リリアとトレイズ〈1〉
そして二人は旅行に行った〈上〉
時雨沢 恵一 (著), 黒星 紅白 (イラスト)
「じゃあ、次に会う人は?いい人?悪い人?」トレイズに顔を向け、リリアは問いかけた。, 2013/2/14 ☆☆☆☆☆
首都の上級学校3年生のリリアは15歳。父親ヴィルはリリアが幼い頃に亡くなっていて、空軍パイロットである母親のアリソンと二人暮らしです。
夏休みの直前、イクス王国に住むリリアの幼馴染の少年16歳のトレイズが首都に遊びにやってきて、リリア達のアパートに滞在します。
リリアは「べゼル語が堪能なこと」「飛行機の操縦ができること」が密かな自慢だったのに、トレイズもその二つが得意なことが分かり、それが気に入らなくて、とげとげしい態度を取り続けます。
そんなある日、母アリソンに極秘長期出張の仕事が入り、夏休みの親子旅行にいけなくなってしまいます。
怒り出したリリアに、母親のアリソンは「トレイズ君に一緒に行ってもらいなさい」と提案します。
はじめは驚いたリリアでしたが、あこがれていたラーチカへの旅行に行けるとあって、トレイズと二人で旅行に行く事にしたのでした。
ところがラーチカでとんでもない事件に巻き込まれてしまい……。
「アリソン」の続編。「アリソン」の登場人物たちの子ども「リリア」と「トレイズ」が主役の冒険小説です。
普通の学生であるリリアと、王子の身分を隠して生活しているトレイズが夏休みの旅行に出かけます。
トレイズはリリアに好意を寄せていますが、自分の身分を明かすことがなかなか出来ずに居る様子がいかにもライトノベルらしくほほえましいです。
憧れの街ラーチカで、二人は偶然に大きな事件に巻き込まれてしまい、トレイズは「自分とリリアを守るため」銃を使うはめになってしまいます。
二人は自分達でなんとか事件を収束させようと奮闘します。
この巻では事件は途中で下巻に引き継がれます。
物語の展開が速く、面白く読みました。
リリアとトレイズ〈1〉そして二人は旅行に行った〈上〉
時雨沢 恵一 (著), 黒星 紅白 (イラスト)
以下個人的な感想です
お話の重要な部分がわかる記述がありますので、未読の方はご注意ください。
久しぶりに読み返してみて、やっぱり面白いなと感心してしまいました。
リリアはトレイズにとてもそっけない態度を取るのですが、トレイズはそれをあまり気にしていないのんびりとした性格です。
「アリソン」はアリソンが幼馴染のヴィルに「いっしょに暮らそう」と告白しようと奮闘するお話でしたが、「リリアとトレイズ」はトレイズがリリアに「自分の身分」を告白しようとするお話。
どちらも直球で言ってしまえばいいように思われるのですが、なかなか上手くいきません。
このシリーズの三つのお話、どれも「事実をあいてに告げる」ことがテーマなんですが、見返してみると障害があるわけじゃないんですよ。
本人が只モジモジして相手に伝えられないだけなのです。
そこが面白いのですが……実際そういうものなので。
トレイズについては、「好きだ」という告白をするのかと思ったら、最終巻で
「好きなのかどうか良く分からない」とリリアの前で言ってリリアに驚かれる始末です。
(私も驚いた)
リリアとトレイズは、「戦時中の軍のパイロットアリソンと天才ヴィル」よりも、もっと普通の女子学生リリアが主人公。
トレイズは身分は王子ですがいたって普通の気性少年。
それでも巻き込まれる事件は軍用飛行機に銃撃されるような大事件。
面白かったです。
下巻で分かるのですが、リリアが「いい人」とした人物が実は極悪人であったり、トレイズが身分を隠しているように、リリアのお父さんは存命で仕事のためとはいえ別人として生きていたりします。
リリアだけにはトレイズもアリソンもヴィルも知っている裏の話はしません。
たぶん、彼女を守るために。
