むらくも

四国の山歩き

三嶺撤退…徳島県

2015-02-09 | 剣山系

三嶺               みうね、もしくはさんれい



山行日              2015年2月7日
標高               1893.6m
登山口              東祖谷いやしの温泉郷
駐車場              あり
トイレ              なし
水場               なし
メンバ-             ピオ-ネ、むらくも




いやしの温泉郷から三嶺へは何度か登ったが、2010年と2011年に2度歩いて2度とも1791m峰まで行ったものの時間切れで引き返したことがある。
記憶の中では一昨年の出来事のように思っていたが、調べてみるとそれよりまだ1年ほど前の1月のことでした。
2010年1月19日は1791m峰に辿り着いたのが13:00ジャスト、天気は快晴で今考えると三嶺山頂へ行こうと思えば行けてたようですが、このときは三嶺山頂到着時刻のリミットを13:00としていたので、引き返してしまいました。
積雪期に初めて歩くコ-スだったこともあって、復路に要する時間の読み違えでした。

2度目の2011年1月3日はその頃まだ元気だった三嶺犬シロ(チビ)と一緒に歩いたのですが、時間が掛かってしまい、1791m手前のビュ-ポイントで断念、そこでシロと食事をしたあと1791m峰へ、到着した時刻は13:48、この日も快晴で三嶺の山頂を眺めてUタ-ンしたのです。
そのシロは2013年7月23日に14才で旅立ってしまい、思い出になってしまいました。
翌年2012年の冬、もう一度リベンジをと思いながらその年は所要で忙しく、果たせないまましばらく遠ざかっていたのです。

先日、いやしの温泉郷から天狗塚登山口へと車を走らせた折りに、ふと三嶺敗退とシロとの懐かしい思い出が甦り、もう一度登ってみようということにしたのでした、妻も大賛成。



午前4時起床、この4時という時刻がなんとなくわたしのなかで決まっていて、3時に起きるのは睡眠不足になってしまうので「よう起きん」となっている。
4時がリミットとしたら、あとはサッサと起きてサッと出発すればいいものを、やっぱりモゾモゾ、ゴソゴソと鈍くどんくさい動きで、いつものように玄関を出るのは5時過ぎ、冬期間休業中のいやしの温泉郷(4/1オ-プン)に着いたのは8時を超えていた。

この日のお天気は午前中晴、午後から曇りの予報。
日の出、6:57
日の入り、17:39
だいぶ日が長くなりました。
駐車場にはすでに3台の車が駐車し、お一人準備中でした。

積もっている雪は柔らかい、わかんをザックに括りつけ8:24スタ-ト。
小菜家住宅の前の道を通って、その先にある登山口へ。




冬の風物詩コエグロが畑に突っ立てられている。
コエグロとは10月の末頃に茅を刈ってそれを写真のように束ねて一冬越し、芋や野菜などを植え付ける前に小さく切った物を畑へ鋤き込むのですが、これがよい肥料になるそうです。
さぬきで言えばワラグロ(茅ではなく藁で作ったもの)でしょうか。
小さい頃、庭の端っこで藁を積み上げ、その上から肥やし(山羊や牛、鶏の糞など)を振りかけておくと冬の間に発酵し、熱が出て湯気が立ち上がっていたのを覚えてますが、作物には手間暇を掛けて生産していたようです。




民家方向へ少し歩いたところで後方を振り返ると、朝陽を受けて以前に登ったことのある滝下の天狗がゴギゴギした頭をさらけ出していた。
天狗の岩場の辺りにはカモシカの住み家があって、運がよければベ-という鳴き声を耳にすることが出来る。




登山道は民家の左側から尾根へ続いているが、先を歩く妻が雪の上についたシカやイノシシ、ネズミの足跡に気をとられ間違って谷方向の林道へと下りそうになった。
すぐに気がついて引き返し、尾根へと進む。
南東方向から南西方向にカ-ブを描いて緩やかに登っていくと、いやしの温泉郷から延びてくるモノレ-ルの下をくぐり抜けるようになるが、このモノレ-ルは観光用で正式名称は奥祖谷観光周遊モノレ-ルといって、温泉郷と同じく冬期間休業で4月からオ-プン、緑・赤・黄色のカブトムシの乗り物が森の中をゆっくりゆっくり70分かけて森林浴をさせてくれる。
近くには二重かずら橋(車で30分)やかかしの里(同20分)もあって、温泉で料理を楽しみながら三嶺登山を満喫できるアウトドア-格好の場所です。




