時々刻々現社的学習2009

「現代社会」の授業用ブログ

クールジャパンと日本のポップカルチャー

2010-01-12 09:11:56 | 日記
日本のアニメと漫画(マンガあるいはMANGA)が欧米諸国を始め、世界中に広まっているのはだれもが知っている。しかし、それだけではなくて、(日本ではかなり特殊視されている)アニメやマンガ・ゲームのキャラクターのコスプレや「オタク文化」が(かなりふつうに)アニメファンに受容されて広がっている。さらには、日本のファッション(ロリータ・ファッションから女子高生の制服ファッションまで)や音楽(J-POPからビジュアル系ロックまで)まで10代・20代の若者の関心の輪が広がっている。(これらはメインストリームの文化とはちがうので、サブカルチャーあるいはポップカルチャーとよばれる)
こうした日本のポップカルチャーの浸透は、まだ若者を中心にした一部の層に過ぎないということもできる。(つい何年か前はたしかにそう思われていた)しかし、最近になって(たぶんインターネットの急速な普及が影響しているが)日本文化への関心がたんに一部の若者だけでなく、また、ポップカルチャーにかぎらずさまざまな日本人の生活文化(ライフスタイル)全般に及ぶような「日本ブーム」というような現象になって世界中に広がりつつあるらしい。それを牽引しているのはたしかに日本の原宿や秋葉原を「聖地」として憧れる世界の若者たちなのだが、それにとどまらない影響力をもちはじめているようだ。
では、いったいどうして「今、日本のポップカルチャーが賞賛され受容されているのか?」、また、「なぜ、日本人のライフスタイルが注目されているのか?」、こうした点について考察してみたい。


■仏で「日本エキスポ」開幕 世界最大規模、ポップ文化を発信
(2009年07月02日 :共同通信記事から)

【パリ2日共同】日本のポップ文化やサブカルチャーの愛好家が集う「ジャパンエキスポ」が2日、パリ郊外の見本市会場で開幕した。10回目の今年は、5日の閉幕までに約15万人の来場が見込まれており、海外で日本のポップ文化を発信する世界最大規模のイベントに成長した。

 今年は日本のゲーム会社やソフト会社など民間企業、団体のほか、外務省、経済産業省、観光庁の3省庁が連携してイベントを開催、日本の官民を挙げて盛り上げているのが特徴だ。

 外務省などが共催する「ジャパン・ポップカルチャー・フェスティバル」には、ポップカルチャー発信使(通称カワイイ大使)が派遣され、ファッションショーなどに参加。経産省はゲーム、アニメ、マンガ、放送、音楽、映画といったコンテンツ産業のイベント「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の関連行事を主催する。観光庁は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」のブースを出展する。

 ジャパンエキスポは00年7月、フランスの日本ポップ文化愛好家らがスタートさせた。


■カワイイ大使、世界にポップカルチャー発信
[東京 12日 ロイター] 

東京発のポップカルチャーの国際的知名度を上げるため、若者に人気のファッションを身に着け「大使」に任命された女性たちが12日、外国の記者らにお披露目された。

 外務省のホームページによると、「ポップカルチャー発信使(通称「カワイイ大使」)」を務めるのは、ロリータファッション界人気モデルの青木美沙子さん、原宿系ファッションの木村優さん、ブランド制服店アドバイザーの藤岡静香さんの3人。

 外務省で文化交流課長を務める中川勉氏は、記者会見で「外国の人々にこのような文化が日本にあることを知ってもらい、身近に感じてもらえたら」と話した。

 3人は7月にパリで開催される「ジャパンエキスポ」などへの参加を予定している。


<コメント>

この「日本ブーム」とよぶべき流行現象は、一過性の一時的なものではない。フランスの「ジャパンエキスポ」はもう10年続いているが、年々参加者が増加している。フランスだけでなくスペイン・ドイツ・イタリア・アメリカで数万人規模の同様のフェスタ(ほとんどはマンガ・アニメ中心)が開催されている。それも最初は「アニメ・マンガ」中心(多くは地元の出版社が主催)であったものが、次第に日本文化全般に興味が波及している点に特徴がある。共通しているのは、アニメ・マンガから出発して日本のポップカルチャーが世界の若者たちに受け入れられて普及し始めているということである。たとえば、「カワイイ」はもはや世界共通語になっているし、カワイイの象徴的なアイテムとしての「ハロー・キティ」グッズは世界中に普及している。

かつて日本人にとってのアメリカ文化(ディズニーアニメやハリウッド映画はいまも健在だが)やビートルズをはじめとするポップカルチャーの影響力と同様のことを、日本のポップカルチャーが引き起こしているということである。日本のアニメを観て育った若者世代がある意味、日本のポップカルチャーを身近なものと感じるのは自然なことだということかもしれない。


(設問 1)なぜ、日本のアニメやマンガが海外で受け入れられているのか?

(設問 2)アメリカ製のアニメやマンガ(ディズニーやアメコミ)と日本製アニメ・マンガのちがいはどこにあると思うか?

(設問 3)日本製アニメ・マンガの特徴を具体的に作品をあげて説明しなさい。

(設問 4)日本のポップカルチャー(ファッション・音楽など)が海外の若者にクールととらえられている理由は何か?