Seriously?

ひとりごとです

映画 ◼️◼️福田村事件◼️◼️

2023年09月13日 | 映画
ものすごくよかった
今のところ2023年ナンバーワン
 
関東大震災から100年目の今年
同じ9月に観た
 
関東大震災後に
「朝鮮人があちこちに
火をつけてまわっている
井戸に毒を入れてまわっている
略奪、強盗をして
混乱を大きくしている」
というデマが流れて
朝鮮人が日本人によって
集団で暴行されたり殺されたり
したことがあったという話は
聞いたことがあった
 
そしてこれは
朝鮮人だと誤解されて
村人達に襲われ
15人中8人を殺された
香川から来た薬の行商達の物語
 
 
100年の間
こんなことがあったとは
ほとんど知らされてこなかった
 
葬り去られようとしていた事件に
スポットを当てた功績は大きい
 
 
この映画は史実を元にした
フィクションであるが
こんなふうに集団パニックが
広がっていたのかな?と思った
実にありがちな流れだと思った
 
 
日本人のやらかした残虐行為への
強烈な批判だが
いやいや見どころは
それだけではない
 
キャスティングが見事で
一人一人の登場人物が
とても人間味ある姿に
立体的に作り上げられているので
人間ドラマとしても引き込まれる
 
村の人々の人間関係は
とても俗っぽくて
村人達に心を寄せながら
楽しく見ることができた
 
東出昌大にあのような役を
やらせるとは!
(そして引き受けるとは!)
 
 
 
映画 ◼️◼️福田村事件◼️◼️
 
 
 
 
 
ネタバレ感想
 
ちょうど今
ジャニーズ事務所の問題で
「マスコミ各社はなぜ
問題を認識しながらも
報道しなかったのか」
という討論を慌ててやっている
 
マスコミというのは本来
世の中にある不正を暴いて
視聴者に警告し
問題が深刻化することを防いだり
政治が暴走しそうになるのを
監視しブレーキをかける
役割があることになっている
 
でも
観たり読んだりしてもらえないと
(買ってもらえないと)
食べていけないから
視聴者の欲しがるものばかり与えて
スポンサーの不都合なものは
隠して
社会の警察犬的役割は
全くなくなってる
 
 
福田村事件を起こしてしまった
背景に
今日と同じように
弱いジャーナリズムがあった
 
「朝鮮人が井戸に毒を入れたり
略奪、強盗や
放火を繰り返している」
という噂を新聞に載せる前に
自分の足や目や耳を使って
その噂が本当なのか
確かめていなかった
 
今も昔も日本のジャーナリズムは
変わらない
大きな問題があっても
見て見ぬ振りをする
特にオーソリティーの闇を
突いて暴くマスコミは皆無に近い
 
 
そして今ネット上では
フェイクニュースこそ早く拡まる
こんな時代に
ジャーナリズムは
「デマ」を「嘘だ、信じるな」と
警告する力を
発揮してくれるだろうか?
 
福田村事件は
今の方が起こりやすいのか
なんてことを考えた
 
 
「朝鮮人が井戸に毒を…」の
デマが流布した背景に
日本の占領に反対する
三・一独立運動(1919年)後
日本国内でも暴動が起こることに
警戒や不安を抱えていたことが
あったようだ
本当に学びの多い映画だった
そして身につまされた
 
映画見たあと色々調べて出てきた
提岩里教会事件とか
知らない闇が多すぎる
 
 
 
瑛太演じる行商人グループの
リーダーの頭を
女性が斧で割ったことが
集団殺人の口火を
切ることになったのだが
あの女性がなぜ
進んであのようなことをしたのか
ちょっと分からなかった
何か見落とした背景が
あったのかな?
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