モノレ-ルはグングン上へと延びていて、一番高いところへ出るとちょっとした展望もあるようですが、なんしろ未だ乗ったことがない。




今日は先行された方のトレ-スが続いている。
お一人はスン-シュ-、その他に2~3人の方たちだろうか。
先月末に天狗塚へ登ったときの雪質はクラストしていたが、その後、薄くやや固い層の上に柔らかい雪が降り積もっている。
樹木の間からは北北東方向に景色が開け、小島峠から黒笠山へ至る尾根が斑模様を描いていた。




うさぎの素早く走り去った足跡が尾根に残され、林内に吸い込まれるように消えている。
標高おおよそ1200m、右手にモノレ-ルの線路に沿って小さな小屋が見える。
モノレ-ル作動中の危険防止のための監視小屋でしょうか?
国土地理院の地図にはこの位置でのモノレ-ルは登山道の左手にカ-ブして描かれているが、実際には右手に線路が走っていると思われる。




登山道は標高おおよそ1235mのところでグッと右に曲がる。
後方には落合峠からオチハゲでしょうか、どっち方向にカメラを向けて撮影したものやら、帰宅して写真整理をする段階でわからなくなるときがしばしばです。




そして再びモノレ-ルの下を続けて二回潜ることになるが、これも国土地理院の地図と違って、いずれも南西に向かって二度潜る。
地図を眺めていて気がついたのですが、先ほどの監視小屋はモノレ-ルが二方向に別れる、あるいは合流する地点に建てられていたもののようですが、目で確かめてはいないので定かではありません。
要するにモノレ-ルの位置が地図とは若干異なっているようなのです。

しばらく尾根から離れて西側を歩いたところで、前方に百葉箱と造林小屋跡が見えてきました。
トタン作りの造林小屋は屋根が落ち、側板は彎曲していました。
ちょっと離れた位置にトイレか風呂小屋のようなものと炊事場のような小さな小屋がくっついている。




ここまでずんやり杉植林地帯でしたが、おおよそ1500m辺りで尾根が近づいた辺りで自然林に替わります。
木の間延びした影が雪上に映える。




4年前にシロと登ったとき、シロはこの尾根下で菅生谷川方向へ突っ切ろうとしたことを思い出した。
尾根から谷側に掛けては自然林の美しいところだ。
ブナ林が現れた。




風が出てきたようだ。
ダケカンバの薄く剥がされた樹皮が雪上に踊る。




ちょっとした大岩を越えるとそこからは針葉樹が広がる




足元で踏みしめる雪がじわりっと増えてきた。
緩やかな雪原に出た。




景色が一気に開けるが、残念ながら雲とガスが覆い、剣山や次郎笈は見えない。
わずかにその南西で雪を纏った塔ノ丸がボンヤリ見えた程度でした。




北にやや遠望が利き、矢筈山から黒笠山への稜線が東西に広がる。
この展望の好い雪原も思いで深い場所で、三嶺へ行くのを諦めて、ここでお弁当を広げシロと分け合って食べた。
時刻は12時、今日もここで食事を摂ることにし、シ-トを広げてザックを肩から外す。




サンドイッチを食べコ-ヒ-を飲んでいるとき、若い方三人が賑やかな話し声で早くも下山してきた。
妻が挨拶を交わし、お尋ねしたところ山頂へは諦めて行かなかったとのこと。
ザックにはわかんとピッケルと何本かのシュリングが備わっていて、申し分のない装備だ。
風が出てきたことと、ガスが湧いてきたこともあって止めたのかも知れない。

