その日暮らしの日記 in 山形

山形県内でのんびりと過ごす男が身の周りの出来事を不定期に載せていくものです。

切削加工 ノート6

2006-08-06 16:18:11 | Learn
7.切削仕上げ面の品位
仕上げ表面の幾何学的性状
・あらさ(ピッチの細かい凹凸)
・うねり(ピッチの大きい凹凸)
・加工変質層
・残留応力
・化合物被膜

7.1 表面あらさの表示法
断面曲線
a.最大高さ Rmax
b.10点平均あらさ Rz
c.中心線平均あらさ Ra

7.2 切削仕上げ面あらさを支配する要因
7.2.1 幾何学的要因
7.2.2 非呈上要因
()構成刃先ないし切れ刃への凝着物
()工具磨耗
()切削面の盛上がりと掘起こし

7.3 構成刃先[built-up edge]
工具の刃先に被削材の一部が堆積し、加工硬化を起こし(地金の数倍の硬さとなる)
それが事実上の切れ刃となる付着物をいう

7.3.1 構成刃先の発生
凝着を起こす機構
()金属同士がそれぞれの金属原子間隔程度の距離で引き合っている
()拡散が起こる
()合金を作る
()金属間化合物を作る

強固な凝着を起こすための条件
()互いの金属が可溶性
()互いの結合形式が金属結合
()必要かつ十分な温度
()必要かつ十分な接触時間

凝着を起こす準備条件
()金属が十分な延性を持ち、塑性変形によって広い面積で生地を
露呈して金属接触を可能とする
()圧力が十分高くお互いの原子の作用力場のうちに接近しうる
()接触面が十分にきれい
()接触面が幾何学的になめらか

7.3.2 構成刃先の成長
切削速度:大 →温度:高
→構成刃先:軟化 →構成刃先除去

中程度の速度で構成刃先が最も成長しやすく切削仕上げ面あらさも最大

7.4 工具材の影響
工具の刃部形状、切削条件が一定でも工具材の相違によって
切削仕上げ面あらさが違ってくる
・構成刃先の発生しやすさ
・熱仕事率の相違やすくい面の摩擦係数の違いにより切削温度は異なる
→構成刃先の成長が異なる
→切削仕上げ面あらさが違ってくる

7.5 被削材の影響
・工具材が金属材料の場合、被削材が金属的なほど構成刃先が発生しやすい
・被削材の延性:大 →構成刃先が発生しやすい
・被削材の延性が無さすぎると掘起こしを生じ切削面に凹凸

7.6 切削条件の影響
7.6.1 切削速度
温度に最も強い関係
低速:温度低 →構成刃先が発生しにくい
中速:構成刃先の発生&成長
高速:高温 構成刃先の軟化で成長できない

7.6.2 送り量
切削速度:大 →送り量:小でも正常領域
送り量:大 →切削速度:低でも正常領域

送り量が増大すれば温度が上がり構成刃先の成長を妨げる効果

7.7 工具刃部形状の影響
7.7.1 コーナ半径
コーナ半径:大 →正常領域に入りにくくなる
7.7.2 前切れ刃角
前切れ刃角:小 →切削仕上げ面あらさ:減少
7.7.3 横すくい角
低速域で行われるリーマ加工、ブローチ加工、ヘール仕上げなどで
横すくい角を大きくする(切削比:大)ことで切削仕上げ面:良

7.8 切削油剤の影響
すくい面を潤滑→金属接触が妨げられる→構成刃先が発生しにくくなる

高速域では切削油がすくい面に浸入することは期待できない
水溶性切削油は切れ刃や工作物を冷却できる
冷却により 正常領域→非正常領域に入り、仕上げ面が悪くなることが多い
※実際は切りくずの処理性や加工精度の点から、多少切削仕上げ面あらさを
増しても水溶性切削油剤による湿式切削を行うことが多い

7.9 工具磨耗の影響
仕上げ面あらさに影響:溝状の境界磨耗
境界磨耗:酸化が原因
工具材の酸化を防止するような雰囲気や切削油剤を用いる。
または酸化しにくい工具材(ex.サーメット)を用いることで対策

7.10 工作機械の影響
工作機械主軸の回転中心ずれ
送り量、切り込み量のムラ
→仕上げ面のあらさ

7.11 切削仕上げ面の材質的性状
加工によって材質的に変化した表面層→加工変質層
加工変質層の成因
(1)機械的エネルギー
塑性変形による結晶格子の乱れ、格子欠陥の増加など
(2)熱エネルギー
相変態、組織変化 など
(3)1,2の複合 ・・・一般にこれが多

バイルビー層(Beilby)
表面をポリシングや冷間加工したとき等に生じる数十Å程度の深さで
結晶格子が崩れて原子がバラバラになった状態(液状の層)

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