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伝統芸能の存続は北区のも他所のもむずかしい

2012-06-30 18:46:32 | 地域芸能
(東京都北区)
伝統芸能の存続は北区のも他所のもむずかしい
ここで話題にさせていただくのは、民間の芸能でありまして、職業芸能ではございませんので、よろしくおねがいいたします。

北区のも他所のも伝統芸能の存続はむずかしい。でも行政も民間もあまりそのことに踏み込んで取り組もうとしていないのがどこを見ても大方の現実のように思われます。

社会全般の経済状況が不調になったから衣食住にさしあたって関係の無い伝統芸能には目が向かなくなる、という面があることは否定できないことですが、でもそれは芸能を継承しようとする課題にとっては一つの側面に過ぎないにちがいない、と考えます。

むしろ、経済成長の中で人々が、他を思いやる、という心を捨てる道を選びながら日常を営んできた文化が今の文化であり、じつはここが問題なのだと思うのです。その中には昔の人々が大切にしていたものを忘れただけ、というよりも、馬鹿げた行為と否定してかかる向きが見られるのです。

昔の人が行なっていた中に、配達人にねぎらいにタバコや飲料、菓子やパンを「ご苦労様」と渡す日常がありました。しかし、この行為は医者への寸志とか、はては他のことではワイロということもあって、社会不公正の面からの否定がなされました。
だが、これが身の回りへの思いやりややさしさというものを放棄することの好都合な理由付けをも伴っていったわけでしょう。自分の利得の優先の前に人へのやさしさを捨ててきたということでしょう。


論理の増長
一旦こっちだ、と方向性が決まってしまうと、みんなが片方を放棄して良しとされたそちらへ大きく偏って押し寄せる、というのは世のなかの傾向です。
生活保護の場合も同じで、家族に病人とかがいらして本当に働きたくても働けないとかいうような困っている方ではない働ける人まで職を得ないで儲かる方に居座ろうとする人が続出した結果が沢山出たという面が問題なのでしょう。
先記の、周囲へのやさしさ、もこういう我勝ちの流れの中に置いてけぼりとなり、あたかも周囲へのやさしさまで時には後ろめたさを感じることもあるような世の中になってしまった、と言えましょう。

いま、社会不公正の否定という良い秩序を維持しながらも、かつて日本人のなかにあった「思いやり」の良い秩序を掘り起こしてみることは荒れた社会の救いとなるにちがいない、と思います。


伝統芸能に思いやりの支援行動を
伝統芸能の伝承が危うくなると、行政からの補助を求めるのは当然必要となるし、そうした要望は自然の流れではあります。
しかし、ここで考えてみたいものです。

民俗芸能の地べた芸をただ(無料)で見られるという常識はいま一般化しています。
技術技能はカネになる、というあたりまえの社会にあって、なぜ民間民俗芸能者だけがカネに出来ない状況に置かれたままの現状を差別と感じないのかも議論されていいのではないでしょうか。

かつては「おひねり」とか「かどづけ(門付け)」とかは地周り芸能者に対して全国あたりまえの習慣としてありました。
今はそれはほぼ失われと言えましょう。観光目的で高い旅費を使って見に出かけることはしても、現地の芸能者におカネを落とすことはきわめて稀だと思います。

民俗芸能の地べた芸をただ(無料)で見られるという常識をはもうこのへんで終わりにして、見料を払って見るもの、ということがあたりまえになることは、芸能者に大いな助けになるからです。


行政が指定しない民俗芸能にも地べた見料が得られれば自助努力の元気が生まれます。行政は補助しないから困るという議論の前に、地べた芸から写真や記事ネタを得る人々が地べた芸にカネを落とさないという薄情な社会の方を問題にすべきだと思います。行政のせいばかりの議論はもう越えようではありませんか。

自分は民俗芸能を復興するにあたり民俗芸能研究者の過去のご研究からどれだけ多くのものを手にできたか計りしれません。今は芸を立派にお見せできることで恩返しをしているつもりですが、演じる側としましては演じる側の苦悩の現実に「直接」届くご支援のあり方を世論化して戴くことがあったらと、厚かましく思うのです。

たとえば、芸能を行う神社のばあい、芸能者支援箱、のようなものを置いていただき見物者から芸能者への寸志を頂戴する、といったことが全国で行われたら良いのでは、などと思います。


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