わたしたちは諦めない。
三度目の正直だ、そして性格がねちこいのだ。
腰を上げて、再び出発。




いやいや-いや-、ガスはますます濃くなってきたでねえか。




前進あるのみ。
12:54、1791m峰に到着、ここから山頂へは40分はかかるかな?
行けるでしょう。

わかんを装着することにした。
と、一人の青年が鞍部から登り返してきた。
お尋ねしたところ、やはりガスで山頂へは行かずに引き返してきたとのこと。
すると今度は若いごお二人が後方から追いついてきた。

あやや、どこかでお見かけした方と思ったら、ゆ~ちゃんと体が逞しくがっしりしたダ-リンでねえか。
挨拶をしたあと、お二人はスノ-シュ-をザックに負ったままザグザグっと勢いよく鞍部へ下っていったでねえか。
いかん、わたしら年寄りとはパワ-が違う、やはり若い。
なんせ登山口出発がわたしらより1時間も遅いスタ-トだのに、もう追いつかれ追い越していった。
あとを追いかけた。

すると三嶺への登り返しで、クラストした氷のような雪に足を滑らせて、ゆ-ちゃんが大幅にスピ-ドダウンしているではないか。
ダ-リンは相変わらず力強くがに股こいてガシガシ登っている。
風がビュ-顔を打つ。
諦めるわけにはいかん、ガンバ。
朝、駐車場でお会いし先行した男性の方がスノ-シュでシリセ-ドのようにして滑り降りてきた。

わかんを外して、ステップを切りながら木を摑み摑みなんとか這い上がる。




山頂まで300mと書かれた分岐も霞んでしまっている。
避難小屋の方向に向いてシャッタ-を切ったが、真っ白で、小屋らしい薄い陰がボンヤリ写っているだけだった。




山頂まで行ってもこの視界では無理。
今回はここまで、4人で銘々がピ-スやシェ-だのガッツだの、好きなポ-ズでパシャッ。




写真を撮った後、サッサと下山。
ダ-リンの話しではこの日の気温は-8°だったそうです。
それほど厳しい条件ではなかったものの、長居は無用。




強い風は短時間でおさまり、トレ-スはしっかり残っているし下山になにひとつ支障はない。




往路ではところどころで野鳥がピッピと鳴いたりもしていたが、ガスが撒く高所では静まりかえっている。
なにかの本で読んだことがあるが、表面が柔らかな雪は音すべてを吸収してしまい、ただでさえ静かな山をますます無口にさせてしまうんだそうだ。




時刻も時刻だし、わたしたちの足は遅いということもあって、先に下山していただいたダ-リンとゆ-ちゃんは1791m峰の少し先ではもう姿が見えなくなっていた。
わたしたちも休まずに黙々と足を運ぶ。

造林小屋跡に着いた、ここからはあと1時間程度で登山口に降りられる。
小屋に入って熱いコ-ヒ-とお菓子でも食べることにして休憩を入れた。




ホッと一息ついたところでトットと下山。
モノレ-ルの監視小屋のところではダ-リンとゆ-ちゃんがのんびり寛いでいた。
なにかいい匂いがする。
キムチ鍋を作っているんだとか。
ゆ-ちゃんはいい奥さんだな~、ダ-リンは幸せもんだわ。

途中で霙に遭った。
ザックカバ-を着けるのもましてやカッパを着用するのもおとましい。
小走りで降りた。




やがて青空が覗き、蒸気が立ちのぼる。
小走りしたのだろうかネズミの足跡も慌てふためいたようにして尻尾をずりずり森へ駆け込んでいた。




造林小屋からきっかり一時間、いやしの温泉郷に帰り着く。
三度目の正直にはならなかった、今回もわずかに300m手前で撤退。
わたしたちにとって、冬の三嶺は手強い鬼門だった。
もう一度、リベンジすることにしよう。
今頃、空の上でシカを追って気持ちよく走っているシロ、いい思い出をありがとね。
また来るよ。




いやしの温泉郷登山口8:24-造林小屋跡10:19-12:03標高おおよそ1730mビュ-ポイント12:32-1791m峰12:54-13:41三嶺避難小屋手前分岐地点13:48-<1791m峰>14:11-15:20造林小屋跡15:37-16:37登山口


グ-グルマップは→こちら(登山口などの位置が判り易い地図)
ル-トラボは→こちら(距離、時間がわかる地図)

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