 国語
「読み」ができていないと、お勉強全般はうまくいきません。
お勉強は基本的に、教科書やテキストを読んでするものなので
そこに何が書いてあるのかが分からなければ、例え誰かに口頭で教えてもらっても限度がありますし
何より試験問題は日本語の文章で書かれているのです。
問題が読めなければ正解は出せません‥

「読み」がやばい!!
という生徒には、思い切って学年を2つ以上下げた読解問題集から始めています。
確実に読めるであろう学年の問題集を使い、
中学生でもぐっと下げて、小学校中学年、出来が悪ければ低学年まで戻ります。

「読み」と「そろばん」はピラミッドなので
下からの積み重ねしか方法がないのですね。

私がいつも使っている読解問題集は、出口先生の「論理エンジン」です。

少し長めの本文があり、
その後4ステップに分かれて短めの本文とそれに合わせた設問があります。
1回の授業で1つの本文を終わらせますが必ず見ている前でやってもらいます。

本文を読むときには、読んでいる文章の横を鉛筆でなぞりながら読ませます。
線は引かなくてもいいのですが、
そういえば、ある生徒が模試の会場で出会った小学生は、両手に1本ずつ鉛筆を持ち
本文の両側をなぞりながら読んでいたそうです。
二刀流!すごい!
なぜこんなことをやらせるのかと言えば、
今自分はまさしくここを読んでいるのだ!
という意識付けです。
流し読み、というか、とばして読んでいます、ということも実は多いのですね。
本人に自覚はないようなんですが‥

そして、読み方が早すぎないか私が横から見てチェックします。
「一文の意味が分かってから、次の一文に進む」
と指示していますが、「字を読んでいる」だけになっていると、早いのですね。
一文の中に分からない言葉があれば都度辞書を引かせます。
分からない言葉の定義は
「自分で作文や日記を書くときに使わない言葉」です。
私が見ていてん?と思ったときには、この言葉の意味は?
などと途中で止めたりもします。

更に各ステップ毎に答え合わせをします。

答え合わせのときには、合っていても間違っていても、どうしてその答えにしたのかを確認します。
「本文のどこに書いてあった?」と質問し、合っていれば褒め、間違っていればもう一度本文の意味を確認させます。

学年が下の問題集ですと、適当にやっても答えが合うのですね。
特に穴埋めや字数制限のある問題ですと
本文の意味を取っていなくても正解が出せてしまったりします。
しかし、学年を下げた問題集をやるのは確実に本文の意味がとれるから、なので
ただ答えが合っていただけでは駄目なのです。

ですから、本人が一人でやっても効果はあまり期待できないでしょう。
特に国語の場合、不正解でも正答を見ると、ああそうだったか、と
分かったような気になってしまうことも多いのですね。


かなり手間のかかる方法ですが、
一旦できるようになってしまえば一生使える財産になりますので
ここは時間がかかってもきっちりやらせたいです。

今まできちんと「読む」ことを避けてきた生徒でも「読める」をくり返していくと
「読む」ことをやれば分かるんだ!と、できるようになっていきます。
時間はかかりますが‥
なるべく早い段階で「読む」ということを身に付けさせたいですね。


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