佐藤さえ の 本棚

読んだ本の感想を書いています。

ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 2)

2014-05-06 17:57:36 | 小説
ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 2)
上遠野 浩平 著、 緒方 剛志







"種"は根付いて、やがて世界の人々は、自分でも気付かぬうちにその心の欠落を埋められていることになるだろう。, 2014/5/6 ☆☆☆☆☆



 一人で建設中止となった遊園地跡にやってきた「衣川琴絵」は、スプーキーEにとらえられ洗脳をうけ彼の端末にされてしまう。
 スプーキーEの部下である「織機 綺」とともに利用され夜の街で「イマジネーター」の探索をする。
 「末間和子」は「衣川琴絵」が変わってしまったことを母親から聞き、あわてて従兄の「飛鳥井仁」に問いただすが……。

 統和機構の一員スプーキーEは「ブギーポップ」と「イマジネーター」を監視対象として自分の端末をつかい探索を続けています。
 その端末の一人「織機 綺」はぐうぜん知り合った「谷口正樹」にブギーポップの扮装させることで本物の動きを見ようとしています。
 「衣川琴絵」はその家庭の財力を利用され、「イマジネーター」と接触するのですが。
 「イマジネーター」の行動と目的や、統和機構という組織とそこに所属する特殊能力のある合成人間、少女の幽霊。
 たくさんの人物がそれぞれの思惑で動き、衝突していきます。物語が収束し派手な結末を迎えるまで息もつかせぬ展開でした。
 面白かったです。

ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 2)
上遠野 浩平 著、 緒方 剛志


以下個人的な感想です。
お話の重要な部分がわかってしまう記述がありますので、未読の方はご注意ください。

昨日からこの感想を書こうと思っていたんだけど、思いの他時間がかかってしまいました。
この本とっても読みやすいんですね。
でもまとめようとすると、出来事が実はたくさん盛り込まれていて、全然まとめられないのです。

結局アマゾンの投稿は序盤のあらすじだけになってしまいました。
自分の感想さえ最後の「面白かった」だけです。

以下 自分用のメモです。

「水乃星透子」の幽霊が「飛鳥井 仁」に「イマジネーター」としての仕事を依頼する。

「飛鳥井 仁」は「人の心の欠落を見る能力」を持っていて、この人類の欠落を埋めるためにどうしたらいいか予備校の生徒などを使って事件をくりかえし、欠落のない種を世界に撒くことで「欠落」を埋めることができると結論し、実行することにする。彼の「イマジネーター」としての活動は以上。
 でも幽霊「透子」はそれではまだご不満。
 「イマジネーター」は完璧な人類をつくる何かのことのようです。

「スプーキーE」は統和機構の命令で動く「特殊能力を持つ合成人間」で性別はなし。電気の力で人の心を操ることが可能で、操る人々を「端末」と呼び自分の意識を他人にのせることも可能。
「飛鳥井」はその能力が自分と同じだと言って彼に協力を求めますが、残念ながらスプーキーEは自殺。「飛鳥井」は当初の計画を断念、ちょっと町にばらまくだけの極小規模なものに変更します。
統和機構に「スプーキーE」をつかって潜り込んで大規模な種まきをする予定だった様子。

「織機 綺」は「スプーキーE」の部下の端末で、組織の末端かとおもいきや見捨てられている様子。今は「スプーキーE」の子飼いのようです。
 ブギーポップを探すために「谷口正樹」にブギーポップごっこをさせていましたが、「スプーキーE」が谷口を殺そうと考えていることがわかり、それを止めるために自分を犠牲にしようとします。

「谷口正樹」は「織機 綺」にべたぼれしてしまったがために彼女のために何でもしてやろうと行動しています。実践空手を身に着けているため、ほとんど痛い目に合わずにあらゆる場面を切り抜けます。
 が、危機一髪の場面で義理の姉「炎の魔女」に助けられたり「本物のブギーポップ」に助けられたり。

「衣川 琴絵」 パート1で 従兄にご飯を手作りして食べさせる「ラノベの幼馴染」的ほほえましい行動をしています。「おお、ラノベらしい登場人物」と思ったのですが、そうは問屋がおろさなくて
世話をやいている従兄「飛鳥井」に「うっとおしい」と嫌がられていています。全然よろこばれていなくて気の毒です。
 洗脳され夜の街を徘徊している場面でも出会った従兄に洗脳はといてもらってもそのまま放置されていて、悲惨です。
 とても重要な身内の恥につながるような相談を、よく知らない「末間和子」に依頼するところが不思議。
 最初に出てきた麻薬中毒の少女とは本当に知り合いだったのかな?

「末間 和子」「飛鳥井」の勤める予備校に通い、ブギーポップが体を借りる「藤花」と親友。「琴絵」から相談をもちかけられ「飛鳥井」を調べはじめ問い詰めるところまでいきますが、何もわからないで悔しがる。
「琴絵」の見舞いに行って、「琴絵」が操られていた原因の場所が「廃墟の遊園地にある遊具ザ・ラダ-」と聞いて、居てもたってもいられずにその場所に向かう。
そこには、ブギーポップと「イマジネーター」の対決の跡だけが残っていて、何が何だかわからないままその後始末に追われます。
 「藤花」に現れたブギーポップと知らずに会話をしたり、「イマジネーター」とそれとわからずに対決したり、すごくきわどい立ち位置です。
「君の真摯な姿勢はそれ自体は立派だが……あまり周りの者に心配をかけないようにね」
 とブギーポップに言われるきわどさですよ。

「霧間 凪」 生身なのに「世界の敵」と自ら進んで対決している高校生。ほかの生徒の前には「世界の敵」は姿がわからないのに、彼女は調査してその姿を見つけたたきに出ているようです。
 自分の義理の弟が「ブギーポップ」ごっこをしていたので仰天。
「スプーキーE」の端末たちとの戦闘シーンはあまりに無双で「谷口」といっしょに読んでる私もやっぱり仰天でした。

 ピエロやぬいぐるみに扮した人々と廃墟の遊園地で大音響のクラッシックをバックグランドミュージックにして乱闘ってすごい王道の戦闘場面が繰り広げられていてサービス満点です。

 強いのが少女たち、というのが「現在らしいよなー」と思って読みました。

 パート1 でも書いたけど、人間欠けてるのはあたりまえで、「完璧にするとみんな同じ意識になる」ってのもそうだよなって思いました。
「みんな同じ意識にする」ってやっぱり「人類の敵」だよな、となんだか納得。
 みんな同じだったら……たぶんそれは「人類」じゃないだろうな。

「四月に雪が降ることもある」
 が重要な言葉で登場するのですが、岩手では普通なので、おやー?と笑っちゃいました。
(今年もたくさん降りましたよ)

 飛鳥井が「欠けているものを埋める」ことに執着する気持ちが今一つ理解できないです。
 親のかけている部分を結局最後まで面倒見きれず、迷惑こうむってきたからかな。
 

 なんか、あらすじ、やっぱりまとめられないなぁ。
 振り返ると「あれ?ここどういうつながりだったかな?」と読み落としている部分が多い。
 ただ、読み返してまで感想を書く時間がとれないぞ……。
 あきらめて、印象を投稿するのも一つの手、かも。

 歪曲王まで読んでるのですが、そこまで書くのにどれくらいかかるのか!
 やっぱりときどき追記していくのが、楽しく読みすすめるのにいいかもしれないですね。 


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