そして二人は旅行に行った〈上〉
時雨沢 恵一 (著), 黒星 紅白 (イラスト)
「じゃあ、次に会う人は?いい人?悪い人?」トレイズに顔を向け、リリアは問いかけた。, 2013/2/14 ☆☆☆☆☆
首都の上級学校3年生のリリアは15歳。父親ヴィルはリリアが幼い頃に亡くなっていて、空軍パイロットである母親のアリソンと二人暮らしです。
夏休みの直前、イクス王国に住むリリアの幼馴染の少年16歳のトレイズが首都に遊びにやってきて、リリア達のアパートに滞在します。
リリアは「べゼル語が堪能なこと」「飛行機の操縦ができること」が密かな自慢だったのに、トレイズもその二つが得意なことが分かり、それが気に入らなくて、とげとげしい態度を取り続けます。
そんなある日、母アリソンに極秘長期出張の仕事が入り、夏休みの親子旅行にいけなくなってしまいます。
怒り出したリリアに、母親のアリソンは「トレイズ君に一緒に行ってもらいなさい」と提案します。
はじめは驚いたリリアでしたが、あこがれていたラーチカへの旅行に行けるとあって、トレイズと二人で旅行に行く事にしたのでした。
ところがラーチカでとんでもない事件に巻き込まれてしまい……。
「アリソン」の続編。「アリソン」の登場人物たちの子ども「リリア」と「トレイズ」が主役の冒険小説です。
普通の学生であるリリアと、王子の身分を隠して生活しているトレイズが夏休みの旅行に出かけます。
トレイズはリリアに好意を寄せていますが、自分の身分を明かすことがなかなか出来ずに居る様子がいかにもライトノベルらしくほほえましいです。
憧れの街ラーチカで、二人は偶然に大きな事件に巻き込まれてしまい、トレイズは「自分とリリアを守るため」銃を使うはめになってしまいます。
二人は自分達でなんとか事件を収束させようと奮闘します。
この巻では事件は途中で下巻に引き継がれます。
物語の展開が速く、面白く読みました。
リリアとトレイズ〈1〉そして二人は旅行に行った〈上〉
時雨沢 恵一 (著), 黒星 紅白 (イラスト)
以下個人的な感想です
お話の重要な部分がわかる記述がありますので、未読の方はご注意ください。
久しぶりに読み返してみて、やっぱり面白いなと感心してしまいました。
リリアはトレイズにとてもそっけない態度を取るのですが、トレイズはそれをあまり気にしていないのんびりとした性格です。
「アリソン」はアリソンが幼馴染のヴィルに「いっしょに暮らそう」と告白しようと奮闘するお話でしたが、「リリアとトレイズ」はトレイズがリリアに「自分の身分」を告白しようとするお話。
どちらも直球で言ってしまえばいいように思われるのですが、なかなか上手くいきません。
このシリーズの三つのお話、どれも「事実をあいてに告げる」ことがテーマなんですが、見返してみると障害があるわけじゃないんですよ。
本人が只モジモジして相手に伝えられないだけなのです。
そこが面白いのですが……実際そういうものなので。
トレイズについては、「好きだ」という告白をするのかと思ったら、最終巻で
「好きなのかどうか良く分からない」とリリアの前で言ってリリアに驚かれる始末です。
(私も驚いた)
リリアとトレイズは、「戦時中の軍のパイロットアリソンと天才ヴィル」よりも、もっと普通の女子学生リリアが主人公。
トレイズは身分は王子ですがいたって普通の気性少年。
それでも巻き込まれる事件は軍用飛行機に銃撃されるような大事件。
面白かったです。
下巻で分かるのですが、リリアが「いい人」とした人物が実は極悪人であったり、トレイズが身分を隠しているように、リリアのお父さんは存命で仕事のためとはいえ別人として生きていたりします。
リリアだけにはトレイズもアリソンもヴィルも知っている裏の話はしません。
たぶん、彼女を守るために。