前職場を去ることを決めてから約二か月。
残務整理やら引継ぎやらで慌ただしく、ゆっくり釣りができる状況ではなかった。
ここに来てようやく身の回りも落ち着いてきたので、久しぶりに南房夜磯の様子を見に行くことにした。
まずは道具の準備から。
夏用ウエーダーとスパイクシューズを棚から引っ張り出し、ランドリー背負子にコマセバッカンや柄杓などの道具を詰め込む。
数か月ぶりに触る愛竿がま磯。
すぐに竿を出せるようリールを装着してガイドにラインを通し、ウキ・カゴ・天秤一式をセットする。
ウキはいつものハピソン電気ウキ１．５号、カゴはナイロン網カゴ。
市販の大きな羽根ウキや重量級のカゴは好きではない。
チャランボとスカリも忘れちゃいけない。
おっと、チャランボの頭に竿受けが着いていないぞ。やばいやばい（笑）。
黄色い餌屋さんにコマセの解凍依頼の電話をして、準備完了。
現地到着は午前二時を少し回った頃。
海は穏やかなべた凪。
ここまで静かな海もそうそう無いのではなかろうか。
背負子を担ぎ、チャランボで足元を確かめながら磯伝いに歩く。
そよそよと頬にあたる潮風が懐かしい。
お久しぶりです。
ただいま帰りました。
波が無いので、一番前の岩まで出て釣り座を構える。
レギュラーサイズのメジナが一枚でも出れば御の字だ。
しかし、今朝は潮が流れていないのか、投入したウキはいつまでもぷかぷかと同じ位置にとどまったまま。
ああ、拙いなこれは・・・
駐車スペースからかなりの距離を歩いてきたので、今更エリア替えをする時間もない。
少しでも流れる潮を探して乗る岩や投入ャCントを変えてみるが、嫌な予感は的中し、結局夜が明けるまで一度もウキは沈まなかった。
まあ、こういう日もあるよね。
これも釣りのうち。
コマセを残しても仕方がないので、日中用のウキに交換して往生際悪く仕鰍ｯを投げ続けていると、もやもやとしたアタリが出るようになった。
何だろう。フグかな？
そして、餌を付け替えて仕鰍ｯを投入した直後・・・
突然ウキがスパッと沈んだ。
おおお、何だ何だ？
この引きはフグじゃないぞ。
姿を現したのは、３０ｃｍオーバーの良型ウマヅラハギ。
チヌ針４号を丸呑みしていた。
ラッキー♪
いいお土産ができた。
まだ他にも居るかもしれないと思い、持っていた一番小さな針（チヌ針２号）に結び替えたところ、これが大正解。
次々とウキが消し込み、３２～３３ｃｍのウマヅラハギを合計５枚キャッチすることができた。
ちなみに、使用したウキはデイゲーム専用のKP工房製カゴフカセウキ（非売品）。
大きな羽根と小さなボディで、視認性と感度を両立した逸品。
コマセがなくなったところで本日の釣りを終了。
竿をたたみ、荷物を担いで駐車スペースに戻る。
磯から上がり道路に出たところで、海の様子を眺める初老の夫婦に出会った。
近くのホテルの宿泊客だろうか。
「どうですか。釣れましたか。」
おそらくご主人は釣りをたしなまれるのだろう。
そしてきっと「メジナが少々」とか「クロダイが一枚」などという答えを想像していたはずである。
よくある海辺の会話だ。
しかし、私の答えは彼の期待を大きく裏切るものであった（笑）。
「はい、ウマヅラハギが入れ食いでした♪」
「ええ？ウマヅラ？」
（誰がヅラやねんｗ）
「ねえ、ウマヅラって何？」と奥さん。
「ハゲの仲間だよ。」
（誰がハゲやねんｗｗ）
興味津々のご夫婦に背負子の中の魚を披露し、人の好さそうなご主人にャCントや釣り方などを説明。
同じような条件の日に当たれば、狙って釣れるかもしれませんね。
ご夫婦と分かれた私は、駐車スペースでしばし休憩。
軽く仮眠をとって帰路についた。
久しぶりの磯釣りは、とても楽しかった。
また癒されに行こう♪
（本日のタックル）
ロッド：がま磯カゴファインフォースMH
リール：ステラ4000XG
ライン：PE2号＋ナイロンリーダー8号（竿二本分）
ウキ：（夜）ハピソン電気ウキ1.5号→（昼）KP工房製カゴフカセウキ
カゴ：ナイロン製網カゴ
天秤：自作
ハリス：フロロ4号
針：（夜）チヌ4号→（昼）チヌ2号
餌：オキアミ2L
＜追記＞
皆さん、ウマヅラハギの雄と雌の見分け方、分かりますか？
私は分かりましたぞ♪
一匹だけ明らかに体型の違うこいつが雄です。
＜さらに追記＞
ウマヅラハギのアクアパッツアを作ってみました。
美味しいです♪
