DTMの定番中の定番音源であるがために不当な評価を受ける事の多い88なんですが、なんだかんだいっても使い勝手は非常に良く、とりあえず(あ~やっぱり”とりあえず”だ)、88で作っておけば凡庸性もあるし(他人とMIDIデータでやり取り出来る)、ほとんどの楽器音色が網羅されているので、一応どんなジャンルでも対応可能。日頃から非常に重宝しております。あって当たり前のような存在なので、ある意味空気みたいなものか・・・。
僕にとって88はあって当たり前の機材なので、良いとか悪いとか特に何も感じるところはなかったのですが、3年前にレイ・ハラカミの「Lust」というアルバムを聴いて、改めて88という音源を再認識しました。というか衝撃を受けました。レイ・ハラカミは一貫してSC-88Proのみで電子音楽を創作しているアーティストなんですが、その存在を知るキッカケとなったのは、「Lust」というアルバムが何週間も渋谷HMVでヒットチャート1位になっているのが気になり、インストでしかもダンスミュージックでもないし、クラブ系でもないし、最初はなんでこんな音楽が渋谷HMVのヒットチャート1位なんだろう・・・、と疑問に感じたのでした。このアルバムを購入して家でじっくり聴いてみても正直最初はあまりピンとこなかった。で、何回か聴いているうちに、レイ・ハラカミ独自の音世界にすっかりハマってしまった。噛めば噛むほど味わい深くなるように、聴けば聴くほどその良さがわかる。聴く度に驚きと新たな発見がある音楽ですね。だから聴く度にどんどんハマっていく訳です。それにしても、巷に溢れているパッと聴きのいい音楽だけではなく、レイ・ハラカミのような音楽がヒットチャート1位になる事自体素晴らしいと思います。世のリスナーの方達の趣味、センスの良さを感じますね。
LustRei Harakamiこのアイテムの詳細を見る |
ん~、やっぱり道具(機材、楽器)の善し悪し、高級品か安物かなんて関係ないのだな。