どんちゃんの田楽と狐のgooブログ

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作られてしまった面白くないふるさとの歴史=王子のとんでもない伝承

2012-06-23 11:51:19 | 地域芸能
作られてしまった面白くないふるさとの歴史=王子のとんでもない伝承
(東京都北区王子)

ふるさと王子の伝承についてだけのことですが幾つも納得できないことを見つけました。
それだけから見ても正していきたい歴史がどれだけ一体周りにあるんだろう、って思ってしまいます。
気にしなければそれでよいと言えば良いのでしょうが、知らないではずいぶんもったいない話だと思うんです。

王子には自分の把握している誤まった王子の歴史伝承話が四つあります。
1. 王子田楽は熊野から伝わった、としてきた古学者方の論。
2. 王子の田楽は農作物の豊穣を祈るおどりだ。
3. 王子の狐火は関東中から集ってくるという民話伝承だ。
4. 安藤広重の最高傑作浮世版画絵「王子装束ゑの木大晦日王子の狐火」は榎木に集った狐が装束を着替えて
向こうの森の王子稲荷へ向かう絵である。

これだけでも歴史って結構、誤まったり変更されたりしてきているものだなあと思うのです。


1. 王子田楽は熊野から伝わった、としてきた古学者方の論。について
田楽の研究は明治、大正、昭和初期、にかけて盛んにおこなわれました。
そこでは「熊野から伝わった王子田楽は・・」と学者方が一様に論をすすめていました。
この論の源は江戸時代の中ごろに「江戸砂子」という江戸の名所地誌が、王子神社の縁起絵巻の中の王子神社境内で舞う熊野から伝わったという記載のある「花しずめ」の説明を王子田楽の解説と読み違えて紹介したのが始まりです。以降、他の書がそれを引用し、年代を踏んでも訂正されず、ついに昭和にまで引用されつづいてきたものでした。
生前、昭和63年8月、王子神社田楽祭で王子田楽をご検証中の故本田安次先生→

国の文化財審議委員をつとめられ、早稲田大名誉教授であられた故本田安次先生が、戦前、那智大社の神主さんがぜひ那智から伝わったとされる王子田楽を見てみたい、とおっしゃっていたのでご案内して王子田楽を共に見たときに言われたのは「那智とは全然ちがいますね」とのことだったと本田先生は拙宅にて話されました。
昨今は私が幅広くこのことをネットで広めているせいかはわかりませんが、「王子田楽は那智の写し」などという説明はようやく少なくなりましたが、あい変わらず古い学者の説明を引用しているものがみられます。


2.王子の田楽は農作物の豊穣を祈るおどりだ。について
どこででも王子田楽という言葉を出すと農業の芸能との言葉が帰ってきます。王子田楽は明瞭に魔よけを行う修験思想を背景とする躍りであって、農耕儀礼のものではありません。
当ブログ「王子神社の田楽」項をご覧ください。


3.王子の狐火は関東中から集ってくるという民話伝承だ。について
王子の狐火伝承はおそらく平安時代ころからのもので、徳川幕府が政治干渉にはいるまでのたいへん長い歴史にわたり東国三十三ケ国からの狐火伝承であったものを、寛政の改革時にその伝承を不許可にした、その後に今のような「関八州から集合」と作り変えられたのです。
こちらのことは当ブログの「王子神社(旧称・王子権現)の歴史のこと」項の中の王子稲荷神社の話のところと

リンク→
「王子狐の歴史・東国三十三ケ国の狐が王子に集合」をご覧ください。

4.安藤広重の浮世版画絵「王子装束ゑの木大晦日王子の狐火」は榎木に集った狐が装束を着替えて向こうの森の王子稲荷へ向かう絵である。について
鮮明な版画を見てみれば歴然です。
狐の群れ部分の拡大→

狐は向こうへ向かうのは無く、全部の狐が民家の間をすりぬけてこちらの榎木の大木めがけてやってくるのです。狐が出てくる向こうの民家と森は、ほかの浮世絵を見ればわかるのですが正に王子稲荷神社の鎮座するたたずまいなのです。これがどうして”王子稲荷へ向かう絵”なのでしょうか?世の中の人がこれに気づかれなかったのが不思議です。ネットで調べて見てください。狐が向こうの稲荷の森へ向かうと説明しているのがごちゃごちゃ出てきますよ。

絵を描いた広重とそれを解説して売り出した版画商人との全く違った思惑があると見ました。この謎を解くことは歴史の大きな発見にたどり着くでしょう。
この絵は広重最晩年のものという話題のほか、広重生涯の最高傑作とも評されるものなのですよ。
お若いみなさん、ぜひこのナゾに挑戦してください。
真実を見ようとしない方には興味ないことでしょうけど。

このことは項をあらためて書かせていただきます。



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1 コメント

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王子稲荷に関して (本田不二雄)
2013-09-19 16:37:16
はじめましして。
編集者・ライターの本田不二雄と申します。今回、私は仲間の編集者と私的に江戸・東京の民俗信仰を捉え直し、再発見する試みを企画しており、その最初に王子の稲荷信仰について調べてみようと考えております。
そんな折、貴ブログを大変興味深く拝見いたしました。
つきましては、もしお時間が許しましたら、御説を拝聴いたしたく存じております。もし可能であればですが、再来週の10月3日に、王子を訪ね、現場取材を行いたいと考えており、この日にお時間が頂けたら大変幸甚なのですが、如何でしょうか。
勝手申しあげて大変恐縮です。この取材の一環で、お話が伺えたらと考えたまでですので、無理であれば、お気遣いは無用です。
なお、当方のメールアドレスは、shonen@f2.dion.ne.jp
フェイスブックは「本田不二雄」で登録しておりますので、こちらにご返事賜れれば幸甚です。
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