先行的腎移植をしたみっこ師匠のブログ

ドナーとして息子に腎臓を提供し2017年に生体腎移植をしたみっこ師匠の体験記と息子達との生活を綴っています。

5月28日入院の日

2024年06月16日 | 日記
入院セットの用意なんて
慣れない方が良いのだけれど
プラスチックのカゴに
シャンプーやボディーソープ、
ハブラシなどの
洗面用品を入れておくと
そのまま病室に置いておけるし
使う時にはそのままシャワー室へ
持ち運べて濡れてもいいし
とっても便利だったので
今回もカゴに入れて準備しました。



朝、
大きなバッグやペットボトルなどの
重い荷物はユウキが先に
車に運んでくれていて、
入浴を済ませた看護師クンも
車に乗り込みました。

私は
「息子を守って下さい」と
神棚に手を合わせながら
私達が腎移植手術をした時、
ばぁちゃんが用意してくれた物には
お線香のにおいがした事を
思い出していました。

車に乗ってからも
気持ちが沈んで黙り込む私に
ユウキが途中のコンビニで
コーヒーを買ってくれました。

I医大の入院受付で
順番を待っている時
「限度額認定証持ってきてくれた?」と看護師クンに聞かれ
頭が真っ白になった私…

全く預かった覚えがないのです。

「封筒サイズだった?」
「A4の紙」
そんな大きな物渡された?

「昨日言ってくれれば良かったのに」
「おかーさんにデパートに買い物行く前に渡したよ」

そんなやり取りをしていたら
ユウキが一言
「昨日一晩あったのに2人して確認してないのが悪い!」

全くその通りです

自分でも
どうしてしまったのかと思う程
ヌケてました。

手続きの時に
忘れてしまった事を話し
明日提出する事にして
病棟に行って病室に入りました。

担当看護師さんから
今日の予定の説明を聞き
面会許可書の申請手続き、
先生から明日の手術の説明を受け
ました。

腹腔鏡視下手術で左腎臓を摘除する。
同じ腹腔鏡下でも
ドナーと違う所は
ドナーの腎臓は移植するため
傷を付けず摘出するので
傷も大きく
筋肉も大きめに割くそうで
そのため
術後の痛みはドナーの方が
強いとの事でした。

今回の場合は
既に機能していない腎臓で
萎んできているので
そのまま摘除するとの事。

一通り先生の詳しい説明が終わり
承諾書などへの記入が済んで
お昼ごはんが配膳される
時間になったので
ユウキと私は帰る事にしました。

エレベーターの前で
少しさみしそうに手を振る
看護師クンと「明日来るね」と
言って別れました。

帰り道
ユウキとお昼を食べていても
私は限度額認定証の事を考えて
ソワソワ

家に帰ってから
あちこちさがしたけど見つからなくて

リビングのサイドボード
寝室の引き出し
新聞入れなど
全部ひっくり返してみたけど
見つからない!

看護師クンに電話をして
電話で話しながら
受け取った時の状況を聞くと
💡もしかして!?

ありました!
神棚に大切に置いてありました。

封筒のまま置いてあって
開くとA4サイズ。

電話口で
看護師クンが「よかった〜」
私は「ごめん〜」と。

忘れないうちに
明日持って行くバッグに入れました。

いつの間にか気持ちも明るくなって
やる気も出てきました。

明日が無事に終われば
大丈夫だよね✨

そう思いながら
ひっくり返した引き出しの中身を
片付けました。

続きます


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5月27日入院前日

2024年06月15日 | 日記
1日仕事を勤めてから
看護師クンは我が家に帰ってきました

夕食が終わって
「今日は美味しいアイスを食べる!」と言った弟にユウキが
「これで好きなアイスを買って来て」とお金を渡しました。

嬉しそうに看護師クンは
コンビニにアイスを買いに行き
自分のお金では買わ(え)ない
ハーゲンダッツを食べながら
「明日からはまな板の上の鯉だから」と言いました。

その言葉に
手術室に向かう時の
あのなんとも言えない気持ちを
思い出し
「逃げ出したくなるけれど
逃げるわけにもいかないし
手術室に行きたくないけれど
行かないわけにもいかないし」と
看護師らしからぬ発言をする私。

