ジャズトロンボーンの神様J.J.ジョンソンでさえ、アドリブは事前に考えられていたのではないかという話もあります。J.Jのアルバムの中では、同曲の別テイク録音(いやゆるボツ)がボーナストラックとして収録されているCDが時々ありますが、どのテイクを聴いてもだいたい同じようなフレーズを吹いています。J.Jのアドリブがただの音の羅列ではなく、メロディックで音楽的なフレーズなのは、やはり事前にしっかり考え練り上げたフレーズだからなのではないでしょうか。
ただ、事前に考えたアドリブフレーズを間違えないように、外れないように演奏していては、他の演奏者とのコミュニケーション、インタープレイ(音と音との会話)が全く断絶されてしまうので、事前に仕込んだフレーズを基本にしつつも共演者とのコミュニケーションも大切にして臨機応変にフレーズを変化させていくと良いと思います。
