事情があって、アベノミクスに関する出版物を何冊か読んでみた。
そして、がっかりした。
アベノミクスの柱のひとつである金融主導のリフレーション政策については批判も多い。
それはある意味正論であり、私も以前から「危うい」と指摘してきた。
しかし、この期に及んでなお第三者的な批評を行うことにどれほどの意味があるのか。
日本経済の再生は、国民全員の課題であり、われわれ一人一人が当事者だ。
リフレーション政策は、いわば力技でその「きっかけ」を作出するものであって、いつまでも続けるものではない。
それは最初から分かり切っていること。
政策の成果の一部は早くも現れつつあり、後はそれを活かすも殺すも、今後のわれわれの行動次第。
それぞれの立場で何が出来るか、皆が考え、実行に移すべき次の段階に、既に移っている。
無責任な評論家は必要ない。
震災直後、日本国民は確かに団結していた。
節電に協力し、不要不急の生活必需品の購入を自重した。
復興を願い、被災地支援の為に何ができるか、皆が考え、行動した。
レジャー関連の消費支出が急激に落ち込んでいると知り、釣りを愛する者として何ができるか、私も自分なりに考えて可能な範囲のことをした。
余震が続き海岸に近寄ることはできなかったが、被災地に所在するメーカーのルアーを大量に買ったり、地元のルアーショップで国産ロッドを取り寄せてもらったりした。
業界に少しでもお金が回ればと、同様の事をした釣り人は多かったのではないかと思う。
経済学の基本的なテーゼに、「利己的な消費者」というのがある。
消費者は全て、自己の利益が最大となるような選択をする、というものである。
しかし、一定の問題意識を持った消費者の行動が決して利己的でないことは、震災後のわが国で実証されている。
必ずしも支出を増やさなくたっていい。
お金がどこへ、どのように流れて行くのかを意識して使うだけでもいい。
しつこいようだが、「乗数効果」。
100の支出の効果が、120にも、150にもなる。
ある方が、いつも釣りでお世話になっている外房地域に恩返しするために、村上春樹の新刊を外房の書店で買おうとされたという話を聞いた。
また、ある方は、100円ショップで買い物をする際、外国製品の多いDではなく、国産品の多いSを意識的に利用しておられるという。
素晴らしい。
金額の多寡は問題ではない。
誰かがやってくれるのを待つのではなく、自分にできることを、出来る範囲で。
傍観者にはなるな。
そういうことだと思う。
実体経済を動かすのは、政策ではない。
理論でも、コンピュータでもない。
人の心である。
夏の参議院選挙では、おそらくリフレーション政策の当否が論点のひとつになるだろう。
しかし、いたずらに時計の針を巻き戻すような議論はすべきでない。
本丸は、成長戦略だ。
野党には、政策の枝葉で対立軸を演出するような姑息なこともして貰いたくない。
少なくとも自民党と民主党の間では、政策の最重要課題で共通認識を持っていたはずではなかったか。
これ以上、時間を浪費してはいけない。
次の選挙で試されるのは、野党の資質、そして国民の資質だと思っている。
アベノミクスの先にある、より本質的な問題の解決に向けた前向きな政策論争を期待したい。
頑張ろうニッャ刀B
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