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佐藤さえ の 本棚

読んだ本の感想を書いています。

六三四の剣 (1)

2006-07-22 16:30:45 | まんが
六三四の剣 (1)
村上 もとか著



稽古でねえ!勝負だ!!, 2006/7/22 ☆☆☆☆☆


 奈良県の柳生の里にすむ東堂修羅の読みきり短編と
 岩手県の盛岡に生まれた夏木六三四の連載が掲載されています。

 幼稚園にも行かずに父親と剣道の練習にあけくれる児童修羅
 それでも、素直で良い子に育っています。

 剣道好きの両親の間に生まれた夏木六三四は、父母の愛情をたっぷりともらって、やんちゃに成長していきます。
 この巻では、飼い犬を守るために木刀で野良犬と対峙するお話や、
 四歳でチビッコ剣道大会で優勝するお話、
 中学生の大石巌と稽古をしたいがために、小学生の剣道上級者に勝負を挑むお話
 などが載っています。
 六三四の父親が楊子で刃物をもったヤクザ4人を退治するくだりを面白く読みました。
 楽しい少年マンガです。

六三四の剣 (1)



 以下ネタバレなど勝手な感想です。

 ネットでお知り合いになった Noriさん が盛岡にバスツアーで来る予定だと知って、来る前に
「盛岡ゆかりのマンガを読んだら楽しそうだな…
読んで面白かったらお勧めしよう。」
 という軽い気持ちで一巻を取り寄せたら、すごく面白くて結局10巻まで購入3日くらいで読み倒してしまいました。
 観光の前に読むようなマンガではなかったので結局Noriさんにはお勧めしませんでしたが、面白いマンガですね。

 昔の少年マンガの面白いとこがたくさん詰まっていて、小学4年生の息子も喜んで読んでいました。

 実際の3歳の子どもはこんなこと考えないでしょうが、(入院している間も竹刀が持てるように練習したりなんて)そこを省いても面白いです。

 剣道大会で轟嵐子と対戦し、最後に殴りあいになってしまうお話など、剣道について全然分からなくても手に汗握る展開でひきこまれます。
 保育園で、ガキ大将になってしまったり、ほんとうに「キカネワラシ」ぶりを発揮している巻でした。

 もなみちゃんの書き込みにくらべて 
 轟 嵐子ちゃん が丁寧に書き込まれてコマも大きく、思いいれが強いんだろうなと思いました。
 涙ぐみながら勝負を挑むシーンなど、
勝気で可愛いほっぺの女の子でとっても魅力的です。

また、このとき
「ひきょうもの!なして逃げる!?
ネズミみたぐ逃げまわって 勝つつもりだか!?」
「オ…オラ、ひきょうもんでねえっ!!」
という嵐子と六三四の会話があります。

 これ、このまま最終回の六三四のセリフ「逃げるな嵐子」と重なります。
4歳の時には嵐子が言ったセリフを
高校三年生のときには六三四がしゃべっています。

 そういえば、飼い犬の十一を助けたときも
六三四が
「オラ…負けだあ。
オラ、逃げようとしたすたもん......」
と涙ぐんでます。

このマンガのテーマに「逃げない」ということも一つあるのかもしれないですね。

 大石巌はドラえもんのジャイアンみたいなキャラクターで
素手のケンカも強いガキ大将です。
 なんだかほのぼのします。
 今のマンガにあんまりこんな人物出てこないですよね。

 この後、10巻にわたって六三四にかかわってくる人物ほとんどが登場します。

 この巻で出てきた
 県立中央病院(六三四が入院)
 耳鼻科(これは実際には皮膚科のお医者さんでした)
 武徳殿
 杜陵小学校(六三四が四天王有吉に打ち込みをするシーンに出てくる)
などは、今は更地になったり建替えになっていているので、懐かしくながめました。
 保育園となってる建物はまだあります。

 キカネワラシ:強情な子ども

 写真は私が撮影した早春の岩手山


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