逃げ出したかったり
泣き出したかったりする気持ちを
こらえながら
誰もが同じ様な気持ちで手術室へ
向かうのだろうなと思いました。

手術が決まってからは
「手術嫌だなー」と言っていた
看護師クン。
いろいろ思う事があるだろうけど
その日の夜は何も言葉には出さず
2人で黙ってアイスを食べました。

入院の持ち物の中には
ナース会で行った浅草で
いただいてきたお守りと
今回の手術を知って
もらってきていただいたお守りも
入れました。



もらってきてくれた方達の
気持ちも一緒に入れて
病室のベッドに付けたかったので
お守り入れを作りました。



何かしていないと
気持ちが落ち着かなかったのですが
心をこめて作った袋に
お守りを入れたら
大丈夫な気がして
心が静まりました。

手術をしたら
しばらくお風呂に
入れないだろうから
今日はゆっくり
湯船に浸かっておいで。

そして
眠ったのか眠れたのか
わからないまま夜が過ぎて
看護師クンの入院の朝がきたのです。

続きます

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先行的腎移植7年後の手術

2024年06月15日 | 日記
看護師クンが
5月29日に手術を受けました。

病名は『腎移植後左腎癌』

看護師クンに
私の腎臓を移植してから7年

その後も定期的に診察と検査を
受けていた看護師クンに
「3月のエコー検査で
残した自分の腎臓(左)に
腫瘍がみつかった」と
主治医の教授から電話がありました。

教授と看護師クンの予定の合う日に
外来で説明を受ける事になり
私も急遽休みを取って
一緒にI医大に行きました。

教授の説明は
「腫瘍は90%悪性。
まだ小さいので初期。
ドナーのお母さんと同じ手術法で腎臓ごと取り除きます」との事でした。

腫瘍は4cmまでが軽度
看護師クンの腫瘍は2cmなので
初期で軽度。
慌てなくても悪さは
しないだろうとの話でしたが
1番早く予定を入れられる
手術日が5月29日だったので
その日に予約を入れてもらいました。

夜勤明けで一睡もしていない
看護師クンと一緒に
診察後に入院予約の窓口へ。

その後術前検査をする為に
検査室へ。

夜勤明けでヘロヘロなので
スパイロ(肺機能検査)は
キツイだろうな~と
心配はしていたのですが案の定
なかなか看護師クンは戻って来ない。

やっと出てくると
「できなかった」と。

体力面の問題ではなく
コロナ感染後2週間経過してなかった
からだそうでした。

そうそう。
看護師クンはコロナに感染して
実家に帰ってきていたんです。

仕事復帰をしたその日に
教授からの電話だったので
本当にバタバタで。

なので、
問題なくできる
レントゲンと心電図検査だけ
してきました。

沈む私自身の気持ちを
ごまかすかの様に
何かの度に看護師クンに
「お昼は美味しい物を食べようね!
何食べる?」などと話かけていたのに
1時を過ぎ、2時を過ぎ
行きたいお店のランチは間に合わず、
会計が終わったのは夕方の4時過ぎでした。

帰り道でご飯を食べて
それまで気を張っていた看護師クンは
もう限界がきていたので
看護師クンの車を私が運転して
2人で帰って来ました。

「やっと軌道にのって順調にきていたのに。」って言葉を聞いて
なんて返してあげたらいいのか
わかりませんでした。

それから
仕事の事、お休みの手配など
看護師クンの入院、手術にむけて
準備を始めました。

腎移植の時は
仕事をしながら
私も入院して手術を受けたので
2人分の用意と家を空ける手配などで
とても忙しかったけれど
腎移植は希望の手術だったし、
看護師クンを助けてあげたいという
一心だったから、いろいろな事を
考えている時間も余裕もありませんでした。

今回は
看護師クン1人分の用意だけど
なんだか気持ちが沈んで
いろいろ考えてしまうんです。

機能していない腎臓だし
癌ができた腎臓を摘出してしまえば
大丈夫だと思っているけれど
何度もお腹を切らなくてはいけない
看護師クンを思うと
世の中不公平だな~なんて
思ってしまう。

久しぶりに会う人に
「看護師クン元気ですか?」なんて
言われると
「元気ですか?」って言葉は
案外残酷な言葉なんだって
思ったりもして。

そんなモヤモヤな毎日を送りながら
看護師クンの入院の日が
近づいてきたのです。

続きます


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