中級レベル以上の生徒さんには必ず取り組んでもらっているCharles ColinのAdvanced Lip Flexibilitiesですが、ある程度吹ける人はハイBbまでは特に苦労なく進むのですが、ハイCからが急に難しくなるようです。確かに僕も学生の頃はハイCを出せるまでに大きな壁がありました。高音域を出すのには何段階かの壁があって、チューニングで吹くBbから1音上のCに上がるまでにひとつの壁があり、そこをクリアすると今度はFからGに上がるまでに壁があり、更にハイBbからハイCに上がるまでに壁があるのではないかと思います。ハイC以上になると半音ステップで壁があり、ハイFまで攻略できればあとはダブルハイBbまでは比較的容易に出せます。
このブログでも今まで何度もAdvanced Lip Flexibilitiesを紹介していますが、この教本の中のハイCの練習メニュー「RANGE TO C」と「LIP TRILLING TO C」の模範演奏をもう一度載せておきますので、参考にしてみてください。

「RANGE TO C」の模範演奏

「LIP TRILLING TO C」の模範演奏
少しアレンジして最後のリップトリルを延長し、最後にペダルトーンを吹いていますが、このように練習すると更に効果的です。
重要なポイントとしては、
1. 絶対に力まないこと(力で高い音を出すのではない)
2. 息のスピードコントロールが最も重要(唇の形はあまり変えない)
3. アパーチュアは出来るだけコンパクトにまとめ、唇の振動面積を小さくする
4. マウスピースを当てる位置は、上唇2/3~3/4、下唇1/3~1/4が理想。
つまりカップの中は上唇が大半を占め、下唇はカップにほとんど入れない。
5. 小さめの音量で練習すること
6. 息の一筆書き
「息の一筆書き」については、実際のレッスンでも頻繁に言うことですが、まさに毛筆での一筆書きと同じ感覚で、この感覚をイメージして息を出し、息のスピードをコントロールすることです。おそらくこの「息の一筆書き」のイメージが最も重要なポイントなのではないかと思います。音符1個1個を追って息を吹き込むのではなく、息で1本の線を書くイメージで最初の音から最後の音に向かって一筆で書き切る(吹き切る)。一筆で吹き切る中で音域が高く上るポイントでは息のスピードを加速し、音域が下がるポイントでは息のスピードを緩めます。
以上のポイントをしっかり押さえて練習を積んで行けば、ハイC以上の高音域の演奏でも力むことなく、また聴いている人にも「高い音でキツそう~、苦しそう~、大変そう~」という印象を与えてしまうような音ではなく、美しく伸びのある音で演奏できるようになります。長時間の高音域演奏でもバテにくくなります。
ですが、文章ではとても説明しきれないので、模範演奏を聴いてイメージを掴んでください。
